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小説 「八朔の雪_みおつくし料理帖(1)」高田郁

f0090954_07295682.jpg2010年の8月に読んで、読後のブログも書いていましたが、5月13日(土)から黒木華主演で八回TVドラマ「みをつくし料理帖」をNHKで放映する機会に合わせて再読しました。

大阪出身の女料理人が江戸で悩み、成長しやがて活躍しはじめる話です。

江戸と上方の食べ物文化の違いがいろいろ学べたり、再確認できたりして楽しいです。

例えば、

・上方で好まれる土手鍋(白味噌)の牡蠣、それに対し小ぶりで味の濃い深川牡蠣は焼殻牡蠣、牡蠣の口が開いたところに醤油と燗冷ましの酒を回し入れる
・俵形の上方風の握り飯VS三角おむすび
・上方の昆布出汁(だし)と江戸の鰹出汁
・江戸では一本箸で食べる心太_「お澪坊、心太は一本箸で食うもんだろう?」 澪は、ええっという顔になった。箸は二本揃って一膳。一本箸というと、弔いの席で死人に供える枕飯に挿すものを想像してしまう澪である。
・「酢醤油?」声が裏返っていた。心太に酢と醤油をかけるというのは澪には衝撃だった。大阪では物心ついた時から黒砂糖を煮詰めてトロリとさせたのをひんやりした心太にかけて食べるのが暑い夏の一番のご馳走なのだ。
・脂の乗った戻り鰹を味わい深いと評価する上方、猫跨ぎといって見向きもしない江戸

澪は迷って悩みます。

「何とかしたい、と。何とかしなくては、と。」そう思いながら、彼女には出口が見えないのです。

「最初は、上方の味を押し通して、拒まれた。江戸には江戸の味がある、そう思い、合わせる努力をした。自分の作るものを人が旨い、旨いと食べてくれることに喜びを感じる一方でどうしても自分自身、納得できない料理がある。」

ある人から「料理の基本がなっていない。」と言われます。

そこで、出汁について学び、そして工夫を重ねます。

昆布出汁の旨みはまろやかで甘い。口に入れると全体にふんわり広がる。逆に鰹出汁の旨みは鋭くて、舌の上に集まって来る感じ。片や広がり、片や集まる・・・で、澪は合わせ出汁を思いつきます。

「ええ?、江戸の茶碗蒸しは玉子を使わないのですか?」

天性の味覚の持ち主「澪」は、ミシェラン番付のような料理番付で関脇の初星を獲得します。その料理が「とろとろ茶碗蒸し」でした。

澪が生まれ育った大阪は、商人の町であって、武士の数が極端に少ない。そして商いの前でひとは押しなべて平等でした。料理番付で評判をとった「茶碗蒸し」を食べたいある藩の留守居役がお忍びで食べたいので人払い(今、店で食べている連中を追い出せということ)をせよとねじ込まれます。

「茶碗蒸しに入れる鰻を背開きにするところ、うっかり上方流に腹から捌いてしまいました。お武家さまにそんな縁起の悪いものをお出ししては大変!」

その他、おぼろ昆布や粕汁に対するエピソードも面白く読みました。

「江戸にはおぼろ昆布がない。大阪に居た頃、心斎橋に昆布屋が何軒もあって、そこの店先で昆布を削る光景をよく目にした。削られた昆布はふわふわと舞う天女の羽衣のようだった。」

「何事にも始末を身上とする大阪育ち。粕汁は船場煮と並んで、冬場、大阪の寒い台所で奉公人ががごくたまに主(あるじ)のお相伴に与れる(あずかれる)ご馳走なんです。」

発売当時、書店の店員さんの評判がよい作品でした。口コミで広がり大人気のシリーズ読物(全10巻)になりました。そして、今年の5月13日土曜日(夕方6時5分スタート)から連続8回のTVドラマの原作となります。脚本は「ちりとてちん」の藤本有紀、出演は、黒木華、森山未來、永山絢斗、成海璃子、小日向文世、安田成美等です。

by zoompac | 2017-04-23 07:30 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書 「三国志(第三巻)」宮城谷昌光_まるで人名辞典!

