TOHOシネマズ日本橋で観ました。
ドルビー音響のワイドスクリーンで、いつものシニア料金より200円アップの1300円でしたが、大満足の音響と絢爛豪華な画質でした。
名作ディズニーアニメ「美女と野獣」を、「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン主演で実写映画化したものです。 エマ・ワトソンは知的で華麗でした。
2014年のフランス映画の「美女と野獣」は、野獣役にバンサン・カッセル、ヒロインのベル役はレア・セドゥーでしたが、兄弟・姉妹がいたり、お父さんも船乗りだったりで異なる家族背景でした。 レア・セドゥーのベル役の印象が薄かったのですが、エマ・ワトソンのベル役は印象的でした。
何より、エマ・ワトソン版はベルが大の読書家で(城の図書室の蔵書の豊富さに彼女が欣喜雀々するさまがキュート!)、その読書を通じて野獣王子と心を通じていくプロセスが気に入りました。知的好奇心と優しさを併せ持つ自立心旺盛のベルをエマ・ワトソンが見事に演じていました。
俳優たちと共演する置時計や燭台、ティーポットの擬人化も見事でした。呪いを解かれて人間に戻った家来の顔ぶれなども、わくわく感を持たせてもらいました。 丁寧に描かれていてこうした小物達が名脇役として素晴らしい歌声と音楽で盛り上げてくれるお城での食事シーンの豪華絢爛さにも瞠目させられました。
なんといっても、2014年のフランス版の「美女と野獣」との大きな違いは、この2017年版「美女と野獣」がミュージカルだということです。 画期的な手法の「ラ・ラ・ランド」とは違う、どちらかといえばむしろ古風な造りのミュージカルですが陶酔と高揚感はむしろ「美女と野獣」に軍配です。
エマ・ワトソンの歌もよかったし(「マイ・フェア・レディ」のオードリーの歌より随分肩の力を抜いて聴けます。)、意外感があったのはポット夫人のエマ・トンプソンの歌が素晴らしかったことです。
私は1991年に公開されたアニメ版「美女と野獣」を観ていないのですが、そのアニメ版で作曲賞と歌曲賞を受賞した「美女と野獣(BEAUTY AND THE BEAST)」を始め、「Belle」、「ひとりぼっちの晩餐会」、「Be our guest」など数々の名曲がこの2017年版でも残されています。 そのアニメ版で歌曲・作曲を担当したアラン・メンケンが、この2017年実写版では新たに3曲を加えてくれています。
「デイズ・イン・ザ・サン~日差しを浴びて~」(城の住人達がかつての幸せな日々を思いながら歌うナンバー)、「ひそかな夢」(野獣が解放したベルの後ろ姿を見つめながら歌う切ないバラード)と、「時は永遠に」(ベルと父モーリスの過去が明かされるシーンとエンド・クレジットで流れます。エンド・クレジットの歌は、91年のアニメ版で歌姫として大ブレイクしたセリーヌ・ディオンが歌っています。)
アラン・メンケンは歌曲賞・作曲賞等アカデミー賞にこれまで19回ノミネートされ8回受賞の常連ですが、この「美女と野獣2017」で早くも9回目の受賞の呼び声が高まっています。
ミュージカルに情熱と類まれなる蘊蓄を持つ「シカゴ」の脚本担当、「ドリームガールズ」の監督を務めたビル・コンドンがメガホンをとり、呪いで野獣の姿に変えられた王子(ダン・スティーブンス)と美しく聡明なヒロインのベルが惹かれ合っていく姿を描いていました。
ゴールデン・ウィークに遊びにきた孫嬢は、お泊りがなかったのでこの映画を一緒に観れませんでしたが、機会があれば、1991年のアニメ版を一緒に観て、そしてこの実写版もいずれDVDで観たいと思った映画でした。(孫嬢が「モアナと伝説の海」を怖がったため、この「美女と野獣」も怖がるに違いないと推測されました。今年の4月からぴかぴかの小1生です。)