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映画、読書、ワイン、旅、駅伝、柔道、スポーツ観戦、趣味の世界
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読書 「蛍草」 葉室麟_けなげで美しく、儚い「螢草」のイメージに乗せて、それでも藩の巨悪に愛する人たちを守るために挑んだ強い奈々の物語が清原果耶主演でTVドラマ化です!

f0090954_09180728.jpg藩内の揉め事で父が無念の詰め腹を切らされた菜々は、やがて結核で母も失くし、親せきの家に一時預けられましたが、出自を隠し、農民の娘として16歳で風早家に奉公することになります。

風早家の若き当主市之進(25歳)そこの奥方佐知(23歳)、4歳の嫡男正助と3歳の娘とよの4人家族でした。

主人一家と女中が共に食膳につくなどあり得ない時代でしたが、佐知は奈々を普通の家族のように接し、食事も一緒に食べるのでした。

根っからの明るい性格で菜々は、佐知からもかわいがられ、子供たちもすぐに菜々のことを好きになります。

ある日、奈々は塀の 際 に青い小さな花が咲いているのを見つけます。 「露草 だー」 菜々はうれしくなってつぶやきました。青い花弁が可憐な露草は菜々の好きな花でした。早朝、露が置くころに一番きれいに咲いて、昼過ぎにはしおれてしまうから、摘んだりはしません。見かけた時にじっと眺めるだけです。それでも幸せな気持ちになってくるから不思議です。

「露草ですね。この花を万葉集には 月草 と記してありますが、俳諧では 螢 草 と呼ぶそうです。」と佐知が奈々に声を掛けます。

「きれいで、それでいて 儚げな名です」 「螢草は儚い名なのですか」  佐知の横顔に目を向けながら菜々は不思議そうに言います。夏の夜に青白い光を点滅させる螢のことはきれいだと感じるだけでした。螢草という名を聞いても、螢が止まる草なのだろう、とぼんやりと考えて、ほかに思いつくことはなかったのです。

「螢はひと夏だけ輝いて生を終えます。だからこそ、けなげで美しいのでしょうが、ひとも同じかもしれません」

佐知は感慨深げに言うと、菜々に顔を向け 「あなたの立ち居振る舞いを見ていると、武家の折り目正しさを感じます。紹介してくださった方は 赤村 のお百姓の娘だと教えてくれましたが、武家の血筋なのではありませんか」  

佐知に見つめられて菜々はどきりとしましたが、佐知がそれ以上追求しなかったので、藩内の事件に関わりのある武家の娘であることは知られずにすみました。

そのはかなげな名に佐知のはかなげな美しさを偶然重ねた菜々でしたが佐知はまもなく労咳にかかって亡くなってしまいます。

そんな折、風早市之進が上士として勤める藩の中で起こった不正を巡って、市之進に危機が迫り、その市之進を貶めようとする反対勢力の中心に菜々の父に詰め腹を切らせた仇がいることが判明します。

市之進が江戸屋敷に押し込めとなり藩内にある家も取り上げられますが、菜々は幼子2人の面倒をみながら、父と同じように貶められた市之進の無実を証明するため、剣をとることになります。

無実の証拠は、その昔、やはり藩内の不正を暴こうとして、敵の罠にはめられてしまった奈々の父が隠し持っていました。

藩のお抱え指南役の剣豪、質屋のやり手姉さん、手習い所の堅物老先生、やくざの親分、親戚の父子等、奈々の周りの様々なひとたちの助けを借りながら、奈々が藩の巨悪に挑みます。f0090954_09210595.jpg

結末はちょっとステレオタイプではありますが、微笑ましさ漂うものに仕上がっています。

市之進が江戸から戻り、幼子2人が菜々を呼びに来るシーンには思わずほろっとされられました。

7月26日(金)夜8時から始まるNHKプレミアム時代劇「蛍草」(全7回)の主人公16歳の菜々役には清原果耶(17歳)が抜擢されています。

風早家の当主市之進を町田啓太、佐知を谷村美月が演じます。

楽しみです。

# by zoompac | 2019-07-08 09:21 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

2019年6月の読書と映画の総括

f0090954_09354625.jpg「ノーサイドゲーム」は、池井戸潤節に乗せられての一気読みでした。あまりラグビーには詳しくないのですが、いろいろ連携の重要性や戦略的な面も楽しく学ばせてもらいましたし、会社の取締役会での臨場感あふれる描写も印象に残りました。

7月7日日曜日から始まるTBS日曜劇場の「ノーサイドゲーム」は、主役の君嶋隼人を大泉洋が演じますが、原作にはほとんど登場しなかった妻の君嶋真希を松たか子が演じることになっています。

妻の目線からの原作のサイドストーリーというまた違った味わいを楽しめそうです。

奇しくもラグビーワールドカップが日本で開催される2019年に、池井戸ドラマで展開されるラグビー物語もその前哨戦としての幕を開けます。

一気読みといえば、作家の山本一力一押しの「ケインとアベル」も読ませてもらいました。ポーランド移民のアメリカでのサクセスストーリーに、ライバルあり、復讐劇あり、ロミオとジュリエットのミニストーリーありでページをめくる手が止まりませんでした。

これもサイドストーリーというか、続編があります。なぜか日本では絶版になっていますが、新潮文庫の「ロスノフスキ家の娘 上下巻セット」です。アベルの娘・フロレンティナの誕生からアベルの死までの期間は、「ケインとアベル」でも描かれたことですが、その同じことを、娘フロレンティナの視点で描かれているようです。