f0090954_05530062.jpg人名辞典のように次々に人物紹介が作者の思いつくままに語られ、全体像が非常に掴みづらい小説になっています。

しっかりとした概略の地図と敵味方の人物の勢力図が頭に入っていないと、読破するのは相当困難な作業になります。

宮城谷三国志は、吉川三国志のように講談調の名調子で読めません。元々吉川英治の三国志は三国志演義を元に書かれており、読んでで血沸き肉躍る名調子なのですが、宮城谷三国志は例えるなら意味のない人物名がやたら出てくるお経のような内容で読んでいてイメージが膨らみにくいです。

元々さほど庶民には人気の低かった曹操をメインキャラとする三国志の正史を下敷きにしていますので、期待する方が間違いかもしれません。あらかじめ正史をベースに描かれた漫画「蒼天航路」等で三国志の正史を概略掴んでおかないととても読み通すことが難しいかもしれません。

往年の、宮城谷昌光作品に特徴の涼風のような清々しさがこの作品からは感じられませんでした。

とりあえず、WOWOWドラマで「三国志 ~趙雲伝~」が放映されていますので、それに合わせてと思ったのですが、枝葉末節の人物説明の多さに邪魔されて読むスピードが上がりませんでした。

宮城谷三国志はこの第三巻で打ち切り、今後、三国志正史は漫画「蒼天航路」を読むことにし、とりあえず小説は講談調の吉川英治「三国志」に戻るのが無難かもしれません。 曹操が中心の三国志では、劉備玄徳に仕える趙雲子龍の活躍場面もあまりないでしょうから。

5月13日からNHK土曜ドラマ「みをつくし料理帖」が始まるのに合わせて、その高田郁の原作小説「みをつくし料理帖」も読みたいので、「三国志」と並行読みになりそうで結構ハードです。

by zoompac | 2017-04-14 05:53 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

本屋大賞2017_初物尽くしの恩田陸の「蜜蜂と遠雷」

f0090954_06034893.jpg「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本_2017年本屋大賞」の発表会が、4月11日(火)明治記念館で行われました。

一次投票には全国の446書店より書店員564人、全国の446書店、書店員564人もの投票があり、1月18日に10作品がノミネートされていました。 その中には、19日に直木賞を受賞した恩田陸の「蜜蜂と遠雷」、去年7月の第155回芥川賞を受賞した村田沙耶香の「コンビニ人間」他、原田マハ「暗幕のゲルニカ」、小川糸「ツバキ文具店」、西加奈子「i(アイ)」、塩田武士「罪の声」、森絵都「みかづき」等が含まれていました。

二次投票ではノミネート作品をすべて読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票しました。

その結果、2017年本屋大賞に「蜜蜂と遠雷」恩田陸(幻冬舎)が決まりました。

ちなみに、私が受賞予想一押しの塾経営の三代の物語を綴った森絵都の「みかづき」が2位、グリコ・森永事件を掘り起こした塩田武士の「罪の声」が3位でした。

恩田陸(52)の「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)は、今年2月に直木賞を受けたばかりで、同賞との2冠は初ですし、恩田陸は05年に「夜のピクニック」で第2回本屋大賞を受けており、同賞を2回受賞したのも初めてでした。

本屋さんの思惑としては、恩田陸の作品群をキャンペーンでもっと売りたいのかもしれませんね。

ピアノコンクールを扱った「蜜蜂と遠雷」と似たようなジャンルでは、演劇オーディションを扱った「チョコレートコスモス」があります。 「蜜蜂と遠雷」にも天衣無縫の天才少年が登場していましたが、こちらも演劇天才少女が2人でてきます。 「蜜蜂と遠雷」も少女漫画っぽかったですが、「チョコレートコスモス」も美内すずえの「ガラスの仮面」のノリです。

