
昨年12月20日に直木賞候補5冊が選ばれましたが、その候補作の中で私の興味を引いたのは、澤田瞳子氏の「火定」と門井慶喜氏の「銀河鉄道の父」でした。 早速、その2冊を購入し、とりあえず読んだのは「火定」でした。
門井慶喜氏は推理小説でデビューされているようですが、私は彼の「シュンスケ」(伊藤博文)や「家康、江戸を建てる」等の歴史小説しか読んでいません。第155回の直木賞候補作となった「家康、江戸を建てる」が面白かったので「銀河鉄道の父」も気になっていました。
「銀河鉄道の父」は詩の「雨にもマケズ」、童話の「風の又三郎」や「銀河鉄道の夜」等で後世に語り継がれる作品を多く残した宮沢賢治の37年の短い生涯を父親・政次郎の視点から描いた長編小説です。
宮沢賢治と言えば結核で倒れてしまう妹のトシが賢治のよき理解者として有名です。 家族の看病もむなしくトシは亡くなり、やがて同じ病が賢治をも襲うことになります。(傑作詩篇「永訣の朝」が最愛の妹・トシとの死別に描かれる兄妹愛を描いたものとして有名です。)
家業の質屋を継がせるか迷う政次郎と夢を追い続ける賢治の愛憎半ばの父子の物語です。 妹の病や死をきっかけに創作に目覚める様が父親の目にどう映ったのか、料理屋経営者の父を持つ作者も父の後を継がず物書きを目指してきたそうですが、自分を賢治に重ねて「物書きとはどうしょうもない生き物」だと思ったそうです。
その作者の思いを掬い取れるように読んでみたいと思います。
余談ながら、「西郷どん」の鈴木亮平主演のWOWOWドラマ「宮沢賢治の食卓」全5話が1月28日日曜日の深夜一挙放送予定になっています。 父親役を平田満ですから笑ってしまいました。 平田満は「西郷どん」で大久保正助(利通)の父親役を演じています。 妹トシは石橋杏奈です。