11月29日土曜日に東京の銀座線三越前駅のお江戸日本橋亭で鉄瓶・佐ん吉の落語ライブが夕方17時半に開場、18時から開演の予定です。 それに先だって23日日曜日に大阪通天閣の傍にある「動楽亭」で、鉄瓶・佐ん吉の落語ライブ関西編を聴いてまいりました。こちらは14時開演で、16時過ぎにお開きとなりました。
「動楽亭」の入りは、50~60名くらいの感じでした。 写真は引けた後、動楽亭出入口で挨拶をする鉄瓶さん、佐ん吉さんです。 出入口にトイレがあるのがおかしいですね。
前座は、笑福亭呂好さんの「つる」でした。 笑福亭松鶴一門で、お師匠さんも呂鶴さんで、鶴にちなんだ落語の演目「つる」はなかなかのものでした。 落ち着いた雰囲気がいい感じの噺家さんでした。
次に、桂佐ん吉さんの「猫のサイコロ」でした。
博打の弱い徳蔵が、ひょんなことから飼いだした猫の丁半のサイコロを目を読む特殊な才能に気付き、博打に大勝ちするのですが、その帰り道、博打に負けた札付きの悪兄弟に殺されふところの大金を盗られてしまいます。 徳蔵のかわいがっていた猫がその敵討ちをするという怪談風の噺でした。
佐ん吉さんは「猫のサイコロ」と言っていましたが、徳蔵を魚屋で猫好きの定吉に変えれば、立川談春等が得意とする「猫定」の噺にそっくりです。
「猫は3日飼うと恩(雄「オン」)も忘れん!」というサゲになっていたようです。
次は、笑福亭鉄瓶さんの「竹の水仙」、中入り後も鉄瓶さんで、「阿弥陀池」でした。
「竹の水仙」は鉄瓶さんのお得意とみえ、今回で聴くのが2回目です。 宿に居続ける汚い身なりの爺さんに宿屋の主人がとりあえず10日分の宿賃の催促をします。この爺さんは実はあの彫り物名人の左甚五郎でした。彼が、宿代稼ぎに竹で水仙をつくり、宿屋の前に飾っていたところ、肥後熊本細川藩の大名行列の折、細川の殿様の目に留まるというお話です。 「芸術品に相場はない」とでもいうのでしょうか、指二本で表す値段が人によって20文、200両、2万両と違うのがオチになっていました。
「阿弥陀池」はCDで枝雀師匠の噺を何度も聴いていましたが、この噺は鉄瓶さんのほうが面白い印象をもちました。 「誰が行けとゆうたんや~? 阿弥陀が池(行け)~!」がサゲでした。
トリは佐ん吉さんの「星野屋」という演目でした。星野屋の旦那さんと妾の花との心中を巡ってのだましあいの噺でした。 佐ん吉さんは、怪談噺とか、妾言葉とかが上手いですね。 追い詰められたお花の切りかえしの台詞と佐ん吉さんの表情に大笑いしてしまいました。
この「星野屋」は古典落語の演目です。 心中の身投げ場所は江戸落語では大川(隅田川)の吾妻橋ですが、上方落語での大川は難波橋(なにわばし)になります。 中之島を挟んで南に土佐堀川、北に堂島川が流れています。 地下鉄堺筋線北浜駅の近くの橋に置かれたライオン像が印象的な橋です。(写真は、土佐堀川を走る水上タクシーから難波橋の橋頭に座ったライオン像の背中を写したものです。ここが、落語の身投げ場所。)
落語会が引けた後、通天閣の傍の「車屋」さんで、長男君と食事をしたのですが(またセイコ蟹を食べてしまいました。外子のぷちぷち感もさることながら、内子の赤いダイヤが美味しかったです。)、途中のホルモン焼き屋で、打ち上げをする鉄瓶・佐ん吉さんを見かけました。
庶民の街、浪速の通天閣のじゃんじゃん横丁の場末の飲み屋に若手落語家達が溶け込んだ夕方の風景でした。
鉄瓶・佐ん吉落語ライブの東京編も、楽しみにしています。