その「チョコレートコスモス」の続編で、「ダンデライオン」という小説を近々発刊する予定があるようです。

彼女にはもうひとつ超能力者バトルを扱った作品もあります。 「夜の底は柔らかな幻」とか「終わりなき夜に生まれつく」等ですね。 私は、彼女の以前の本屋大賞作品「夜のピクニック」の後、「蒲公英草紙」を読み始めて、そのジャンルのあまりにも大きなギャップに驚いて未読のままその本を置いたことがあります。

これを機会に、恩田陸作品をいろいろ読んでみたいと思っています。

by zoompac | 2017-04-12 06:04 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書 「騎士団長殺し(上)」 村上春樹_不思議なハルキ・イン・ワンダーランド

f0090954_05564150.jpgあくまでも個人的な相性だと思うのですが、書評家の「大森望」とは読後感が相容れません。

岩木一麻著の「がん消滅の罠」を手放しでほめちぎっていた書評も私にとっては眉唾ものでしたし、週刊新潮に記載されたこの村上春樹の「騎士団長殺し」の書評もそうです。

この「騎士団長殺し」に関して、彼は「合計千ページを超える物量にもかかわらずダレ場はほとんどない」と言いきっています。

確かに上巻はそうでしたが、下巻に入ったら、大きなダレ場がやってきます。

まだ、下巻を読み切っていないので、そう言い切るのは早計かもしれません。

しかし、まるで、アリス・イン・ワンダーランドで不思議の国に迷い込んだような、そして落語の「地獄八景亡者戯」でのあの世に迷い込むような展開が私にとっては大きなダレ場と思えて仕方ありません。

そんな世界を微に入り細に入り説明されても非現実感が漂うばかりで緊張感が保てません。

おそらく飛ばし読みしても何ら差し支えない典型的なダレ場だと思っています。ただ、本の副題にあるイデアとメタファーにみちた冒険の描写になっているようなので、しぶしぶ読み進めています。後で戻り読みをするのも嫌なので・・・・。

これで、後ほど、この場面が必要だったのだという納得感のある説明がなかったら怒りまっせ!

この小説の展開は、冒頭にタネ明かしされています。これは私のネタばらしではなく、村上春樹本人のネタバレ提供です。

「その当時、私と妻は結婚生活をいったん解消しており、正式な離婚届に署名捺印もしたのだが、そのあといろいろあって、結局もう一度結婚生活をやり直すことになった。」という一文です。

突然、思い当たる理由もわからないまま、妻から6年の結婚に終止符を打つ別れ話を持ちだされるところからこの物語は転がり始めますが、あがりはすでに「元の鞘に戻る」と示されているのです。

突然の三行半に気持ちの動揺を鎮めるべく、主人公の画家である私は車が故障するまで、車で東北方面へと移動の旅を続け、車が廃車になると友達の別荘に転がりこむことになります。

後々、この車での放浪の旅で出会った「白いスバル・フォレスターの男」と旅の途中で経験した「夢精」が大きな意味を持ってきます。

その別荘は小田原郊外に建つ一軒家で、「私」の学友の父で高名な日本画家「雨田具彦」が使用していたアトリエ兼住居でした。雨田具彦が高齢で認知症に罹り、伊豆高原にある高級ホームに移ったため、画家である私に留守番兼管理を友から依頼されたたという事情でした。

そのアトリエ兼住居で画家としての感性に優れた「私」は様々な不思議と出会うのです。

その不思議な世界への端緒は、屋根裏部屋で、雨田具彦の未発表作の「騎士団長殺し」という絵画を発見したことから始まります。そして、私に「肖像画」を描いて欲しいという依頼が、アトリエ兼住居から谷を挟んで向かいの山に建つ白い邸宅に住む白髪の中年男「免色渉」から舞い込んできます。免色は、ジャガーを4台も持つ大金持ちでした。

