経営トップが生殺与奪の権限を握っている場合で、「情報を開示して会社を潰すのか、隠蔽、粉飾を続けるのか」という選択を迫られた場合、経営陣の一角を占める業務執行マネジャーが、一人正論を貫いて毅然とした対応をすることは容易ではないだろう。
たぶん、そうした命令系統でがんじがらめに身動き取れない悩めるマネジャーを救うのが社外監査役であり、内部告発制度であると思われる。
NHK土曜ドラマの東山紀之主演の「七つの会議」を面白く観た。ある意味、原作よりメリハリも迫力も感じたいいドラマだったと思う。
ちょうどカネボウの美白化粧品問題が世間を騒がさせており、カネボウと親会社花王から構成される経営陣の「白斑」問題に対する顧客クレームに対する「事なかれ」方針=「あわよくば隠蔽」路線が浮上し、商品の自主回収中というたタイミングで、この「七つの会議」でした。
舞台がカネボウという子会社は同じで、良心の呵責に耐え、製造データを改ざんし、検査対象のネジをすり替え、親会社の調査を乗り切ろうとするサラリーマンの姿をリアルに描いていました。
「白斑の症状がウチの商品に原因があると断定するのはまだ早い。進んで発表するのは自殺行為だ。ブランドイメージが粉々になってしまう。」と叫んだカネボウの経営陣を責めることは難しいですね。
結果としては、早く公表し早く商品を回収すべきでした。少なくとも外部の医者から問題指摘があったときには早急にその問題に対処すべきでした。経営陣の善管注意義務違反が今後問われることになるのだと思います。