岡本嗣郎のノンフィクション「陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ」が原作の歴史サスペンスです。統治者側からの戦後日本が興味深く描かれていました。進駐軍を率いて終戦直後の日本に降り立ったマッカーサー元帥から、太平洋戦争の責任者追究を命じられた男が衝撃の事実にたどり着く姿を息詰まるタッチで追っています。
「真珠の耳飾りの少女」「ハンニバル・ライジング」のピーター・ウェーバー監督が、太平洋戦争直後の日本とアメリカの史実をもとに描いた歴史サスペンスです。
1945年8月、日本が連合国に降伏し、第2次世界大戦が終結。ダグラス・マッカーサー元帥率いるGHQが日本に置かれ、米軍統治が始まります。そんな時、日本文化を研究し、日本に対して格別な思いを抱くボナー・フェラーズ准将は、太平洋戦争の真の意味での責任者は一体誰なのかを調査するようマッカーサーから極秘に命じられ、独自に調べを開始するのです。 終戦直後の混乱した状況下で“真実“を求めて奔走する姿を描いた歴史ミステリーと言ってもいいでしょう。
主人公フェラーズに「LOST」のマシュー・フォックス、マッカーサーにトミー・リー・ジョーンズが扮するほか、初音映莉子、西田敏行、中村雅俊、夏八木勲、桃井かおりら日本人キャストも多数出演しています。
この映画の完成をみることなく今年5月に逝去した夏八木勲扮する関屋貞三郎は、この映画のプロデューサーの奈良橋陽子の曽祖父だそうです。関屋貞三郎は宮内省の側近として昭和天皇に仕え、この映画でのクライマックスでもあるマッカーサーと天皇(片岡孝太郎)の会見の実現に向けて尽力した人物の一人です。
ボナー・フェラーズ准将の報告書の結論に大きく影響する裏に個人的な日本人女性アヤとの恋があり
ます。フェラーズとアヤの恋模様に日本文化の複雑さをうまく絡めていました。
皇居等を含めてロケ地はニュージーランドだそうです。
有楽町マリオンのピカデリー1で観ました。