この上巻では、この小説の着地点が示されているだけでなく、着地に至るプロセスを垣間見せていると思しき表現も散りばめられています。

曰く、

「あとになって振り返ってみると、我々の人生はずいぶん不可思議なものに思える。それは信じたいがたいほど突飛な偶然と、予測不能な屈曲した展開に満ちている。 しかし、それらが実際に持ち上がっている時点では、多くの場合いくら注意深くあたりを見回しても、そこには不思議な要素なんて何ひとつ見当たらないかもしれない。切れ目のない日常の中で、ごく当たり前のことがごく当たり前に起こっているとしか、我々の目には映らないかもしれない。それはあるいは理屈にまるであっていないかもしれない。しかしものごとが理屈に合っているかどうかなんて、時間が経たなければ本当に見えてこないものだ。」

「理屈に合っているにせよ合っていないにせよ、最終的に何かしらの意味を発揮するのは、おおかたの場合おそらく結果だけだろう。結果は誰が見ても明らかにそこに実在し、影響力を行使している。」

「しかしその結果をもたらした原因を特定することは簡単なことではない。それを手にとって「ほら」と人に示すのは、もっと難しい作業になる。もちろん原因はどこかにあったはずだ。原因のない結果はない。卵を割らないオムレツがないのと同じように。」

「原因が連鎖的に延々と続いているうちに、何がそのものの原因だったのかだいたいわからなくなってしまう。あるいはどうでもよくなってしまう。」

「谷間を隔てた山頂に住むその謎の隣人のことと、「騎士団長殺し」というタイトルを持つ絵画・・・・最初の二枚の駒、将棋倒しのように、一枚の駒(原因)がが隣にある駒(原因)をまず最初にことんと倒し、それがまた隣の駒(原因)をコトンと倒す。それが連鎖的に延々と続いているうちに・・・。」

「いったい何がいけなかったのだろう。とにかく、どこかで流れが間違った方向に進んでしまったのだ。時間をかける必要がある。ここはひとつ我慢強くならなくてはならない。時間を私の側につけなければならない。そうすればきっとまた、正しい流れをつかむことができるはずだ。その水路は必ず私のもとに戻ってくるはずだ。(これは、「私」が離婚に至った理由をあれこれ思索しているところ)」

「私は免色というモデルを触媒にして、自分の中にもともと埋もれていたものを探り当て、掘り起こしただけなのかもしれない。」

「我々の人生には現実と非現実の境目がうまくつかめなくなってしまうことが往々にしてある。」

さてさて、現実と非現実の間でそれでも不思議な体験をしながら過ごしていた「私」の日常が、下巻では、非現実的な村上春樹不思議ワールドの中に入り込む「私」の冒険に一転してしまいます。

どんな出口が用意され、上で「」書きで引用した文章にどんな意味付けがされるのかを楽しみに私も「私」と同行二人でお遍路巡りをしている気分です。どんなご利益が待ち受けているのやら?

この小説のある登場人物?の語り口を借りるなら、この小説、引き込まれる不思議な力を感じるので、「諸君が読んで損はあらない!」となります。

by zoompac | 2017-04-10 05:57 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書 「小説フランス革命17 ダントン派の処刑」 佐藤賢一

f0090954_06063989.jpg佐藤賢一の「小説フランス革命」の特徴の1つは、登場人物の輪郭が丁寧に描かれていることです。

その個々の人物の陰影を豊かに立体感をもたせて描いています。

フランス革命という大きな変革に富んだ枠組みの中で、揺れ動く個人の打算や損得勘定、はたまた世界観とイデオロギーといった本音と建前も矛盾だらけの個人には矛盾なく共存しているようです。

