「ケニー・リン、ユナ(少女時代)出演、総製作費約40億円を掛けて描く超大作歴史ドラマ。三国志の時代、蜀随一の武将といわれた趙雲(趙子龍)の成長と活躍、恋愛を描く。」というのがWOWOW番組宣伝での謳い文句です。
放送スケジュールをみると全50話で8月末に終了予定です。そして2話づつ放送していますが先週33話と34話でした。
半ばを過ぎ終盤に入りつつあると思うのですが、まだ蜀の劉備玄徳陣営に入っていません。「いつまで史実と無関係の山賊と戦っているんだよ」と突っ込みたくなるのですが、それはそれで史実でも正体の不明な趙雲の話ですからよしとして見続けています。
三国志とか水滸伝とかの武侠物は、血湧き肉躍る男の世界で、生半可な恋物語は御法度が通例のことと思っていたのですが、この「三国志 趙雲伝」はその点、思い切り異色といっていいでしょう。美女がこれでもかこれでもかと登場し、番宣謳い文句にある通り、趙雲(趙子龍)(ケニー・リン)の成長と活躍、そして夏侯軽衣(ユナ)との恋愛をしっかり丁寧に描いています。
とりあえずわんさか登場する美女たちの写真を参考までに掲載しておきます。順番は次の通りです。
趙雲の想い人である夏侯傑の娘「夏侯軽衣」、趙雲の幼馴染の柳慎の妹「柳擎児(りゅうけいじ)」、公孫瓚の娘「公孫宝月」、師匠李全の娘「李飛燕」、そして董卓を呂布に殺させる「連環の計」を演じた「貂蝉」です。
もう一つ、物語のポイントとなるのが、「楽毅百選術」という軍略の巻物です。楽毅は、三国時代魏の夏侯玄が「楽毅論」を著し再評価され、その後、書家の王羲之がかの名書体で写し有名になっています。諸葛孔明が軍師の鏡として楽毅を尊敬していたことは有名な話です。このドラマで執拗にこの軍略巻物を探し求める夏侯傑は架空の人物ですが、実在の夏侯覇(夏侯淵の子でのちに蜀に寝返る)をモデルにしているという説もあります。そうすると、夏侯玄 の父親の夏侯尚の伯父(叔父)である夏侯淵がこのドラマの夏侯傑 ということになります。そうするとこれほど「楽毅百選術」という著作にこだわったのも、夏侯玄の「楽毅論」に結実するってことで腑に落ちます。
三国志演義で、趙雲の得物は青紅(せいこう)剣だったように記憶しています(勘違いかもしれません)。この物語の冒頭で、護国神器の2本の宝剣、倚天(いてん)剣と青紅(せいこう)剣が登場していました。漢帝国、存亡のとき。太師、董卓(とうたく)の専横に身の危険を感じた若き皇帝少帝(しょうてい)が、倚天剣を趙雲の父趙安(ちょうあん)に、青紅剣を趙雲の師匠李全(りぜん)に託していました。
趙雲の想い人夏侯軽衣の父である夏侯傑が董卓の命を受け仮面を被って趙雲の父趙安(ちょうあん)を殺して倚天剣を奪います。趙雲の想い人夏侯軽衣は、したがって趙雲の父親を殺した仇の娘だったのです。それを薄々察している師匠の李全は、趙雲と夏侯軽衣の仲を裂こうとするのですが・・・・。
それはともかく、今の時点では、趙雲が使っている武器は、槍です。師匠李全、父趙安、そして父の仇の夏侯傑3人の師匠だった楽淵から譲り受けた百鳥朝鳳(ひゃくちょうちょうほう)槍です。趙雲が無双の強さを身に着けたのも絶命谷という秘密の場所で楽淵から直に手ほどきを受けたためでした。
趙雲の得物が百鳥朝鳳槍だと知った夏侯傑は彼が探し求めている「楽毅百選術」も彼の師匠「楽淵」が持っていたため、趙雲が隠し持っていないかと疑います。
その夏侯傑の手先となって動いているのが、夏侯傑が娘「夏侯軽衣」の婿として認めている「高則」です。小出恵介似の韓流俳優のキム・ジョンフンが「高則」を演じています。小出恵介は未成年少女との交友問題で俳優活動無期中止ですが。
さてさて、今後は劉備玄徳の下に馳せ参じて大活躍が待たれる趙雲ですが、その前に親の仇「夏侯傑」、師「李全」の仇「高則」との決着、「夏侯軽衣」との恋の行方が気になります。
諸葛孔明の伏龍に対して、鳳雛(ほうすう)と呼ばれた軍師龐統(ほうとう)が、先週から登場しています。今週といっても今日ですが、趙雲を劉備玄徳陣営まで導いてくれそうな予感がしています。