左耳が突発性難聴に罹り、治療入院となった東京臨海病院のレクレーションルームでこの漫画を見つけ、17巻、一気読みしました。 全部で30巻以上あるみたいですが・・・・。
漫画の一気読みは久しぶりでした。 私にとっては、非常に面白かったです。 One Peaceも、進撃の巨人も、途中挫折した私にとっては、久々のヒットでした。 今、映画で公開中ということも背中を押してくれたのかもしれません。
自身も経験のある競技かるたを題材とした末次由紀の少女漫画で、ただ今公開中の広瀬すずを主演とした映画「ちはやふる 上の句」の原作です。下の句は4月29日より公開予定です。
競技かるたはイメージと違ってスポーツですね。 スポーツというよりクイズはや押しゲームですかね。 出会い、別れ、再会に、しのぶ恋を百人一首の歌に被せながらの、私にとっては少し風変りな青春熱血スポーツ漫画でした。
本作の主人公はクイーンを目指す少女・綾瀬千早であり、物語は千早がクイーンの座をかけて争う場面から始まります。 その後は千早が過去を回想する形ちなり第6話までは小学校編が、第7話から高校生編が描かれています。
小学6年生の綾瀬千早の夢は、姉の千歳が日本一のモデルになることでした。 しかし、福井から来た転校生・綿谷新に「自分のことでないと夢にしてはいけない」と諭されます。 そんな新の夢は競技かるたで名人になり、日本一になることであることを知り千早は、幼馴染の真島太一も巻き込んで、かるたの魅力へ惹きこまれていきます。 かるたの団体戦の面白さに目覚めた、新、千早、太一の3人でしたが、小学校卒業後は、新は再び福井へ、太一は有名な中高一貫校へ、そして千早は(府中市がモデルとされていますが)地元の中学校とバラバラになってしまいます。(1巻 - 2巻前半)
2巻後半では高校生になった千早が、太一も同じ瑞沢高校に進学していたことを知ります。 千早の情熱に心を動かされ、太一は二人で瑞沢高校かるた部の設立を目指すことになります。
たとえ離れていても、3人のかるたへの情熱は変わらないと信じていた千早でしたが、実は、福井へ戻り、千早との連絡も途絶えていた新は、祖父の死がきっかけでかるたから離れていたのです。
一方、千早と太一の2人は小学校卒業の時に交わした「かるたを続けていればまた会える」という約束を胸に、強くなって新と再会するつもりになっていました。
千早は、古典オタクで呉服屋の娘大江奏、小学生かるた全国2位(1位は新)の肥満児西田優征、勉学成績学年2位(1位は太一)の秀才駒野勉の勧誘に成功し、瑞沢高校かるた部を設立します。 たぶん映画はこのあたりから始まるのでしょうね。
そして、かるた部は「団体戦優勝」という目標のもとに、日々の練習を重ね、ついには強豪である北央高校を破り、東京代表として全国大会に出場することになるのです。
全国大会が開かれる滋賀県大津市にある近江神宮で、千早は現クイーンであり同い年の若宮詩暢(しのぶ)と出会います。
祭神が天智天皇である近江神宮は、小倉百人一首の第1首の歌を詠んだ天智天皇にちなみ、競技かるた大会のメッカになっているようです。
全国団体戦初出場の瑞沢高校は千早が途中棄権したために決勝トーナメントで敗退し、個人戦でも千早はクイーンの詩暢に大差で敗れますが、その戦いぶりで詩暢に記憶を残します。
おそらく、映画の原作としてはここらあたりまでを脚本にまとめるのではないかと思います。 たぶん漫画単行本の1巻から5巻ないし6巻あたりまででしょう。
ちなみに、タイトルの『ちはやふる』は小倉百人一首の撰歌「ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」に由来しています。原作者末次は本作についてインタビューで「“勢いの強いさま”という“ちはやふる”の本当の意味を、主人公が知り表現していく物語なのだと思う」と発言しています。
なお、競技かるたでは「ちはやふる」は「ちはやぶる」と「ふ」を濁音にして発音するが、本作のタイトルはそのまま清音で発音します。
4月29日以降、映画館で「上の句」「下の句」の上下篇を一気に観たいと思っています。 それまでに難聴が治らないと楽しみも半減してしまいますね。