元気をもらえる映画でした。
リストラにあった50代の中年男(トム・ハンクス)が主役なのに、この作品を観る者に希望に満ちたすがすがしい気持ちを与えてくれます。
彼のひたむきで前向きな姿勢にまわりの人たちを巻き込んでプラスの相乗効果をもたらせてくれるのです。
勤務先の大型スーパーを大卒の学歴がないのでこれ以上の昇進はないから・・という理由でリストラされたラリーは落ち込みますが、すぐに気持ちを切り替えて就活を開始します。 バツイチの気楽な独り暮らしですが家のローンもたっぷり残っています。スーパーでのキャリア以外には海軍時代のコックという特技しかない50歳代のラリーにはそう簡単には就職先は見つかりません。
隣人から「知識は武器だから教育を受けろ」とのアドバイスを受けた彼はコミュニティ・カレッジで「スピーチ」と「経済学」を受講することになります。
そのスピーチの先生役がジュリア・ロバーツです。結婚生活への不満から講義への情熱も失っていました。
一方、ラリーは「経済学」の授業で知り合った若い女学生に誘われスクーター仲間に入ります。枯れ専の彼女の改造プロジェクトに従い、ヘアスタイル、ファッション、風水によるインテリアにと、ラリーは柔軟に変化していきます。 センスのいい彼女のおかげで冴えないオヤジから洗練された大人の男に変わっていきました。
まさに第2の青春です。すべてが新鮮で充実した学生生活を送るラリーはローンを解消すべく家を売ることになりますが、元海軍仲間が経営するコーヒーショップでのバイトにつくことができました。
そしてラリーは不機嫌なスピーチ講義のメルセデス先生の愛らしい一面に気づき心を惹かれていきます。
学生生活を楽しみ、講義の予習復習も着々とこなすラリーに触発されてメルセデスも自分の人生を見直しはじめます。
卒業試験の日、ラリーは最後のスピーチに挑みます。 人の心をつかむスピーチでした。 あとは見てのお楽しみにしてください。 ハッピー・エンドです。
最近Tsutayaで借りたDVDで見た米国映画は、世相を反映してかリストラを扱ったモノが多いです。 日本で公開されませんでしたが、リーマンブラザーズをモデルとした「マージン・コール」(2011)は冒頭でスタンリー・トウッチ演じるリスク・管理部門のトップがいきなりリストラを言い渡されるシーンから始まります。 「カンパニー・メン」もある日突然リストラされたエリート・ビジネスマンの苦闘をベン・アフレックが好演していました。