「ケインとアベル」にもそのスケールの大きさから年代記/サーガの趣は十分にありましたが、やはりサーガというからには二代目、そして三代目にまで物語が展開するのが醍醐味のようです。パール・バックの「大地」やトーマス・マンの「ブッテンブローク家の人々」のように。

Amazonの古本でゲットした「ロスノフスキ家の娘」を読む楽しみを今は温存しています。

読書(4冊)
* 読書「原節子の真実」石井妙子_女優・原節子の物語を通じて戦前、戦中、戦後の邦画の歴史についても学ぶことができました!
[ 2019-06 -05 13:27 ]
* 読書「ケインとアベル(上)」ジェフリー・アーチャー_アメリカと東欧を舞台にし第一次世界大戦前後を背景にしたスケールの大きい物語がその迫力を失わずテンポ良く描かれていました。
[ 2019-06 -18 09:53 ]
* 読書「ケインとアベル(下)」ジェフリー・アーチャー_読後感も爽やかなケイン家とロスノフスキ家の親子二代に渡っての物語でした。
[ 2019-06 -19 09:46 ]
* 読書「ノーサイド・ゲーム」池井戸潤_原作では描かれなかった主人公の妻役の松たか子の存在が気になるドラマがまもなく始まります!
[2019-06 -28 09:18 ]

映画は、「長いお別れ」で山崎努と二人で縁側に佇んだ蒼井優の演技が堂々と渡り合っているのに感心した後、帰宅して山ちゃんとの電撃入籍のニュースに出くわして、結構印象深い映画鑑賞となりました。

映画(3本)
* 映画「居眠り磐根」_シリーズ物として長く続いて欲しい時代映画です。
[ 2019-06 -07 09:22 ]
* 映画「長いお別れ」_山崎努と蒼井優のがっぷり四つの演技に感動しました!
[ 2019-06 -10 09:08 ]
* 映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」_ナチス体制からソ連体制への変化のなかで信念が揺さぶられた親の世代に対して、高校生のぶれない態度が清々しい映画でした。
[ 2019-06 -21 10:16 ]

総括
* 2019年5月の読書と映画の総括
[ 2019-06 -04 09:50 ]

# by zoompac | 2019-07-05 09:38 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

NHK連続テレビ小説「なつぞら」に登場した「なつ」の妹役、清原果耶(かや)は、NHKの秘蔵っ子!

f0090954_13084946.jpgNHKの秘蔵っ子といえば、2016年から始まったNHKファンタジードラマ「精霊の守り人」で主役バルサを演じた綾瀬はるかが有名ですが、そのバルサの子供時代を演じたのが清原果耶でした。

清原果耶のNHKの秘蔵っ子ぶりは、もはや元祖の綾瀬はるかを凌駕しているかもしれません。

連続テレビ小説「なつぞら」では、広瀬すず演じる奥原なつの妹の千遥(ちはる)役で今週から突然登場しました。幼少の頃姉や兄と別れて長年音信不通だったのですが、その妹を清原果耶が演じていました。彼女は現在17歳、広瀬すずはいつのまにやら21歳になっていました。

清原果耶のNHKの朝ドラ出演は、これで2回目となります。初出演は2015年の「あさが来た」でした。今井家の姉妹(姉のはつを宮崎あおい、妹のあさを波留が演じました)のお付きの女中ふゆを演じました。当時13歳で中学2年生でした。

去年の7月~9月のNHKドラマ10(金曜日10時)の「透明なゆりかご」でも主演の青田アオイを演じていました。

今年も、7月26日(金)夜8時から始まるNHKプレミアムの時代劇「蛍草」(全7回)の主人公16歳の菜々役に抜擢されています。

葉室麟の同名の小説が原作となっており、無実の罪で切腹させられた父、結核で亡くなった母という設定で、奈々はある武家の家に奉公に上がりますがそこでは武家の娘という待遇で接してもらいました。

その家の主人が無実の罪を着せられてしまいます。そしてその主人を嵌めたのが藩内での父の仇とわかります。

藩内の不正の証拠を掴んだ奈々が大勝負に出るというのが原作のあらすじでした。ギボムスの時代劇版という側面もあって読了感が爽やかだったことも覚えています。

時代劇の主役だけではありません、2019年8月8日(木)NHK総合テレビ 夜10時からの「マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~」という特別ドラマでも、岸惠子×清原果耶のW主演です。主人公の今を岸恵子、若かりし頃を清原果耶が演じるみたいです。

勢いのあるNHKの秘蔵っ子清原果耶の演じる奥原なつの妹の千遥のこれまでの生きざまが語られるのは、本日か明日になると思うのですが、楽しみです。

芸者の置屋から家出をしてきたのでしょうか、気になります。十勝でのなつの跡継ぎとなって、じっちゃんの手伝いをすることになればいいのになぁと思うのですがどうでしょう。

# by zoompac | 2019-07-04 13:09 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「ノーサイド・ゲーム」池井戸潤_原作では描かれなかった主人公の妻役の松たか子の存在が気になるドラマがまもなく始まります!

f0090954_09182476.jpg7月7日からTBS日曜劇場で始まるTVドラマ「ノーサイド・ゲーム」という池井戸潤の同名の原作を読みました。

いやはやさすがに池井戸潤ですね。読ませます。

トキワ自動車という大手自動車メーカーに勤務する君嶋隼人(大泉洋)が主人公です。

経営戦略室次長の君嶋隼人は、会社のナンバーツーのやり手取締役(上川隆也)が進める大型買収案件に反対する資料をまとめ、その案件は取締役会で却下されてしまいます。

大型買収案件の取締役会での意思決定に関するシーンはこの小説の白眉です。取締役会での賛成派と反対派の攻防は手に汗握ります。議案について、強く推し進めたい人と強く反対する人がいて、その他大勢の日和見派がその場の空気の流れに右往左往しながら決を採る様が実に上手く描かれていました。

