expectは、目的語に人を取ることが圧倒的に多い他動詞です。たとえば、部下にもっと早くオフィスに来いよというときは、I expect you to come earlier. あるいは You are expected (required) to come earlier. となります。
また、赤坂のイタリアレストランに仕事で忙しい女性を、決済の集中する五十日に誘ったとします。禿親父(私)はI'll expect you at exactly seven. と言います。(このケースでwait forは使えません。waitはある期間にわたる継続動詞だから。)彼女のセリフは、”Expect me when you see me." - 何時に行けるかわからないわ!- それに対して私は、”I shall not expect you till I see you."- 当てにしないで待っているから都合がよかったら来て!と弱々しく応える・・・といった具合です。
期待というのは通常人に対してかけるものですが、人の協力とか努力を期待する場合、すなわちexpectの目的語に物事がくるときは
expect+物事+of+人の形になります。知らないとなかなか使えない用法です。
They expect some cooperation of you.とか
Don't expect too much of your children. 子供に多くを期待するな!のように使います。
日本の子供の学力が落ちて、学校の”ゆとり教育”に対する反動の動きが出てきました。
さて、例題です。英文を考えてみてください。
先生たちは親たちに子供の学力を向上させることに関して学校に過大な期待を寄せないで欲しいと、要請している。
School teachers ask that parents (should) not expect too much of schools in improving the academic abilities of their children.
D・カーネギーが”人を動かす”でそのための三原則を述べています。
1.批判も非難もしない。苦情も言わない。
2.率直で、誠実な評価を与える。
3.強い欲求を起こさせる。
7つの習慣のS.R.コヴィーは、子供に対する、親の尺度から思い込んでいた”こうあるべきだ”という期待感を捨て、あるがままを受け入れることで成功したと言っています。人の行動、態度、考え方は”こうあるべきだ”という思い込みで影響されるようです。思い込みから離れて、あるがままに受け入れて、それで自分の行動、態度が変わって、結果として子供との関係もいい方向に変わったとのことです。世の中の不満は、他に多くを期待しすぎることから出てくることが多いようです。回りくどいが、他人を変えることより、自分が変わること。そうすると、その人の考え方、態度、行動を変わり、いい気の流れが他人に作用して、結果として他人を動かすということにつながるのでは・・・・。人間関係の悩みは多くて、重い・・・、男女関係、親子関係、職場での上司と部下・・・
Don't expect too much of others.
昔、大分県の壁湯温泉”福元屋”に泊まったときに壁にかかっていた須永博士さん作の詩を紹介します。
しあわせ八変化
自分が変われば相手が変わる
相手が変われば心が変わる
心が変われば言葉が変わる
言葉が変われば態度が変わる
態度が変われば習慣が変わる
習慣が変われば運が変わる
運が変われば人生が変わる
今、幸せな人は、そのまんまでいいんです。