そうして登場人物の会話の応酬も密度があり、ときとして政治を動かし、歴史を変えるものになっていきます。

人物の熱い言葉と等身大の彼らの息吹や体温を感じさせるこの小説で、どこか知人のような親しみを感じていた登場人物が、1人づつ退場していく展開には寂寥感が漂います。

”夏草や兵どもが夢の跡”(芭蕉)

ロベスピエールやサン・ジェスト達が独裁色を強め、政敵を断頭台に次々に送り込んでいくのです。

この巻では、ロベスピエールとかって親しかったダントンやこの小説フランス革命での主要登場人物の1人だったデムーラン(ダントン派)まで断頭台の餌になってしまいました。

次の最終18巻では、ロベスピエールもサン・ジェストも処刑されます。

アガサクリスティの推理小説じゃありませんが、まさに「そして誰もいなくなった」"And Then There Were None"です。

by zoompac | 2017-03-31 06:06 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書 「海の都の物語 5」 塩野七生_胡椒交易に関わるヴェネツイアの苦悩

f0090954_08425992.jpgヴェネツィア共和国の一千年を描いた「海の都の物語」も6巻中5巻まで読了しました。

胡椒に関してペルシアから黒海、コンスタンチノーブル経由、あるいは紅海からアレクサンドリア経由での取引をほぼ独占していたヴェネツィアにとって、ヴァスコ・ダ・ガマがアフリカ経由の航路で胡椒をリスボンからアントワープという経路を開発する大航海時代となっってしまいました。

胡椒を料理に不可欠なものにしたのは古代ローマ人でしたが、胡椒は何千年もの昔から万能薬として珍重されていました。 金や銀とも交換された商品で、それだけ貴重だからこそヨーロッパ人がアジアへ航海を始めるきっかけになったのです。

胡椒に関しては「胡椒、暴虐の世界史」マージョリー・シェファー、白水社が詳しいです。

胡椒交易の安定化を願ってスエズ運河開通に向けて資金拠出等で取り組んだヴェネツィアでしたが、エジプトの思惑、トルコの横やり、ポルトガルの妨害(ポルトガル艦隊が紅海封鎖)等でうまくいきません。

そのうち大航海時代がさらに植民地帝国時代に展開する中(1580年にポルトガルはスペインに統合されていきます)でやがて胡椒の産地そのものを大国に押さえられ、地中海の交易の覇者として活躍していたヴェネツィアにとって大変な時代となっていくのですが、そのあたりの詳細は第6巻に譲りましょう。

第5巻では、植民地帝国思想がじわじわ影響を及ぼし始める胡椒に代表される交易に関するヴェネツィアの苦悩と苦労、そしてオスマン・トルコ帝国と太陽の沈まぬ国と讃えられたフェリペ2世のスペインの2大帝国に挟まれた小国ヴェネツィアの軍事面・外交面の苦悩と苦労が描かれていました。

トルコとスペインという2つの巨大帝国に挟まれ外交と軍事に関しては持たぬ者の悲哀を味わわるをえなかったヴェネツィアの外交官の言葉が身につまされます。

「強国とは、戦争も平和も、思いのままになる国家のことであります。 わがヴェネツィア共和国はそのような立場にないことを認めるしかありません。」

そして、マキアヴェッリの言葉も重みを増します。

「現実主義者が誤りを犯すのは、往々にして相手も自分たちと同じように考えると思い込み、それゆえに馬鹿な真似はしないに違いないと判断した時である。」

15世紀にグーテンベルグが発明した印刷術がヴェネツィアで花開いたエピソードも面白く読みました。

教会向けの高価本だけでなく、大学の学生向けに安価な文庫本を出版する起業家が活躍したこと、ヴェネツィアが交易の中心地であったため、他の地では発禁本とされた書物も印刷する自由さがあったこと等でヴェネツィアの出版業が繁盛したようです。 「ラテン格言集」等が学生の間でベストセラーになったことも語られていました。

by zoompac | 2017-03-26 08:43 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書 「i(アイ)」 西加奈子_あるがままに受け入れる提案小説?