その結果、その実力者の怒りをかった君島は横浜工場の総務部長のポストに左遷されます。

そしてその総務部長のポストはその会社が抱える金喰い虫のラグビー部「トキワ自動車アストロズ」のGM(ゼネラルマネージャー)も兼任することになっていたのです。

ラグビーの経験もなければ、興味もなかった君嶋隼人でしたが、経営戦略室で培った合理的な考え方(戦略)で、廃部の崖っぷちに立たされたアストロズの再建に辣腕を振るう痛快な企業小説です。

昔、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という長ったらしい題名の本がありましたが、「マネジメント」というか「経営戦略」ということでは、野球よりもラグビーの方がよりしっくりくるなと思わされる場面も多くありました。

辞令を受けたとき、社長から、「ゼネラルマネージャーに求められているのは、ラグビーの知識やスキルじゃない。いわばマネジメントだ、君嶋くん。君こそ適任だと思う」と励まされるのですが、社長の言葉は正鵠を射ていました。

また、会社内部の問題(金喰い虫のラグビーの廃部を主張する取締役からの圧力)に加え、日本蹴球協会の問題(既得権に胡坐をかいた旧態依然の改革を望まない体質で、会社からの上納金を当然と思い、ラグビーの普及に不熱心)への君島の無謀とも思える挑戦にも考えさせられることが多々ありました。

君嶋は、ラグビーファンのすそ野を広げようと、ジュニア・クラブの立ち上げを提案したり、地域住民への試合参加の呼びかけ等、今まで実施されてこなかったことから着手します。地域密着型のチーム作りを目指したのです。

また、成績不振のチームの立て直しのための監督選任に大いに経営戦略室での経験を活かします。

経営戦略室にいた頃、君嶋のところには、様々な新規事業の投資案件が持ち込まれていました。 有象無象 の案件内容でしたが、そんなとき、君嶋の評価軸は事業アイデアそのものではなく、経営者の優劣にあったということを思い出したのです。

チームを成功に導いた経験のある監督は、次もまた成功する確率は高い、すなわち成績と監督には高い確度で因果関係が成立すると君島は踏んだのです。

わかりやすくいえば、監督や経営者の力とは、歌唱力と同じだということです。 歌が 上手い人は何を歌っても上手い、音痴はどこまでいっても音痴です。多少の修正はきくでしょうが、努力で届く範囲は知れています。 天才にはかなわない、 君嶋が探すべきは、監督業における天才で、その天才こそが低迷するチームを引き上げ、優勝させるマジックを使える男だと確信したのです。

そこで、社会人チームの采配は未経験ながら、大学チームを三連覇に導きながら、先輩OB指導の古い体質を拒んだためその大学チームの次期監督のポストから外された男に目を付けました。

その男は柴門琢磨(大谷亮平)といって君嶋の大学時代の同期でした。

新生アストロズの優勝請負人として君嶋からスカウトされるわけですが、このスカウトのシーンもよかったです。

三国志で、劉備玄徳が三顧の礼で諸葛孔明を軍師として迎えたシーンを彷彿させるいい書きっぷりでした。

また、どの程度実情を反映しているのか不明ですが、君嶋は、日本蹴球協会という組織に対しても、改革提案を突きつけます。組織の在り方を、既得権の保守に汲々としたプライドばかりが高いどんぶり勘定のシロウト経営そのものだと痛烈に批判するのです。当初は冷ややかに受け流されていた君嶋の改革提案も、時間の経過と共に、頂門の一針となり、組織の大勢に受け入れられ、やがて手嶋もその組織の理事となります。

ワールドカップが今年日本で開催されるラグビーに焦点を当てた、タイムリーな物語だと思いました。

誰が演じるのか気になっていた総務部の部員でチームのアナリストとして、君嶋の有能な部下として活躍する佐倉多英(さくら・たえ)を演じるのは笹本玲奈になっていました。

TVドラマでは、原作には出てこなかった主人公・君嶋隼人の妻役に松たか子の名が挙がっていました。松たか子がどのようにこの物語に関わってくるのか今から楽しみです。

# by zoompac | 2019-06-28 09:18 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」_ナチス体制からソ連体制への変化のなかで信念が揺さぶられた親の世代に対して、高校生のぶれない態度が清々しい映画でした。

f0090954_09491506.jpg舞台設定は1956年のスターリンシュタットです。ポーランドとの国境のブランデンブルグ州の都市で、製鉄所を中心とした計画都市です。

スターリンシュタットとは、スターリンの都市という意味ですが、1956年にソ連でスターリン批判が起こり、スターリンへの個人崇拝が否定されるようになったため、1961年に「製鉄所の都市」を意味する「アイゼンヒュッテンシュタット」に改称されました。

1961年は分断された東西ドイツにベルリンの壁が建設されたことでも有名な年です。スターリンが批判され、その偶像が崩壊の憂き目にあった年に、ベルリンの壁が築かれたことは何とも皮肉なめぐりあわせです。

壁ができる前の1956年、東ドイツの高校生二人がまだ往来可能だった西ベルリンの駅に降り、ちょっとした冒険気分で映画館に入ります。

彼らのお目当ては邦題「ジャングルの裸女」、原題「Liane, das Mädchen aus dem Urwald 米題:Liane,Jungle Goddess」(写真右)のドイツ映画でした。ジャングル育ちのヒロインが文明社会に立ち返って、遺産相続問題に巻き込まれる話のようですが、物語の前半のセミヌードシーンにこの高校生二人は刺激を求めたかったのかもしれません。f0090954_10102781.jpg

