佐々木蔵之介のお人よしで愛される殿様役が秀逸でした。彼の福島なまりの腹話術もなかなかのものです。
深田恭子の飯盛り女もいい味出していました。
世渡りは下手ですが、誠実な殿様が、家来や雇われ忍者に助けられて、幕府からの「5日以内に参勤交代」命令の下、藩の存亡を賭けた超高速参勤交代プロジェクトに取り組み、そのプロジェクトを成し遂げるお話でした。
今でも、下請け工場いじめや上司のきまぐれな無理難題といった感じで、仕事社会でみられそうな風景です。 時代を超えた共感のもてる作品に仕上がっていました。
参勤交代で、殿様が江戸幕府の元に期日までに顔を出せなければお取りつぶしになるというのですから、さしずめ今の会社制度では、手形の不渡りを出して信用失墜で、上場廃止って感じでしょうか。
時間も、カネも、人もいない三重苦の中、次々に襲ってくるピンチを凌いでいく痛快エンタティメンに仕上がっていました。