新宿「シネマカリテ」で観ました。
障害者の性を題材に、首から下が麻痺してしまった男性が愛する女性と肉体的にもつながりたいという願いをかなえるため奮闘する日々を、温かなユーモアとともに描く映画でした。
主人公マークを演じたジョン・ホークスが第70回ゴールデングローブ賞ドラマ部門で主演男優賞に、セラピスト役のヘレン・ハントが第85回アカデミー賞で助演女優賞にそれぞれノミネートされた作品です。
監督は自身もポリオサバイバーであるベン・リューインです。首から下が動かないマーク・オブライエンの実話から生まれた映画です。
セラピストであるヘレン・ハントが実に魅力的で、私だけでなく、たぶんこの映画を観た男性は誰しも、重度の障害をもつ主人公に感情移入しながらこの映画を観たのではないでしょうか。
セックス・ボランティアとももちろん売春婦とも違うセックス・代理人(サロゲート)という職業が認知されているのかどうかはわかりませんが、セックスを真正面から大真面目に取り上げたヒューマン・ドラマとしてもっと注目されてもよい作品だと思いました。
原題のSessionsには、ある活動を行う時間、期間とかという意味があります。ちなみに、この映画のセックス・セラピストのプログラムは継続不可で一度きりの6sessionsです。日を変えて6度の療法(セックス)を受けられますが、その6回が終われば継続はないということなのです。女性セラピストであるヘレン・ハントはそこが売春とは違うということを主人公のマークに主張していました。
それにしても、このセラピストの旦那さんは気持ちの管理にエネルギーを使っているようで、ちょっぴり同情してしまいました。
女性セラピストとして、治療であると割り切っているはずの彼女にも、人間としての感情があるというとまどいをヘレン・ハントが好演していました。
ヘレンハントは、ジャック・ニコルソン主演の「恋愛小説家」に「ウエイトレス」として出演していました。