しかし、そこで彼らは思いがけないニュース映像を観ることになりました。スクリーンに、自分たちの国(東ドイツ)と同じくソ連の強い影響下に置かれたハンガリーで、数十万の民衆が蜂起した様子が映し出されていたのです。

ハンガリー動乱の輝かしい光景を目の当たりにした二人は、しかし、スターリンシュタットに戻って、西ドイツのラジオ放送経由で、ハンガリーの民衆蜂起が弾圧され多くの市民が命を落とす悲惨な結果を招いたことを知ることになるのです。

それでその二人は、学校の授業開始に先立って、黙祷をクラスの皆に呼びかけたのです。

「ハンガリー動乱で亡くなった人たち」へ捧げる高校生の純粋な気持ちの黙祷が、周りの大人たちの深刻な反応を呼び起こし、いつのまにやら「社会主義国家への反革命行為」ということになってしまいます。

実話を基にした映画らしいのですが、誰の呼びかけでその行為に及んだのかという大人の犯人捜しに対し、高校生たちが恫喝されながらも首尾一貫ぶれなかったのがよかったです。

この映画は、体制対高校生の対立と、親の世代と子の世代の対立という、二つの切り口から、興味深い物語を紡ぎ出していました。

西へ無事脱出した高校生たちと彼らの弟、妹を含めた家族が東の体制に耐えて生きていかなければなりませんでした。ベルリンの壁が崩壊されたのは、1989年でした。

実に28年の長きに渡って、その壁は、東西の行き来を分断したことになりました。

過酷な歴史の一断面を、人生の岐路に立つ決断をした高校生たちの青春物語として描いていました。

# by zoompac | 2019-06-21 10:16 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「ケインとアベル(下)」ジェフリー・アーチャー_読後感も爽やかなケイン家とロスノフスキ家の親子二代に渡っての物語でした。

f0090954_09455586.jpg上巻では、1906年の同じ日に生まれた、片やボストンのWASP(ワスプ)と呼ばれる支配階級に属するウィリアム・ケインと第一次世界大戦に巻き込まれたポーランドから九死に一生を得る経験をしながら船でアメリカに渡ったアベル・ロスノフスキが、それぞれのやり方で富と力と繁栄を築き上げるそれぞれのサクセスストーリーが描かれていました。

そして、1929年のウォールストリートの株の大暴落を背景として起こった事件をきっかけに、この二人の男が対立し、互いに憎しみ合うことになりました。

下巻でも、この二人は、ウォールストリート危機を乗り越え、アベルはホテル業で、ウィリアムは銀行業でますますの成功を収めています。

アベルは、移民船の中で知り合ったポーランド娘ザフィアと結婚して、一人娘フロレンティナをもうけました。一方、ウィリアムはリチャードという息子がいます。

この若い二人が、運命の糸に手繰り寄せられたように出会い、父親同士が不倶戴天の仇同士とも知らず恋仲に陥ってしまいます。

下巻のハイライトは、この現代版のロミオとジュリエットの物語でした。

もとより、親の許可は得られようはずはなく、二人は駆け落ちをし、結婚します。

やがて、子をもうけ、父親の事業の才能を受け継いだフロレンティナはファッションショップを起業し、みるみるうちに事業を拡大していきます。

アベルは株の買い占めで、ウィリアムを銀行の頭取の座から追い落とし、宿願を果たして留飲を下げたところで、フロレンティナとの和解を決意します。

一方、失意のウィリアムも息子リチャードを許し、フロレンティナのショップのニューヨーク店の開店日に、嫁や孫たちとはじめて会う約束をしました。

しかし、フロレンティナ夫婦と子供たちがケイン家を訪れた時、ウィリアムは心臓発作で死去し、約束は果たせませんでした。

ただ、ウィリアムは、死ぬ前にこっそりフロレンティナの店のオープニングセレモニーを見に行っていました。そして、その場に、やはり物陰から、そのセレモニーに見入っているアベルに出くわしたのです。

二人の男は、互いに、相手が誰であるか分かりながら、無言で通り過ぎていったのです。この無言の邂逅に、山本一力さんは惚れ込んだようで、彼の直木賞受賞作「あかね雲」にも似たシーンを取り込んだそうです。

そして、ウィリアムの死後、アベルは驚愕の事実を知ることになるのですが、これは読んでのお楽しみとしてください。

ちなみに、フロンティナの店のニューヨーク進出は、ジョンソン大統領がヴェトナム攻撃の手抜きをしている批判が高まっていた1967年のことでした。

アベルが、政治献金で民主党のJFケネディに肩入れしていたエピソードなども興味深く読めます。

リチャードとフロレンティナの子供、すなわち不倶戴天のアベル・ロスノフスキとウィリアムケインの孫息子の名が最後に紹介されます。ウィリアム・アベル・ケインと。

ケイン家とロスノフスキ家の親子二代に渡っての物語は、傑作サーガとの評判以上の面白さでした。堪能しました。

# by zoompac | 2019-06-19 09:46 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「ケインとアベル(上)」ジェフリー・アーチャー_アメリカと東欧を舞台にし第一次世界大戦前後を背景にしたスケールの大きい物語がその迫力を失わずテンポ良く描かれていました。

f0090954_09471600.jpg作家の山本一力が、「無人島に一冊だけ持っていくとしたら、迷わず『ケインとアベル』を選びます。まだ読んでない人は幸せだと思うね、これから読む楽しみがあるから」と絶賛していた本を遂に読みました。

