シネスイッチ銀座で観ました。
チャップリンが亡くなったのが1977年のクリスマスで、チャップリン邸はスイスのレマン湖湖畔にありました。
実話に基づいた映画なのですが、実際のチャップリン遺体誘拐事件の犯人は自動車修理工場の建設資金が欲しかったようです。 映画では病気の妻の医療費欲しさという設定に創作し、チャップリンの遺族が訴えを取り下げ、医療費も立て替えたという粋なはからいの物語に変わっていました。
このドラマでは、マヌケでドジな2人組が巻き起こす大騒動を描いたヒューマンコメディ仕立てですが、笑いの抑制がきき、チャップリンの「サーカス」や「ライムライト」へのオマージュととれるシーンをふんだんに取り入れチャップリン映画に詳しい人のはニヤリとさせられる仕上がりになっています。
私は知らないのですが、冒頭のシーンで「二度と道化になるんじゃないぞ」と言われて男が出所するシーンがあって、結局彼が道化師になるという筋立ても、何かのチャップリンの作品の踏襲なのかもしれませんね。
その男が、サーカスで動物を操って芸をさせる女調教師に魅かれて、道化師のピンチヒッターとなり、観客から拍手喝さいのエピソードももちろん実話からはかけ離れた創作です。
そのサーカスの女調教師の役を演じたのが、かのマルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの娘、キアラ・マストロヤンニでした。
音楽が「シェルブールの雨傘」等で有名なミッシェル・ルグランです。
見ようによっては、贅沢でお洒落な映画ともいえますよ。