
新宿三丁目の「新宿シネマート」で観ました。
塚本哲也氏の「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女」のイメージが残っていて、この映画の題名に興味を持ちました。
描かれていたのは、李氏朝鮮最後の王女の波乱の人生でした。1910年の日韓併合後の1912年、日本統治時代、大韓帝国の初代皇帝・高宗と側室である福寧堂梁貴人との間に生まれたのが主人公の徳恵翁主です。ちなみに翁主(オンジェ)は、王の側室から生まれた王女のことで、正室から生まれた王女は公主(コンジェ)となります。
1925年に12歳で日本留学、1931年に18歳で日本人と結婚、戦後も長く帰国を拒まれた徳恵姫(翁主)を淡々としたノンフィクションタッチながら、静謐な恋愛劇を軸に対日運動を絡め、撃ち合いを交えた逃亡劇を盛込む等やや荒っぽい味付けにしていました。
歴史に翻弄されながらも故郷を思い続けた大韓帝国最後の皇女が遂に韓国の空港に降り立ち多くの侍女に迎えられるシーンは涙なしにはみれませんでした。
映画は粗削りですが、歴史の中に埋もれて、日韓両国民の多くから忘れ去られた「徳恵翁主」を掘り起こしてくれた監督には感謝したいですね。
日韓でこの物語を捉える視点にはズレがあるかもしれませんが、日本の植民地支配の裏側にこのような悲劇が埋もれていたという事実は動かせません。
主役は「私の頭の中の消しゴム」のソン・イェジン、監督は「八月のクリスマス」のホ・ジノ、日本からは戸田菜穂が徳恵翁主の母違いの兄「英親王」の妻「李芳子」として出演していました。 梨本宮方子が結婚して李芳子として住んだ家は今も赤坂プリンスホテルの旧館として残っていますが、映画でもしっかり映っていましたね。 余談ながら、NHK韓国映画「オクニョ」での準主役格のユン・テォン役を演じているコ・スも反日運動家の徳恵の甥役として出演していました。