いやぁ、下巻になって、物語がグァラグァラと動き始めましたよ。
まさにページをめくる指が止まりません。
短いカットで、次から次へと展開が目まぐるしく変わります。まるで映像をみているようなスピード感です。
スリリングなジェットコースターに乗ったような気分です。
千両役者リスベット・サランデル見参~!ですよ。 扱いが厄介なサバン症候群で事件のカギを握る少年アウグストも同じ匂いがするのかリスベットには従順なのが微笑ましいです。
リスベットとアウグストの隠れ潜む別荘に襲い掛かる殺人者ヤンの侵入格闘シーンを、リスベットの目線から、そしてその後殺人者ヤンの目線から複合的かつ立体的に再現してくれる手法にも感激です。
ミレニアム3巻の「眠れる女と狂卓の騎士」で、リスベットと兄で無痛症の大男の死闘のシーンでスティーグ・ラーソンが使った手法ですね。 タスキを渡され、次の走者となったダヴィド・ラーゲルクランツが違和感なくその手法を再現してくれましたよ。
ラーゲルクランツはラーソンの作風を研究し尽くして、自家薬籠中のものとしてくれましたよ。 すごいすごい!
第三巻では兄がリスベットに立ちはだかりましたが、この第四巻では、リスベットの双子の美しい謎の妹が登場します。
妹はどんな役回りかって? それは読んでのお楽しみにしてください。
とにかく、パンクでワイルドで暴力的な天才ハッカーリスベット・サランデルが所狭しと大活躍をしてくれます。彼女自身の過去との対決という部分もちゃんと織り込んでいてくれて、イメージも語り口も言うことなしで物語も面白いですよ。
双子の妹カミラとの因縁は次号以降の物語に乞うご期待です。