昔、「ダカーポ」という隔週発売の雑誌がありました。2007年以降廃刊になってしまいました。私が年末の人気小説のランキングのチェックに買っていた雑誌でした。そのときも山本一力氏が似たようなことを書いていて、この上下二冊の文庫本を買っていました。

それが、山本一力氏の自伝的青春小説「ワシントンハイツの旋風」を読み、なにかのきっかけで、また山本一力氏が「ケインとアベル」を絶賛している文に出会いました。

ただ、昔買った本が日焼けして変色し、活字も小さかったので、新しい活字の大きい版を買い求めました。

いやいや、久々に読書の楽しさを堪能しました。高校2年の期末テストの最中にめくる手が止まらなかった吉川英治版「三国志」、ジャカルタ赴任時代に原書で読んだシドニーシェルダンの「ゲームの達人」以来の、大興奮の小説でした。

移民の大国アメリカの典型的なエスタブリシュメント(WASP(White Anglo-Saxon Protestant)でIVYリーガー)として、ボストンの銀行家の跡取り息子として生まれ、ハーバードをトップの成績で卒業し、将来を約束された銀行員として働く男と、ポーランドの貴族の血を引きながら、祖国の自分の城を、第一次大戦中のドイツに蹂躙され、ドイツの敗戦に伴い、今度はロシア兵に踏み込まれて、酷寒のシベリアの収容所に送り込まれ、常に死と隣り合わせの過酷な状況から、からくもニューヨークへの移民船の切符を手に入れたポーランド系移民という最下層から、努力と才覚でアメリカン・ドリームを掴んだ男の人生の対比が鮮やかな小説です。

ドイツやロシアの強国の度重なる蹂躙に翻弄されるポーランドを中心とした東欧の歴史的背景の概略が描かれていました。

また移民の国アメリカをWASPの側とポーランド系移民という最上級の家族に囲まれた男と最下層の裸一貫の男のそれぞれの成功物語に、米国の禁酒時代やウォールストリートの大暴落という社会的背景をまぶして興味深い物語を紡ぎ出していました。

1906年4月16日、遠く離れたポーランドとアメリカ合衆国に2人の男の子が誕生しました。

誕生日は同じでしたが、生誕地も境遇も全く異なる2人でした。二人のそれぞれの物語が平行線で進み、やがて不思議な因果で接点を持つようになるのです。

アメリカ、マサーチューセッツ州ボストンに生まれたウィリアム・ケインは銀行家の父を持ち、生れ落ちたときから上流私立校への入学を予約するような上流界層の御曹司でした。典型的なWASPです。

順風満帆のウィリアムの人生(1912年4月のタイタニック号沈没事故で父親を失ったり、その後彼の母と結婚した男に母の持つ財産を取られそうになったりしますが、堅実な祖母や叔父に恵まれ、少なくとも命まで脅かされることはありませんでした)に比べて、ポーランドに生まれた男の子の人生は波乱万丈でした。

ポーランドの片田舎で瀕死のジプシー女が産み落とした子は貧しい罠猟師に拾われ、ヴワデグと名付けられ実の子同然に育てられました。

学業優秀な彼は、5歳となった1911年の秋、漁師一家の主人筋にあたるロスノフスキ男爵の子息レオン(実は腹違いの兄弟、後にヴワデグは男爵がジプシー女に産ませた子であることが判明)の学友として男爵の城に引き取られ住み込みで教育を受けるようになります。

男爵の長男レオンと無二の親友となったヴワデグの平穏で幸せな日々は、1914年 サラエヴォでのアナーキストによるオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子暗殺事件の銃声と共に暗転してしまいます。

第一次大戦の勃発です。欧州の主要国が、連合国(ロシア帝国、フランス第三共和政、グレートブリテン及びアイルランド連合王国の三国協商に基づく)と中央同盟国(主にドイツ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国)という2つの陣営に二分されました。

ロスノフスキ男爵家の城のような家は、1915年にドイツ軍に占領され、そのときの騒ぎに巻き込まれレオンは亡くなってしまいました。

9歳のヴワデグは、男爵と執事や女中たち(総勢26人)と共に城の地下牢に幽閉されることになります。漁師の家からヴワデグの世話係で呼ばれて住み込んでいたフロレンティナ(当時17歳、ヴワデグにとっては育ての母であり、初恋の人、やがて彼の娘にこのフロレンティナの名をつけることに)もこの26人の中の1人でした。

1918年の春には、幽閉された26人のうち生き残りは15人に減ってしまいました。それでもヴワデグが自分の実子とわかった男爵が彼に教育を授け、やがて衰弱して死を迎えるとき、ヴワデグをロスノフスキ男爵の正式の相続人とする手続きをします。「アベル・ロスノフスキ男爵」と銘打った腕輪を形見にもらいました。

こうして、6万エーカーの土地と、城1つ、2つの別荘、27の使用人部屋と絵画、家具、宝石等を12歳で相続したヴワデグでしたが、実態は相変わらずの地下の石牢暮らしで、彼を主人と仰ぐ13人の衰弱した召使と愛の対象であるフロレンティナが住む4つの地下牢だけが彼の帝国だったのです。

そして冬も押し迫った1918年、ロシア兵によってドイツ兵が敗走させられ、城は解放されましたが、フロレンティナが殺され、ヴワデグは生き残りの使用人等と共にシベリアに送られ強制労働に就かされる運命となります。

