泣けますよ。声を抑えるのがつらいくらい泣けます。ハンカチを最初から用意をしておいたほうが無難です。ついでにテイッシュも。
茶川(吉岡秀隆)が、一念発起、芥川賞を狙って作品を書き上げます。そのタイトルは○○○。
一方、父の借金返済のために、○○○の世界に再び身を落として働くヒロミ(小雪)は、茶川の作品が賞の最終選考に残ったことで、茶川に迷惑がかからぬように身を引こうとします。
まあ、後は見てください。後ろに座ったおばさん二人は、涙だけでなく、鼻水まで出ていたようで、しきりに鼻をかんでいました。書き上げた小説が、立派なラブレターになっています。(あっ、ネタばれ・・・!)
後、感心したのは、昭和30年代の高速通りのない日本橋、羽田空港の見送りデッキ、銀座日劇前、こだま号のある東京駅のホーム。セットとかミニチュアとか特撮をうまく組み合わせて、実にリアルな懐かしい風景を再現しています。
銭湯のシーンや、ローラー式絞り機の付いた洗濯機、アイスキャンデー売りとか、24色色鉛筆等の小物も、郷愁を誘います。
親戚に預けられる子供の話も懐かしいですね。私も、割と親戚に預けられたクチでしたから、気の使い方とかまあ、ちょっと身につまされるシーンが結構ありました。状況判断と自分の感情をを抑えるコツをその当時身に着けました。
少し、話のテンポがスローな感じはしますが、それはそれでゆったりと味わいたい世界です。なにしろあなたは、この2時間半強に50年前にタイムスリップするわけですから。時差ぼけ修正には少し時間はかかるものです。