道尾秀介の直木賞受賞作品です。
個人的には荻原浩の「砂の王国」を応援していたのですが・・・
他にも、伊坂幸太郎とか時代小説の葉室麟とか直木賞を取らせてあげたい作家はたくさんいます。
「月と蟹」には小学校時代の自分にもあった制御不能の残忍さとそうした暴走するエネルギーに対して社会規範に自分を押さえ込もうとする防衛本能との葛藤・・・を思い起こさせてもらいました。
自分と母親の間に義理の父親なる他人が入り込もうとすることに対する本能的な抵抗感もよくここまで描けたものだと感心しました。
これは私小説なのかミステリーなのかそういった分類抜きに楽しめました。
蟹はキャンサーで癌と同じ発音、スペルだそうです。