第39回全国高等学校柔道選手権は20日、最終日の団体戦の競技が行われ、男子は桐蔭学園高(神奈川)が決勝で大成高(愛知)を破って12年ぶり2度目の、女子は夙川学院高(兵庫)が決勝でこれまた大成高(愛知)を破って初優勝を飾りました。
大成高は男女アベック優勝の機会を逃しました。
優勝候補筆頭と目された桐蔭学園は、ポイントゲッター村尾三四郎(準決勝対宮崎の延岡学園、決勝対愛知の大成共に3人抜きの活躍)の活躍が大きかったですね。
決勝戦では、村尾の3人抜きの後、大成の大将東部直希に3人抜き返されましたが、桐蔭学園高の大将関根聖隆が疲労困憊の東部を攻め立て「指導」3つを奪って勝利しました。大成の東部はこの日だけで11試合を戦う奮闘を見せましたが、最後に力尽きました。
この関根と東部は前日19日の男子無差別級の個人戦の準決勝でも対戦しており、そのときも関根が「指導3」で東部を下していました。個人戦決勝では関根が高校2年の村松颯祐(島根・開星高)に「指導2」で敗れて2位、東部は3位でした。
この大会に参戦して3回目となる桐蔭学園高の高松正裕監督(元81㎏級の2010世界選手権銅メダリスト、2012年に現役引退)は、「全国優勝は甘くないなと痛感した大会」と熱戦を振り返りました。初戦から予想外に苦しい戦いが続いたようです。「選手時代の優勝より何倍もうれしい」と指導者として初の全国制覇の喜びも付け加えていました。
女子団体戦は、絶対的エース阿部詩を擁して優勝候補筆頭と前評判の高かった夙川学院高(兵庫)が決勝で大成高(愛知)を破って初優勝を飾りました。
決勝の対大成高こそ1-1の内容差での勝利でしたが、エースの次鋒阿部詩が5戦全勝でチームを牽引する活躍で決勝までは前評判に違わず圧勝を重ねて勝ち上がりました。
エースの阿部詩は前日の個人戦でも、決勝で児玉風香(愛媛・新田高)と対戦し、開始僅か21秒に豪快な袖釣込腰を決めて勝利。大舞台に強い阿部らしく派手な「一本」で優勝を飾りました。
阿部詩はまだ高校1年生(4月から2年)ですが、今年2月のグランプリ・デュッセルドルフの金メダリストですから格が違うのは仕方ないですね。 先が楽しみです。