馬場勇一郎、佐々木塁、服部凱杏、林田洋翔達の高校総体全国大会2017のそれぞれの結果をまとめてみました。 (写真もこの順番に並べています)
去年、800m、1500m、3000mの中学生記録を塗り変えた鳴り物入りの新高校生4人が挑んだインターハイ2017はそれぞれに辛い試練となったようです。
昨年、800mの中学記録を33年ぶりに更新(1分52秒43)した中京大中京高1年の馬場勇一郎は、全国大会@山形の予選を1:53.96で走り、準決勝までまで進みました。準決勝ではタイムを1:53.16と予選より伸ばしましたが決勝進出には届きませんでした。
ちなみに800m決勝で優勝した兵庫高の高橋佑輔のタイムは1:50.32でした。優勝者と4位までの差が1秒ないという接戦でした。馬場が、この全国インターハイでトップ争いに絡むには、後2秒程度自分の記録を伸ばす必要があります。たかが2秒、されど2秒の越すに越されぬ田原坂ですね。
1500mの中学生記録(3分53秒69)を持つ佐々木塁 の東北高校総体予選の記録が3:58.99で6位、決勝では故障があったのでしょうか4:02.48で8位でした。 地区大会止まりで、インターハイ全国大会@山形への参戦は叶わなかったようです。
結局、盛岡第一高1年の佐々木は、1位で走った県大会の1500mのタイムが一番よかったですね。 3:57.12でした。故障を早く治して、来年は全国大会でライバルたちとの元気な競演を見せて欲しいです。
佐久長聖高1年の服部凱杏は全国大会の1500mの予選にこそ出場しましたが、3:58.74の10位で決勝に駒を進めることができませんでした。
服部凱杏は他の3人と違って中学記録保持者ではありません。昨年の愛知県千種中時代に1500mで歴代2位、3000mで歴代8位となる中学生記録の保持者です。ですが、勝負強さでは他の3人に引けをとりません。 昨年夏の全国中学陸上選手権1500mでは馬場、佐々木を、林田を抑えて堂々の優勝を果たしました。 また、12月に行われた全国中学駅伝第1区においてもライバル林田を抑え、区間賞を獲得しています。
余談ですが、2016年の伝説の全中陸上1500mの結果記録です。4人とも、大会新記録でした。
1. 3:54.49 NGR 服部 凱杏(3) (千種)
2. 3:57.91 NGR 馬場 勇一郎(3) (上郷)
3. 3:58.16 NGR 林田 洋翔(3) (桜が原)
4. 3:58.60 NGR 佐々木 塁(3) (盛岡河南)
このときの服部凱杏の記録が、後に佐々木塁に破られはしましたが、2012年の池田親の記録を上回るものだったのです。2位、3位、4位は団子でしたが、1位の服部は後続に大差をつけてのゴールでした。
来年のインターハイ本戦1500mでは、是非、2016年の全国中学陸上選手権1500mの夢の4人対決を再演して欲しいですね。その中で、この服部凱杏の勝負強さをみたいものです。
一方、去年3000mの中学記録を2度更新した(最終的に8分19秒14)記録保持者の 長崎・瓊浦高1年の林田洋翔は、全国大会@山形 の1500mの決勝まで進みました。結果は5位でした。タイムは3:46.17ですから自己記録更新ですね。立派なもんだと思います。
ちなみに、優勝した学法石川高3年の半澤黎斗のタイムは、3:44.57でした。 さすがに高校生ともなるとレベルが高いですね。
林田洋翔は、全国大会@山形 の5000mの予選にも出場していましたが、こちらは14:39.99のタイムで決勝に進むことはできませんでした。
今年の5000m決勝では1位から5位まで(日本人は4位の佐久長聖の中谷雄飛だけ、後の4人は留学生)が13分台のタイムでした。
スーパー中学生として名をあげた4人が、新人高校生アスリートとして迎えたインターハイ2017でしたが、もそれぞれがそれぞれに厚い壁を感じた結果だったと思います。
以前、2012年に29年ぶりに中学生の1500mの記録更新となる3分55秒90の記録を打ち立てた当時加古川中、後に西脇工に進学した池田親に注目したことがありました。今、筑波大生の池田親ですが、スーパー中学生がその成長力を維持して、高校生、大学生として記録を伸ばして活躍し続けることの難しさを感じたことを思い出しました。
成長期ゆえの体の変化に注意しないと思わぬ故障につながりかねませんし、お山の大将だった中学性から高校進学で環境も変わります。中学の時打ち立てた記録が破れずプレッシャーとなったり、燃え尽き症候群に陥る可能性もあります。体もメンタルも振幅が大きい時期だけに注意深くケアに努め、順調に伸びっていってもらいたいです。この4人には、なんとかよい指導者にも恵まれ才能を思い切り伸ばしてもらいたいです。