
スターリングラード攻防戦(1942年6月28日 - 1943年2月2日)は、第二次世界大戦の独ソ戦において、ソビエト連邦領内のヴォルガ川西岸に広がる工業都市スターリングラード(現ヴォルゴグラード)を巡り繰り広げられた、ドイツ、ルーマニア、イタリア、ハンガリー、およびクロアチアからなる枢軸軍とソビエト赤軍の戦いです。
スターリングラードは戦略上の要衝の地であったことに加え、時のソビエト連邦最高指導者ヨシフ・スターリンの名を冠した都市でもあったことから熾烈な攻防戦となり、史上最大の市街戦に発展、動員兵力、犠牲者、ならびに経済損失も莫大な規模に拡大しました。 そしてドイツ軍は壊滅状態ともいえるほどの大敗北を喫し、結果的に第2次世界大戦の3大ターニングポイントの1つと数えられています。ちなみに残りの2つは映画プライベートライアンの冒頭シーンで有名なノルマンディ上陸作戦とミッドウェイ海戦です。
2001年公開の映画「スターリングラード」の冒頭シーンも、ジャン=ジャック・アノー監督自身は否定していますが、1998年公開の「プライベートライアン」の冒頭シーンと同じくその戦闘シーンは圧巻です。いわゆる肉弾戦によりバタバタと兵士が惨殺されていく地獄絵図を臨場感たっぷりに見せています。
スターリングラード市に兵士が送り込まれるとき、ヴォルガ川を渡るのですが、そのときドイツから空襲を受けなす術もなくソビエト赤軍に新規に徴兵された若者たちが殺されていきます。無事スターリングラード市に渡りついた新兵たちは兵器が不足しているので銃は二人で一丁です。銃を持って突撃した兵が死んだら、もう一人がその銃を拾って突撃するという徒手空拳の肉弾戦なのです。
乏しい武器事情でそうした肉弾特攻作戦を繰り返していたソ連軍の一兵卒に埋もれていた天才スナイパー(ジュード・ロウ)をソ連の政治将校(ジョセフ・ファインズ、レイフ・ファインズの弟君です)が見出します。ウラルの羊飼いの家に育ち、祖父に射撃を仕込まれたスナイパーは、ソ連軍にとってそしてスターリングラード攻防戦の作戦を考える高官たちにとっても救世主になるのです。
「スターリングラードを死守せよ」との命令の下で徒に特攻作戦を繰り返し戦局に打開策を見いだせない作戦指導者たちは迫りくるの責任問題に汲々としていました。
そんな矢先、のちのフルシチョフ首相(スターリン亡き後、スターリン批判をしたことでも有名ですが)が、天才スナイパーを見出した政治士官の提案した作戦を採用します。

それは特殊能力をもった狙撃兵(スナイパー)による、ドイツ軍将校の狙い撃ち作戦でした。天才的狙撃手、ヴァシリは、その能力を発揮して、次々とドイツ将校を射殺。彼の活躍はその政治士官の広報活動により、新聞・ラジオで報じられ、ウラルの羊飼いは次第に、国民的英雄にまつり上げられていくのです。もちろん、政治士官君も鼻高々です。そして彼は、女レジスタンスとして働いていたターニャ(レイチェル・ワイズ)を情報通信の内勤にスカウトします。彼女がドイツ語を解することはもちろん、彼女が彼と同じユダヤ系だったことと何よりファインズ弟君がターニャに一目ぼれしたことがその理由でした。
しかし、敵もさるもの、ウラルの羊飼い君の活躍をいつまでも許してはおきません。ドイツ軍きっての狙撃の名手ケーニッヒ少佐(エド・ハリス)が、今やソ連の英雄となって新聞に顔写真まで掲載された羊飼い君暗殺のため、スターリングラードに送りこまれます。 その少佐は息子をこの戦争で亡くしており復讐の鬼と化し羊飼い君の仲間が次々とその標的とされてしまうのです。

羊飼い君は、自信を失いながらも、政治士官君とターニャに励まされて、ケーニッヒとの対決にのぞんでいくのですが、この三人の仲がもつれてきます。ターニャが前線に来て羊飼い君と関係を持ったことで嫉妬するのです。羊飼い君の非難を上官への手紙に書きつけます。一方ケーニッヒは二重スパイの少年兵を使ってヴァシリをおびき出そうとします。しかし、その後ターニャが亡くなったと勘違いした政治士官君はせめてもの罪滅ぼしと自分の命を犠牲にして囮となりケーニッヒの狙撃場所を、羊飼い君に教え彼はケーニッヒの射殺に成功します。この頃は、独ソ戦争はほぼドイツ軍の壊滅状況となっており、ケーニッヒは使命感だけで羊飼い君との対決に臨んでいたのです。
市街戦がようやくソ連の勝利で終わった後、羊飼い君はは病院で怪我から元気になりつつあるターニャと再会するのでした。(余談ですが、レイチェル・ワイズは、ロシアが誇る女子フィギュアスケート女王のメドベージェワに似ています。写真右上がレイチェル・ワイズ、左下がメドベージェワです。)
政治士官君を嫉妬で狂わしたターニャと羊飼い君ヴァシリのラブシーンも秀逸でした。夜這いをかけたのはターニャのほうです。連日、繰り返される戦いの合間、戦士の多くがざこ寝して、見張りが立っているという状況下で、毛布の中にくるまってのラブシーンでした。ズボンを脱いで半分だけ尻を露わにしたレイチェル・ワイズの演技には生唾をごっくんでした。ありえないのですが、私だったら脚がつるだろうなぁ~。途中で見張りの巡回等もあって、ケーニッヒとの狙撃シーンより緊張しましたわい。雪の中にじっと身をひそめて、狼が現れるのを待つ少年時代の主人公ヴァシリ(ヴァ尻?)を彷彿させましたが、露れたのはレイチェル・ワイズのハンケツでした。
なお、ジュード・ロウが演じた羊飼いのヴァシリ・グリゴーリエヴィッチ・ザイツェフはスターリングラード攻防戦で敵兵257人を殺害して英雄に祭り上げられたのは史実ですが、映画でエド・ハリスが怪演したドイツ軍の好敵手「ケーニッヒ少佐」はドイツ側の記録に該当者の記録が一切なくソビエト連邦がプロパガンダ目的に創作した人物だという見方が一般的です。