f0090954_08414881.jpg唐突ですが、大阪市が大阪文化の世界発信に活躍している人に贈る「咲くやこの花賞」というものがあります。
2016年12月に「芸術」、「音楽」、「演劇・舞踊」、「文芸」、「大衆芸能」のジャンルの「大衆芸能」部門で、私が応援している桂佐ん吉さんが受賞されたので調べたところ、2011年に西加奈子さんも「文芸」部門で受賞されていました。

「難波津に咲くやこの花冬ごもり 今は春べと咲くやこの花」(王仁) 古今和歌集

西加奈子さんは、よく、「王様のブランチ」のゲスト出演をされていてコテコテの大阪弁全開ぶりが個性の作家さんです。

西さんはイランで生まれで、誕生から2歳までテヘランに住んでいました。 小学校は1年生から5年生までエジプト、カイロで過ごされました。 それ以降は大阪です。

2015年に直木賞を受賞された「サラバ」は、そのカイロ時代の経験を下敷きにされた作品でした。

この「i(アイ)」は、難民問題にも関心があるという西さんならではの作品ですが、「サラバ」同様、彼女の幼少時代の経験が下敷きになっていました。

主人公のアイはシリアからの養子で、裕福なアメリカ人と日本人の夫婦の元で育ち、その恵まれた環境にいる自分と、世界中で起こる事故や事件の犠牲者を比べて悶々とします。

彼女の国連UNHCR協会事務所@東京でのインタビューでの言葉からの抜粋です。 2016年7月のインタビューですが、11月30日の発刊されたこの「i(アイ)」を執筆・推敲されていた頃のインタビューですのでその言葉は小説を読むにあたっての参考になりました。

「エジプトで過ごしたのは7歳から11歳まで。カイロ市内のザマレクという街で暮らしていました。ザマレクは大使館があって駐在員が住むエリア。イギリスが統治していたエリアで建物もイギリス風で。エジプトにおいては並外れて裕福なエリアでした。」

「”なんで自分は苦労もせずこんなきれいな服着て、すごい素敵な家に住んでいるんだろう”という恵まれている自分に対する罪悪感、恥ずかしさ。エジプトで過ごした日々は人生で一番楽しかった時期でもあり、一番ナイーブな時期でもありました。ずっと苦しくて、しかも苦しいって口にしたら絶対だめだと思ってました。生活が苦しい人は苦しいって言う権利はあるけど、恵まれてる人間が恵まれてることを苦しいって言うなんて絶対あかんって。でも太宰 治の本で「私は、故郷の家の大きさに、はにかんでいたのだ」という一文を読んで、あの頃の苦しさをなかったことにしないでおこうと思えるようになりました。 中東をひとくくりにしないで見ることができるのも幼い頃の経験のおかげだと思います。」

「小説は制約がない点で本当に恵まれてるので、この立場を利用しない手はないよねって。」

「ニュースでこぼれ落ちてしまうこと、たとえば”シリアのダルアーでデモが起こって200人亡くなりました”っていうニュースが、流れていってしまうかもしれないのを、小説だったら”あなたの国のあなたの街であなたの大切な人が200人亡くなりました”と訴えることができると思うんです。あなたや私だったかもしれないということに置き換えて。」

「そしてこの1年ぐらい作家として気持ちがすごく変わってきています。今まで自分自身に対して小説を書いていたのが、世界の情勢や世界の匂いとかを書いていると、とにかく色々な人に読んでほしいという気持ちに変わってきました。普段本を読む心の余裕のない人にどうしたら本を読んでもらえるか、ずっと考えています。」