彼は、その収容所で知り合った医者の助けを借り、次の囚人が送られてくるイルクーツク駅まで行き、そこからモスクワ行きの列車に乗り(彼を養子に迎えたいとする鉄道高官の妻に助けてもらいます)、さらにオデッサ(厄介払いをしたい鉄道高官の夫が切符と通行書を用意してくれました)まで行き、そこから船でトルコのコンスタンチノープル港に逃れてきます。年は明けて1919年となり、13歳になったばかりの少年の逃避行でした。

この間の逃避行は、様々な危機エピソードが満載で、まさに手に汗握る展開に、ページをめくる手がとまりません。

コンスタンチノープルでは、空腹のあまり市場で食べ物を盗み、あわや公開処刑で手を切断されそうになりますが、たまたまそれを見ていたイギリス大使館職員の好意で助けてもらい、アメリカ行きの移民船に乗ることができました。1921年のことで、ヴワデグは15歳でした。

アメリカに渡ったヴワデグは、アベル・ロスノフスキと名を変えて、ニューヨークのプラザ・ホテルの給仕をしているとき、その仕事ぶりを見初められ、シカゴのホテル・チェーンのオーナー・デーヴィス・リロイに見込まれて、彼の右腕としてホテル経営に辣腕をふるい、頭角を現しました。

プラザで4年働いた後のことなので、1925年、アベル・ロスノフスキは19歳になっていました。その間、夜間コースでコロンビア大学の学士号とプロの女性から愛撫のテクニックを学びました。

アメリカは禁酒時代(1920~1933)で、特にシカゴでは同じ1925年にアル・カポネが26歳で組織のトップに立ちました。そのカポネがアベルの経営するリッチモンド・ホテルを借り切って、誕生日パーティを催したエピソード等も興味深く挿入されていました。

アベルは、1927年に、21歳でアメリカ合衆国の市民権も取得しました。

そして、世界恐慌へ飛び火していくウォールストリートの大暴落の1929年を迎えます。

リッチモンドホテル・チェーンのオーナーは、銀行からの融資も断られ、万策尽きて自分のホテルの部屋から投身自殺をしてしまいました。

ホテルビジネスはアベルの手腕で成功していましたが、リロイの株投資も大きく拡大していて暴落による追証でホテルが担保になっていました。

その追加融資を断ったのがウィリアム・ケインの銀行で、そのときの融資担当がウィリアム・ケインでした。

そのためアベルは自分を拾ってくれた恩人リロイの仇として、終生ウィリアムを憎むことになります。

さらに、銀行の融資の担保に差し押さえられたホテルを、アベルが買い戻すための融資もウィリアム・ケインの銀行は断ります。

そんな中、アベルの経営能力をかって、アベルがホテルを銀行から買い戻す資金を融資してくれる匿名の人物が現れました。

また、ニューヨークへの移民船で知り合ったザフィアという女性(後に彼の妻)にも出会えたところで、次の巻となります。

# by zoompac | 2019-06-18 09:53 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

映画「長いお別れ」_山崎努と蒼井優のがっぷり四つの演技に感動しました!

f0090954_09485417.jpg近い将来65歳以上の5分の1が認知症を発症するといわれる現在、認知症が一因とも思われる高齢者がブレーキとアクセルを間違えて巻き起こす悲惨な車の運転事故のニュースが後を絶ちません。

父(山崎努)の70歳の誕生日に、久しぶりに帰省した娘たち(長女を竹内結子、次女を蒼井優)に母(松原智恵子)から告げられたのは、元中学校の校長だった厳格な父が認知症になったということでした。

巻き起こる事件は悲劇なのですが、悲惨とまではいえず、深刻になる一歩手前でくるっと滑稽さに変わってしまいます。

ゆっくりと記憶を失っていく父とのお別れまでの7年間が描かれていました。

黒木華主演の映画「小さいおうち」の原作で直木賞に輝いた中島京子の同名小説「長いお別れ」が原作になっています。監督は、「湯を沸かすほどの熱い愛」が日本アカデミー賞ほか多数の映画賞を受賞するなど高い評価を獲得した中野量太です。

この映画のなかでは、蒼井優演じる芙美がよかったですね。

父から教師になって欲しいと期待されているかもしれないと思いつつ、食堂やカフェを開く夢も恋愛もうまくいかず思い悩んでいる次女を演じています。

山崎努と蒼井優が互角に演技をぶっつけ合う姿にはホーッと見入ってしまいました。

失恋した傷心の芙美が父親と縁側で話すシーンです。

「つながらないって切ないね」という芙美に、父は「そうくりまるなよ。そういう時はゆーっとするんだ」と訳の分からない日本語で効果抜群の励まし方をする場面です。

言葉のやりとりもさることながら、このシーンでの二人の表情、特に蒼井優の表情に悩殺されました。

原作者の中島京子もこのシーンをモニターで観て涙したそうです。

その蒼井優が実生活で電撃結婚発表のニュースです。

南海キャンディーズのしづちゃんこと山崎静代とは、2006年の大ヒット映画「フラガール」での共演以来仲良しとは聞いていましたが、南海キャンディーズの片割れの山ちゃん(山里亮太)との電撃入籍発表には驚きました。

女優業と結婚生活が上手く両立するものかどうかよくわかりませんが、記者会見などで優をリスペクトすることしきりの山ちゃんだったらと期待できそうに思えました。

これを機会にますます演技に磨きをかけて欲しいです。

# by zoompac | 2019-06-10 09:08 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

映画「居眠り磐根」_シリーズ物として長く続いて欲しい時代映画です。

f0090954_09484370.jpg友を斬り、愛する人を失った坂崎磐根(松坂桃李)が主人公です。

貧乏浪人として江戸の長屋に1人住まいをし、うなぎを捌くアルバイトで日銭を稼いでいます。

鰻を割く行為に全てを忘れ無心になっていますが、やがて彼には悲惨な過去があったことがわかります。

彼は、豊後関前藩の前途洋々の三人の若侍の一人でした。共に江戸での勤番を終え故郷の九州へ戻った三人の坂崎磐根、小林琴平(江本佑)、河出慎之輔(杉野遥亮)は幼馴染でした。

