箱根駅伝10区で、最高タイムをマークしたのは、関東学生連合の照井(東京国際大4年)でした。最速で走ったにも関わらず、第93回箱根駅伝10区での“幻の区間賞”となりました。
関東学生連合はオープン参加のため参考記録としか認められませんが、1時間10分58秒の快走で、区間賞だった順大・作田直也(4年)の1時間11分0秒を2秒上回ったタイムで10区の23.0キロを走り抜けました。
照井は、昨年、箱根初出場を決めた東京国際大チームの一員として3区を務めて区間13位(ちなみにこのときのアンカー10区はNDソフトに就職した小針明人)で走りましたが、今年の箱根は東京国際大のチームとして予選会落ちで走れず、関東学生連合の一員としての参加でした。そして、オープン参加で初となる区間1位の快挙を達成しました。
照井は、秘かに区間記録を狙っていたけど、本当に取れるとは思ってなかったそうです。予選会に落ちた悔しさ晴らせましたね。10区のゴール手前で、シャツに書かれた東京国際大の名前の部分をつまみあげて、彼の所属する大学のアピールをしていたのが印象的でした。
照井は先輩の小針明人の所属するNDソフトへの就職が決まっています。
NDソフト駅伝チームは、今年、創部わずか2年目で初のニューイヤー駅伝出場の切符をつかみ取りました。 一昨年も昨年も予選会での最後の1枠の紙一重勝負でした。一昨年は3秒差に泣き、昨年は2秒差で競り勝っての歓喜の初出場でした。
もともとのチーム結成は、2014年のニューイヤー駅伝初出場で話題を呼んだ山形県の南陽市役所陸上部でした。
公務員ランナー達の運命は、しかし南陽市の市長交代で変わってしまいました。陸上部の規模縮小が余儀なくされ、高嶋哲監督が支援してくれる企業を探し、主軸の渡邊清紘等4人(渡邊、大沼、近並、鈴木)と共に移籍した先が、同じ山形県南陽市に本社があるNDソフト(介護福祉施設向けソフトウエアの開発・販売・サポート事業)だったのです。
昨年の予選会での秒差のアンカー区間のトラック勝負を制したのは、東京国際大出身の小針旭人でした。そして、小針の後輩で、箱根の10区を幻の区間賞(公式記録に残らないため)で駆け抜けた照井明人がNDソフトのスーパールーキーとして加入することになっています。
ちなみにNDソフトの今年のニューイヤー駅伝の成績は37チーム中33位でした。最後の数字がチーム順位、最初の数字が個人の区間順位となっています。
1区(12.3㎞) 37 0:37:05 上手 慶 NDソフト 0:37:05 37
2区 (8.3㎞)10 0:22:42 アレクサンダー ムティソ NDソフト 0:59:47 33
3区 (13.6㎞)37 0:41:09 近並 郷 NDソフト 1:40:56 34
4区 (22.0㎞)26 1:06:08 鈴木 駿 NDソフト 2:47:04 33
5区 (15.8㎞)36 0:49:52 兼子 侑大 NDソフト 3:36:56 34
6区 (12.5㎞)29 0:38:37 青木 達哉 NDソフト 4:15:33 33
7区 (15.5㎞)35 0:48:19 小針 旭人 NDソフト 5:03:52 33
来年は、照井の加入でさらに上の順位を目指して欲しいですね。 予選会で勝ち上がることが前提になりますけど。