怒れるヒロインといえば何といっても、故スティーグ・ラーソンの「ミレニアム 三部作」に登場するリスベット・サランデルを外すわけにはいきません。
作家の死で、リスベット・サランデルの活躍も三部作限りかもと思っていましたが、出版社および遺族が指名したジャーナリストのダヴィッド・ラーゲルクランツが「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」に暴力的なパンクハッカー・リスベットを復活させてくれました。 まさに、Revenant/蘇えりし者ですね。
人工知能の世界的権威とサバン症候群のその息子が登場し、世界的権威の技術が盗まれる事件が起きます。その事件にサバン症候群の息子、そしてリスベット・サランデルも関与しているらしいことが上巻を読み進めることでわかってきます。 下巻が楽しみです。
ダヴィッド・ラーゲルクランツはジャーナリスト根性を発揮して相当スティーグ・ラーソンの「ミレニアム 三部作」を読み込んだのではないかと思います。 違和感なく、すーっと物語に入れました。
相変わらずの主人公ミカエル・ブルムクヴィストは特ダネ欠乏で、雑誌「ミレニアム」も売れ行き不振です。そこに、人工知能とサバン症候群という刺激的な組み合わせで刺激的な事件がミカエルの前に飛び込んできます。 しかも、第3巻の「眠れる女と狂卓の騎士」事件以来音信不通となったリスベットがハッキングに関わったわずかな痕跡をミカエルは見逃しませんでした。
ダヴィッド・ラーゲルクランツによって蘇った「ミレニアム・シリーズ」はこの完成済みの4巻に続いてすでに6巻まで書き継がれることが決まっており、ルーニー・マーラーがリスベット・サランデルを演じたハリウッド版のミレニアム映画が第1巻の「ドラゴンタトゥーの女」に続いて、ミレニアム2、3をスキップして、この第4巻がその映画シリーズの二作目に決定しているようです。
主人公ミカエルを「ドラゴンタトゥーの女」と同じダニエル・クレイグが演じることが決まっているので、リスベット・サランデルも1作目と同じルーニー・マーラーなんでしょうね。 私はスェーデン映画版のノオミ・ラパス演じるリスベットのほうがしっくりくるのですけどね。 ミカエルも私のイメージは、スエーデン版の男優でもハリウッド版のダニエル・クレイグでもなく、優男のジョージ・クルーニーですが。
サバン症候群の天才画家としては山下清が有名です。 トム・クルーズ主演の「レインマン」でダスティン・ホフマンが数学の天才として描かれたことで、サバン症候群に世間の注目が集まりましたね。 情報をフォトコピーのように丸暗記ができるリスベット・サランデルの天才的能力もサバン症候群の影響かもしれません。