河出は小林琴平の妹・舞と結婚しており、坂崎磐根もその舞の妹・奈緒との祝言を控えていました。

意気揚々と里帰りをした3人にはしかしながら悲惨な運命が口を開けて待ち構えていました。

妻の舞の不貞を吹き込まれた河出慎之輔が、舞を惨殺し、小林琴平がその河出慎之輔を斬り、藩命で坂崎磐根が小林琴平を斬るということになってしまいます。

このあたりの小さな事件が取り返しのつかない大きな事件へ雪だるま式に発展していく筋立ては、フランシス・マクドーマンドの映画「ファーゴ」を彷彿させます。

やや時間の制約のせいか、その事件が唐突に過ぎる無理のある展開で説明的に挟まれたエピソードとなったことが残念でした。

スピンオフ版の映画を用意して、このもやもや感を吹き飛ばして欲しいですね。

筋書きを知っている私には理解できても、初見の観客にはややリアリティに欠けた展開ではなかったかと思えました。

藩によって、小林家は御家断絶となり、許嫁・奈緒の兄を斬った磐根は、蓄電するようにして奈緒に言葉をかけず江戸に舞い戻ってきたのです。

その傷心の磐根は、鰻屋のアルバイトだけでは江戸深川の金兵衛長屋の家賃も払えないので、今津屋という両替商の雇われ用心棒になります。

時代は江戸幕府老中田沼意次が幕政改革に辣腕を振るった18世紀です。

映画でも彼の財政改革の一環としての新貨幣が問題となっていました。

後々権勢を振るって、坂崎磐根との確執を深めていく田沼意次ですが、この映画では真摯に藩政改革に取り組んでいます。

江戸の金経済と京・大阪の銀経済の歪に目を付けた両替商の投機的な活動を取り上げており、おや、「居眠り磐根」の物語は時代劇にしてはこんなにもスケールの大きな物語だったんだということを思い出しました。

田沼政策を忠実に履行しようとする今津屋(主人を谷原章介)に対し、田沼政策の問題点に付け込み儲けを企む阿波屋(主人を柄本明)が何かと今津屋の商売の邪魔をするのですが、その問題を解決するのが坂崎磐根です。剣の腕が立つだけではなく、貨幣経済にも詳しく、阿波屋に一泡吹かせる献策までしてしまいます。

人情に厚く、礼節を重んじる好青年・坂崎磐根の相方は、ちゃきちゃきの江戸娘「おこん」です。「おこん」は、磐音の住んでいる金兵衛長屋の差配を務めている金兵衛の娘で、両替商の「今津屋」に女中として勤めています。奥向きの一切の仕事を任されている女中頭のような立場です。後に坂崎磐根の妻となります。

個人的な感想ですが、「おこん」は映画の木村文乃よりTVドラマの中越典子のほうが情緒があってよかったかな?

「小林奈緒」役の芳根京子の花魁姿もイマイチで、こちらもTVドラマの笛木優子の妖艶さに軍配ですね。

居眠り磐根はTVの山本耕史もよかったけど、優しさという点では映画の松坂桃李も捨てがたいのでこれは映画の方がよかったです。

変な、眠狂四郎の円月殺法のような「居眠り剣法」も映画では抑制してくれていて好感が持てました。

佐伯泰英作品の初の映画化ということですが、居眠り磐音シリーズは双葉文庫版で51巻でした。

今年の2月から、新たに文春文庫から、この映画に合わせてでしょうか、居眠り磐根の決定版(決定版という字が小さいのが気になりますが)と銘打ったリニューアル版が本屋に並び始めていました。

双葉文庫では途中の3巻辺りで早々とギブアップしてしまいました。

これを機会にまたこの平成の大ベストセラー(20年間で累計発行部数6500万部)にチャレンジしたいですね。

それを読み続けるインセンティブとして、映画は是非シリーズものとして続けて欲しいです。

意図してそうなったのかどうかはともかく、公開は令和元年となりました。令和になって初の時代劇映画です。

平成の大ベストセラーである「居眠り磐根」が、令和の映画界のヒット作になって原作と同じく長期シリーズ化してくれればいいと思います。

1年に1本として10年以上続いてくれるシリーズに化けるとなれば、今、若干22歳の芳根京子の若さは将来活きてくるかもしれません。

今回の決定版(小さな文字で気構えが伝わってこないのが残念ですが)は、現在7巻まで発刊されています。

映画の次回作があるということを期待してとりあえず3巻まで買いました。

侍戦隊シンケンジャーでデビューした松坂桃李もデビュー10周年の節目に再び侍を演じることができたことを縁に感じるとインタビューで言っていました。令和でのシリーズ化を期待しましょう。

# by zoompac | 2019-06-07 09:22 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「原節子の真実」石井妙子_女優・原節子の物語を通じて戦前、戦中、戦後の邦画の歴史についても学ぶことができました!

f0090954_13261850.jpg「運命の出会い」というものが、(運を)持っている人にはあるのですね。映画では何度もリメイクされている「スター誕生」のシンデレラ・ストーリーが原節子にもありました。

1936年、節子が15歳の時、小津安二郎と親交のあった山中貞雄監督の「河内山宗俊」の端役に新人女優として出演し、京都で撮影をしていたとき、たまたま見学に来ていたドイツ人監督のアーノルド・ファンク監督の目に留まったのです。

