「アニー」はブロードウェイ・ミュージカルとして有名です。
もともとの舞台は1933年の世界大恐慌後の真冬のニューヨークで、主人公はニューヨーク市立孤児院に住む11歳の赤毛のアニーです。どんな時も夢と希望を忘れず、いつか両親が迎えに来てくれると信じて暮らしていました。
そんなある日、クリスマス休暇を一緒に過ごす孤児を探していた大富豪オリバー・ウォーバックスの秘書グレースと孤児院で出会ったアニーは、ウォーバックスの自宅で休暇を過ごすことになり、いろいろあってアニーがウォーバックス氏の養女になってハッピー・エンドとなるお話でした。
このドラマは、1982年にも映画化されています。
今回のウィル・グラッグ監督/制作/脚本の2014年映画の特徴は、時代設定を現代に変えたことと、主人公のアニーも大富豪役のウィル・スタックスも共にアフリカ系アメリカ人の俳優が演じたことです。
アニーを演じたのは、「ハッシュパピー バスタブ島の少女」で史上最年少のアカデミー主演女優賞候補となったクワベンジャネ・ウォレスで、ニューヨークの市長選に出馬するIT長者を演じたのは、「Ray/レイ」(’04)でレイ・チャールズを演じてアカデミー主演男優賞に輝いたジェイミー・フォックスでした。
クライマックスで、車で連れ去られるアニーを目撃した子供たちが、ツイッターでアニーの居場所を実況中継するシーンが、アニーの現代版ドラマとして印象に残りました。
ただ、主題歌「Tomorrow」の平井堅のエンドロールで流れる歌はやや興醒めでした。
せっかく本編でクワベンジャネ・ウォレス等が現代風にアレンジした主題歌を「トゥモロウ」と発音して楽しく歌い上げてくれて耳にその歌が心地よく馴染んでいたのに、平井堅の歌はたぶんアレンジ前の歌だと思われるのですが、やや古典風に地味で、発音が「ツモロウ」としつこく聞こえて、テンパった麻雀の話かい!と突っ込みを入れたくなりました。
と、最後の平井堅の歌が鼻白む感ではありましたが、現代のシンデレラ・ストーリーにハッピーな気分にさせていただきました。