
東京五輪に向けて世代交代が卓球界に起こりました。
5連覇と10度目の優勝を目指したリオ五輪銅メダリストで日本の第一人者の水谷準(28)は、14歳で決勝の舞台まで上がってきた張本智和に対して、昨夏の世界選手権で敗れた雪辱を期したはずです。
それが、どちらが第一人者かわからないぐらいの試合内容で水谷の方が圧倒されてしまいました。
水谷は試合後「(張本は)戦術も成長し、数倍強(くなっていた)」と脱帽でした。
TV観戦していた私も、水谷の対戦相手が張本智和という14歳の新鋭ではなく、トップランキングの中国人選手に見えました。 それほど水谷が翻弄され圧倒されたゲーム内容でした。
東京五輪に向けて頼もしい新星が、東京体育館で吠えてくれました。何度も何度も「チョレイ!」と・・・。 優勝を決めた後は、イナバウアーのおまけまでついて。
女子も世代交代ですね。
昨年は、平野美宇(当時16歳)が全日本選手権3連覇中の石川佳純を決勝で破って、当時の最年少優勝記録(今年14歳の張本智和に更新されてしまいましたが)を打ち立てました。 その後、4月に行われたアジア選手権のシングルスで当時の世界ランキング1位、2位、5位の中国の強豪選手を破ってアジア制覇も果たしました。その後の6月の世界卓球選手権個人戦で銅メダルを獲得したことも記憶にまだ新しいです。平野はリオ五輪の代表入りを果たせなかった悔しさをバネに攻撃的な高速卓球という武器を身につけ急成長をみせてくれました。
一方、平野とは「みう・みま」の愛称で呼ばれていた伊藤美誠(平野美宇、早田ひな、加藤美優等と共に、黄金世代とも呼ばれている)は、リオ五輪の団体戦で「福原愛さんを手ぶらでかえすわけにはいきません!」の大言壮語の有言実行で銅メダル受賞に貢献しましたが、五輪後のシングルスでは成績が振るわない状況が続いていました。
その伊藤美誠が、今年の全日本選手権大会では去年の不調を一蹴する躍動をみせてくれました。個人戦での準決勝で石川佳純を退け、決勝では小学生時代から何度も頂点を目指して戦った「みう・みま」決戦となりました。この決勝前までの対戦は18戦で美宇8勝、美誠10勝でした。
結果は、連覇を目指したライバルを圧倒した伊藤美誠の初優勝でした。 伊藤が勝利の瞬間、「チョレイ!」と思わず耳を疑うような大声で叫んだのが愛嬌でしたね。
五輪のメダリストとしてのプライドを捨て、徹底的に打ち返しの基礎的な多球トレーニングを行ったようです。結果、足腰が鍛えられ、腰を落として相手の攻撃球をブロックするだけではなく押し込んで打つ「みまパンチ」という必殺技を編み出しました。 準決勝の対石川佳純戦でも決勝の対平野美宇戦でもこの「みまパンチ」が要所要所で炸裂していました。
伊藤は、シングルスだけでなく、ダブルスでも2冠を達成し、合わせて3冠達成の快挙でした。次は、平野美宇が「みうパンチ」を武器にする番ですね。黄金世代4人が切磋琢磨して3年後20歳での東京五輪の表彰台を独占することを祈っています。