アーノルド・ファンク監督は、ハリウッドでも知られたドイツの巨匠で、日本を題材とする映画を日本で撮るために来日していたのです。

表向きにはおくびにも出しませんでしたが、実のところはナチスの出資による「プロパガンダ映画」の作成のためでした。日独軍事同盟を結ぶに先立って、ドイツ人が日本を理解し親密性を増す意図を持った映画だったのです。ゲッペルズ宣伝相が多いに関わっていました。

ファンクもそうですが、第一次大戦以後は、ドイツを目の敵にするアメリカのハリウッドからドイツ人の多くが締め出されました。

極悪非道のドイツ人を描いた映画を多く輩出するハリウッドに対抗して、ナチスの前のワイマール共和国の時代に、ポツダム(ベルリンから30㎞南西)に巨大な映画製作会社「ウーファ」が設立されました。

日本に無条件降伏を求める宣言で記憶に残ることになったポツダムですが、当時はハリウッドに張り合う欧州映画の一大拠点として有名でした。

余談ながら、深緑野分の「ベルリンは晴れているか」という小説の一舞台として、このポツダムの「ウーファ」が登場しています。

映画産業にはハリウッド、ポツダムを問わず何故か多くのユダヤ人も働いていました。ナチスが政権を取ると、多くの優れたユダヤ人がドイツの映画界から追放されハリウッドに移っていったのです。その結果、ますます多くの反ナチス、反日のプロパガンダ映画がハリウッドから発信されることになっていくのです。

それに対抗してということでもないのでしょうが、ナチスのゲッペルズ宣伝相は親日映画の作成をアーノルド・ファンクに依頼し、ファンクはその映画の主演女優を捜しに来日していたのです。

日本側の映画制作関係者はベテランの田中絹代を強く推しましたが、ファンクは映画界でもまだ無名の原節子を大抜擢したのです。

こうして邦画名「新しい土(洋画名・侍の娘)」が作成され、興行挨拶のため、原節子はベルリン、パリ、ロスアンゼルス(ハリウッド)の世界周遊の旅を若干16歳で行い、日本女優として華々しいデビューを飾りました。

ドイツのプロパガンダ映画で映画界に颯爽とデビューした原節子でしたが、戦争中は日本の兵隊を鼓舞する「戦意高揚映画」に出演し、やがて戦後になります。原節子は25歳になっていました。

黒澤明の「わが青春に悔いなし」、吉村公三郎「安城家の舞踏会」、木下恵介の「お嬢さん乾杯!」、今井正の「青い山脈」等のヒロイン役として快進撃を続け、小津安二郎の”紀子”三部作の皮切りの「晩春」に出演し評判をとりました。沸騰中の節子の人気と相まって、小津の名声もこの作品から始まりました。

時代はGHQ占領時代です。戦後の日本においての映画興行の発展もGHQの民主化政策としての後押しが大きく寄与していました。そんな時代に節子はまばゆい輝きを放っていたのです。

ただGHQの慰問などにいそしむ高峰秀子等とは違って、プライベートでは原節子は毅然としてGHQとの関わりは避けていました。

黒澤明は原節子にはまだ俳優としての根性が座っていないとの不満がありました。

黒澤はなんとしても「ある作品」に彼女を使って彼女の殻を破ってみたいと思っていました。原節子も黒澤明のその作品に出て彼の指導を受けたい気持ちがありましたが、義兄の熊谷久虎が原節子のイメージが崩れるとして反対したためその話は流れてしまいました。

それが京マチ子が主演でイタリアのヴェネツィア国際映画祭でグランプリに輝いた「羅生門」でした。日本映画が世界で初めて栄誉を手にした記念すべき作品となったのです。

そういう意味では、京マチ子も運命的な作品に恵まれる(運を)持っている人でした。

その後の節子は、小津安二郎の「麦秋」「東京物語」等に出演しました。東京物語は1953年の作品です。節子が33歳の年でした。

このとき小津と結婚するのではないかとの噂も立っていたようです。しかし著者の石井妙子は小津にはこのとき大船撮影書の専属楽団員として働く戦争未亡人と交際していたとし、その噂は事実ではないと否定しています。(P.308 )

その後節子は病を得、白内障も煩い、結果として小津作品の主人公・紀子のイメージを崩さないまま映画界を突然引退してしまいます。経済白書で「もはや戦後ではない」と書かれた1961年から1962年のことです。

石井妙子のこのあたりのことに関する文章が見事です。

「原節子は戦後の日本人を、その美しさで照らし、慰め、導いてきた。人々は原節子が演じるヒロインのなかに社会が求める価値観を見出し、進むべき方向を知り、戦後を生きた。そして、戦後が終わったとき、原節子の時代も終わった。人々は節子への関心を失った。復興から経済成長へ。世の中は東京五輪に向けて動こうとしていた。浮つく世の中は節子がいなくなったことにも、当初、気づかなかった。」

原節子は戦後70年にあたる2015年の終戦の日を見届けて、95年の人生の幕を引きました。

余談ながら、京マチ子は今年(2019年)の5月に、原節子と同じく95年の人生に終止符を打っています。

# by zoompac | 2019-06-05 13:27 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)
RELEASE INFORMATION NEW ALBUM

[通常盤]「Now On Sale!!」
TOCP-66380/¥2,548(税込)

[DVD付 初回生産限定盤]
「Now On Sale!!」
TOCP-66381/¥3,500(税込)

NEW SINGLE
WMP HIGH LOW
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