明けましておめでとうございます!
12月の読書(8冊)の中では、陳浩基の「13・67」がよかったです。 ここ3年の12月は2014年が「その女アレックス」、2015年が「悲しみのイレーヌ」、2016年が「傷だらけのカミーユ」とピエール・ルメトールの逆転に次ぐ逆転トリックのヒネリ技に傾倒していましたが、今年は香港版ルメトールと言っていいほどの陳浩基のトリックの連作集を楽しみました。 トリックだけでなく香港の2013年から逆年代に1967年に遡る激動の時代背景と伝説の刑事としてのクワンの人間性もよく描けていました。
トニー・レオン主役で潜入警察官を扱った香港映画の金字塔「インファナル・アフェア」3部作も香港の中国返還を跨いだ時代背景が描かれていましたが、この「13・67」の映画化も楽しみです。
トニー・レオン主役の「グランドマスター」(2013)でメガホンをとった香港の映画監督、脚本家のウォン・カーウァイが映画化の権利を買ったようです。
読書(8冊)
レイチェル・ワイズ主役の「否定と肯定」はホロコースト否定論者とユダヤ人歴史学者が法廷で争う法廷ものの映画でしたが、弁護士グループが戦略を絞り込んで相手の言い分を論破するために行う情報収集と分析に費やすエネルギーと法廷での柔軟な戦術の使い分けが印象深かったです。 法廷での言葉の応酬の迫力にしびれました。
そうした法廷戦略に関する背景知識を得たためか、年末に観たポールニューマン主演の医療過誤を扱った法廷もの映画「評決」がいたく面白く感じました。 しかし57歳のポール・ニューマンが演じるアル中の初老の落ちぶれ弁護士が、権力を笠に着た判事や政治やカネを使って職業倫理に触れるようなことまで戦略に取り入れる被告側弁護士に対して、勝ち目の薄い戦いを挑む青さがたまらなくよかったです。シャーロット・ランプリングが演じた謎の女がこの法廷もの映画にサスペンスの深みを与えてくれていました。 年末にいい映画を観ました。
映画(7本)
NHK大河ドラマ「女城主直虎」は歴史事件の解釈に新鮮なものがあり私にとっては大変満足のいくドラマでした。
「陸王」は役所広司さんの独壇場かと思っていましたが、出演者の1人1人の人間が丁寧に描かれ、むしろ主演の役所広司がドラマ内容同様チームプレイに徹しているようでした。 結果、すごくいいドラマに仕上がったと思います。 松岡修三もなかなかやるな・・・と思いました。
老舗足袋屋こはぜ屋の社長宮沢紘一(役所広司)の息子で就活中の大地を演じた山崎賢人もよかったです。 シルクレイの開発者飯山(寺尾聡)の手伝いをするうちにモノづくりの面白さに目覚め自分が打ち込める居場所を見つけていく成長物語も丁寧に描かれていました。
最終回で太ももの筋肉が縦割れしていたアスリート竹内涼真も新たな魅力をみせてくれました。
リトグリの挿入歌・「ジュピター」もよかったです。
TVドラマ(2本)
総括