松本清張氏の「熱い絹」はシルク王ジム・トンプソン氏の失踪を扱った作品ですが、この伴野朗氏の「陽はメコンに沈む」は参謀としてノモハン事件・インパール作戦等を担当し、戦後参議院議員として動乱のインドシナで消息を絶った辻政信氏を扱っていました。
ベトナム戦争の頃のベトナム・ラオスが舞台になっていました。
ものがたりに関係のない部分で面白く感じた箇所の抜粋です。
1.果物の王様ドリアンを「便所の上でアイスクリームを食べるような味」と表現していました。
2.サイゴンには一日4回のラッシュがあるそうです。朝の通勤時、夕方の帰宅時のほかに、正午から3時までのシェスタの習慣が一般化しているため、昼休みの帰宅時と昼休み明けの出勤時だそうです。
3.ラオスの首都ビエンチャンの北160キロのところにあるバンビエンの景観は奇岩奇峰の群にあふれているようです。夕焼けを背景に奇峰の浮かび上がる影絵には息を呑む美しさがあるようです。