川内優輝がやってくれましたね。
対レッドソックス戦で登板予定だった大谷翔平の延期が告げられたアナハイムほど(氷点下)ではなかったにせよ、異常な寒波に覆われたボストンの春の悪天候の中、公務員ランナー川内優輝がマラソンのメジャー大会のボストン・マラソン(2018年4月16日)で優勝という快挙を達成してくれました。
去年大迫傑が初マラソンながら、2時間10分28秒で3位に入ったときでさえ、1987年に優勝した瀬古利彦(2時間10分12秒)以来の30年ぶりの快挙と大騒ぎしましたが、31年ぶりの価値ある優勝を川内がもぎ取ってくれました。
川内の優勝タイムは2時間15分58秒でした。強く吹き荒れる雨風に気温も3.3度という厳しい条件下で、タフさがモノをいった消耗戦でした。
前半から勢いよく飛び出してトップ独走を続ける川内に、現地中継をしていたアナウンサーと解説者はマラソンを知らないド素人ランナーのような走りだと揶揄していました。案の定、中盤でトップ集団に吸収されトップ集団から置いて行かれるいつものようなパターンでした。しかし、後半で脅威の粘りを見せる川内がいつも以上の本領発揮で生き返りました。
水をはね上げ、歯を食いしばりながら、猛追をし、現地のマラソン解説者も驚嘆の賛辞を(しぶしぶ?あきれ気味に?)送っていましたが、40キロすぎに遂に昨年の世界選手権覇者ジョフリー・キルイ(ケニア)を抜いて、優勝のゴールテープを切ってくれました。
この優勝賞金(1600万円)が入って経済的な余裕がでたからでしょうか、川内選手は、来年4月を目途に公務員ランナーからプロランナーへの転向の決意を明らかにしました。
昨年のロンドン世界陸上の後、日本代表からの引退を宣言した川内ですが、その後も数々のレースに出場し、20年東京五輪代表選考レースのMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)出場権もすでに獲得しています。
公務員ランナーからプロのランナーに変身することで、虎視眈々と日本代表復帰の機会も視野に入れているのではないかと思います。
2020年の真夏の東京が、異常寒波に襲われたら・・・なんて想像にニヤニヤしています。五輪代表を巡って熾烈な戦いが繰り広げられそうですね、31歳の川内選手のますますの活躍を期待しています。