スターウォーズの第1部と2部から30年の時を経て第3部が始まったことは同時代を生きる人間の1人として嬉しかったです。
製作会社が20世紀フォックスからディズニーに交代し、第3部作の第1弾の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015年)にはフォースのパワーを持つレイ(デイジー・リドリー)が登場しました。
そしてその「フォースの覚醒」のラストシーンで銀河系に残る唯一のジェダイ騎士ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)に巡り会って新たな物語が展開するお約束でした。レイがジェダイとなるための修行を施してくれるのかそれとも反乱軍への強力な助っ人となってくれるのでしょうか?
しかしルークはジェダイの終焉(しゅうえん)を堅く信じていてレイの願いを聞いてくれません。 新時代のジェダイを育てようとしてベン・ソロ(=カイロ・レン、アダム・ドライバー)の指導に失敗し父親ハン・ソロを殺して暗黒面に堕(お)としてしまったことに深い失望と強い諦念を持っていたのです。
正義のレイと完全な悪へのためらいに揺れるかに見えるカイロ、ルークの3者を通して描かれる世代の交代が軸になった物語でした。
そしてその世代交代という意味では、2016年10月に心臓発作で急逝したレイア姫役のキャリー・フィッシャーに象徴されるかもしれません。 享年60歳でした。遺作となった本作でのキャリー演じるレイア姫の美しさはただ事ではありません。
この映画の中でR2が登場し、ルークに青みがかったホログラムで30年前のレイア姫の姿が映し出されるシーンがあります。スターウォーズ第1作の19歳のキャリー・フィッシャーにも出会えて一層感傷的な気持ちを深くしてしまいました。
映画の中でも外でも人間は確実に年を取り、世代交代も自然のことなのでした。
この映画の監督となったライアン・ジョンソン氏もその意味では世代交代を印象付けていましたね。 新人監督の大抜擢でした。
第2作の最後にはフォースの存在をかすかに感じさせる幼い少年が映し出されます。この少年に未来が託され、世代交代がさらに加速される予感です。 第3作は2019年の公開予定です。