池上彰さんと佐藤優さんの対談形式の著作は多数ありますが、こちらは佐藤は佐藤でも、小説フランス革命の著者の佐藤賢一さんです。
フランス革命を核として、薀蓄家の二人が、明治維新と比較したり、フランス革命の人権宣言と民主党のマニフェストを対比させたり、言葉の力からアラブの春に言及したりしています。
ナポレオンとロシア大統領プーチンの比較も面白かったです。
池上さんは、歴史はそのまま同じ形で繰り返さないけど、同じ人間である以上、同じような状況になれば同じような行動をとると言っています。 だから歴史を学ぶことでその教訓のようなものを学べるというのです。
未来への大きなヘッドライトにならないまでも、暗闇の未来を照らす懐中電灯くらいにはなるというのです。
現在の問題は過去につながっていて、過去の問題は現在につながっているといっています。
戦前、戦中、戦後を学校教育でもしっかり取り上げてきちんと教育をしないと、隣国に対して無神経な若者がどんどん育っていく一方ですね。
200年前のフランス革命でさえ、21世紀の日本に呼応していることの大きさを考えますと、時間切れカリキュラム扱いを反省し、日本史の最初の授業を、戦前、戦後として、今の憲法改正問題に取り組めるだけの基礎知識は学校で教え込むくらいのことはしておかないといけないと思いました。