原作を読み上げた直後に、有楽町マリオン別館の丸の内ピカデリー3で観ました。
伊坂幸太郎の140万部突破のベストセラー小説を、生田斗真、浅野忠信、山田涼介(Hey! Say! JUMP)の豪華共演で映画化した作品です。
生田主演の「脳男」などで知られる瀧本智行監督が、再び生田主演作でメガホンをとりました。
仕組まれた事故により婚約者百合子(波留)を失った教師・鈴木(生田斗真)は、復讐のため教員としての職を捨て、裏社会の組織に潜入します。しかし、復讐を遂げようとした相手は「押し屋」と呼ばれる殺し屋槿(あさがお・吉岡秀隆)によって殺されてしまいます。 裏社会での手引き役の比与子(菜々緒)の命令で押し屋の正体を探ろうとした鈴木でしたが、押し屋の家族と親しくなった彼は、押し屋の居所を隠し、裏組織から追われる身になってしまいます。
その裏社会に君臨する寺原会長(石橋蓮司)の息子が鈴木の復讐の相手だったのですが、その息子がハロウィンの夜に渋谷のスクランブル交差点で「押し屋」によって命を落とす のです。
奇しくもその場所は以前寺原の息子が鈴木の婚約者を巻き込む無差別殺人を仕掛けた場所でした。
ハロウィンの夜に渋谷のスクランブル交差点で起こった日時が異なる2つの事故をきっかけに、心に闇を抱えた鈴木、殺し屋「鯨」(浅野忠信)、「蝉」(山田涼介)3人の男の運命が交錯していく様を描いていました。
鯨も蝉も別の事件に関わっていたのですが、吸い寄せられるように渋谷スクランブル事件に巻き込まれてきます。
原作とは異なるストーリーのまとめ方でした。 原作ではハロウィンの渋谷の交差点なんか出てきません。原作で寺原の息子が殺されるのは藤沢金剛町の地下鉄駅前の交差点 です。
物語の中心に渋谷のスクランブル交差点をもってくることで、人間とグラスホッパー(トノサマバッタ)の密集ぶりは上手く表現できていましたし、ストーリーも独自の構成ですっきりまとめていました。
原作を読んだばかりで、そのお洒落な会話やオフビート感漂う伊坂節に酔いしれていた私にとってはちょっと違和感が残った映画でした。
波留の演技も、「アサがきた」のアサとの区別がつかずにびっくりぽんでした。 天然の明るさですね。
菜々緒が黒いパンツで横断歩道を走る後ろ姿が腰の高いアフリカ人のようで格好良かったことが救いでした。