キャラクターの造型等よくも悪くもジブリの色が濃く残った作品と言われればそうだし、ジブリのようでジブリでない作品と言われればそうだとも思える作品でした。
もともと、「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」のような静かな物語で有名な米林宏昌監督ですが、その路線からするとスケールが大きく、ジブリ作品のレベルからはやや小ぶりのスケールに思え中途半端な感じがありました。
魔女や魔法の世界にどっぷりはまるのでもありませんでした。 主人公たちが魔術を結局否定し魔法の呪縛から多くの動物たちを解放したからそう思えたのかもしれません。
それは、とりもなおさず米林宏昌監督が、ジブリの呪縛から自らを解き放とうとしていたメッセージのようにも、医学・科学技術の発展を制御不能になった魔法にたとえ、現代人の科学技術への盲信を諫めるメッセージのようにも思えました。
小1の孫嬢にとっては、意外ながら「パイレーツ・オブ・カリビアン」より、この「メアリと魔法の花」の方が怖かったそうです。
2011年の東北大震災の翌日に生まれた孫嬢です。2011年後、浮き彫りになった過信した原子力技術の脆弱さとリスクの大きさを彼女の潜在意識が魔法によって意の染まぬ形に変えられた動物達の悲しみと重ねたためかもしれません。