一昨日の土曜日の夕方6時から「神楽坂でいい音楽を楽しむ会」@Art Salon 香音里で聴きました。
Trio Virtus 仁詩(バンドネオン)、水村浩司(ヴァイオリン)、西澤健一(ピアノ)
バンドネオンという珍しい楽器に出会いました。
アコーディオンに形が似ていますが鍵盤ではなくボタンが蛇腹を挟んで両側についていました。
もともとはドイツのハイリンヒ・バンドという方がパイプオルガンの代用として考案した楽器のようです。
肩に担がず膝に乗せて演奏するため指は4本しか使えません。ただ同じボタンを押しても蛇腹を開くときと閉じるときで音が違うということで音域をカバーしているようです。
20世紀にドイツから大量にアルゼンチンに輸出され、タンゴでよく用いられる楽器になったそうです。
日本での奏者も16人ぐらいで、仁詩さんもその中の1人です。
13曲くらいさまざまなタンゴを聞かせてもらいました。
タンゴといえば2013年9月29日の自分のブログに書いていますが、映画「タンゴリブレ 君を想う」を観て独特のリズムに魅入られた記憶がありました。 チチョ・フルンボリという世界的に有名なアルゼンチン・タンゴ・ダンサーも出演していました。
ダンスとしてのアルゼンチン・タンゴはブエノスアイレスから発生し、ごく初期には男性のソロだったようです。のちに男女のカップルが頬とおでこをつけるようにして抱き合って踊るようになります。それに対していわゆる社交ダンスとしてヨーロッパで生まれたコンチネンタル・タンゴは背をそらせて抱擁するのが特徴です。
仁詩さんの解説では、音楽としてのアルゼンチン・タンゴはドラマティックかつセンシティブなのだそうです。 社交ダンスの舞曲として発達したためか欧州のコンティネンタル・タンゴは優雅だと言っておられました。
アルゼンチン・タンゴはブラジルで演奏されるタンゴと違ってギターを使わないそうです。 また打楽器を使わないこともタンゴの特徴だと言っていました。
7月9日(ヌーベデ・フーリオ)というアルゼンチンがスペインから独立記念日の曲からスタートしました。
1曲目が4/4拍子、2曲目は3/4拍子の男の振られ歌で「君のかぼそい声」と続き、3曲目の、ミロンガと呼ばれる2/4拍子の「ブエノスアイレスの影法師(シルエタ・ポルテーニャ)」、4曲目には第1拍と第3拍めに強いスタッカートをおく個性的なリズムの「ラ・ジュンバ」でした。
5曲目の哀愁を帯びた「バンドネオンの嘆き」が私のお気に入りでした。
8曲めのサラサーテのチゴイネルワイゼンではバンドネオンでセカンドヴァイオリンのパートを演じるなどの離れ業もみせてくれました。 基本的には管楽器のバンドネオンで弦楽器のパートを見事にカバーされていました。
11曲目が、ロドリゲスのラ・クンパルシータです。 チャッチャッチャというリズムは誰しも聴いた覚えはあるのではないでしょうか。 もっとも有名なタンゴの1つかもしれませんね。 ウルグアイ人ロドリゲスが学生のときカーニバル用に作曲したものだそうです。意味は小さな仮装行列との仁詩さんの解説がありました。
アンコールに応えた演奏が、13曲目になりますがピアソラのリベルタンゴでした。 これも有名ですね。 哀愁の中にも優雅さが感じられます。 確かサントリー・ウィスキーのCMで流れていたような・・・?? 葉加瀬太郎の演奏を聴いたことがあります。
心に残るエンディング曲でした・・・幸せ・・・至福のひとときでした。 前から二番目の席で音を耳だけでなく肌で聴かせてもらいました。