「とにかくあきらめないことやと思っています。考え続けることを。考えるのを放棄したら、ほんとに終わってしまうと思います。」

「”差別をしない”ということを”みんな同じと思う”のも危険。無茶やし。私は”みんな違う”ところから始めたいというか。小説の感想でも「すごい共感しました」って言ってくださる方が多いんです。めちゃくちゃうれしいけど、もっとうれしい感想って「ぜんぜん共感できんかったし訳わからんかったけど大好き」なんです。それを人間同士でもできるって思うんです。「あなたの言うことすごくわかるから好き。あなたの宗教すごくわかるから好き」じゃなくて「なんでこんなおいしい豚食べられへんのか意味わからんけど、あなたのことは好き」とか。”理解できへんし、共感できないけど好き”っていう関係が今自分が考えられる限り一番目指したいものです。」

「たとえば親とか。正直、意見も趣味も合わへんし、でもやっぱり愛してるじゃないですか。それって、肉親っていうだけが理由じゃない気がして。ではそれは何かって言うと、その人がいてくれないと世界が成り立たなかったということやと思うんです。自分だけが生きてたら世界じゃないですよね。」

この小説の主人公は「アイ」、後に結婚するカメラマンは「ユウ」、小学校時代か中学校時代の親友が「ミナ」です。 IとかYouとかEverybodyとか名前にも意味が込められているように感じました。アイは愛にも物事を見つめる目(アイ)にも通じますね。

日本の3.11やシリアの難民問題も含め様々な国で起こる悲惨な災害、殺害等が取り上げられます。 主人公は心を痛めるのですが、西さんの文章は驚くほどフラットに思えました。

私たちに肩肘はらない小説を通じて、私たちなりの接し方を提案しているかのように思えました。

by zoompac | 2017-03-12 08:42 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書 「覇王の家(下)」司馬遼太郎、模倣家としての家康像!

f0090954_08071285.jpgこの小説は、秀吉が天下取りをする過程で唯一敗戦を喫した、織田信雄・徳川家康連合との「小牧・長久手」の戦いにその大半のページを費やしています。

この当時織田信雄は尾張から伊勢にかけて100万石に近い版図をもっていました。 一方、徳川家康も本能寺の変の後のどさくさにまぎれて手に入れた甲州、信州に準本拠地の遠州、駿河、そして本拠地三河で五ヵ国の太守になっていました。

この戦いでは、家康軍は三河の岡崎城から尾張のほぼ中央に位置する清州城に移動して陣を構えます。 一方の秀吉軍は美濃の大垣城から尾張の北に位置し美濃との境界に近い犬山城に本陣を置きました。

北に位置する犬山城とそこからやや南西に位置する清州城の真ん中に位置するのが小牧山で、やがて家康はこの小牧山を本陣としました。

犬山城から南東へ移動して、三好秀次、池田勝入斎、森武蔵守長可等が空巣狙いのように三河の岡崎城を目指した途中にあったのが小丘陵の起伏する長久手でした。小牧山からも南東に位置し、家康軍が秀吉側の各個を撃破し、池田勝入斎、森長可は戦死しました。

その後は、秀吉軍、家康軍共に「後の先」狙いでにらみ合いとなりました。

結局、秀吉は長対峙を嫌い外交を使って打開を図りました。

同盟を結んだ織田信雄が、家康に相談することなく秀吉の調略に乗って秀吉と和議を結んでしまいます。

家康はハシゴを外された形で、その後は秀吉と戦う理由も消滅してしまいました。

司馬遼太郎氏のこの小説を読むと、徳川家康という人物を模倣のスペシャリストのように切りとってくれています。

信長と秀吉の派手好みは性に合わなかったようで、同じ安土桃山時代に生きながら、家康は安土桃山文化とは無縁であったと思えるぐらいです。

商売とか交易には信長・秀吉ほど力を入れず、茶の湯にも興味はまったくありませんでした。

むしろ、敵方であった武田信玄をいたって尊敬しており、治水や農本主義的なところは進んで取り入れました。 この農本主義が江戸300年に引き継がれます。

武田家滅亡の後、元の武田の家臣を信玄の編み出した甲州式軍法や陣法毎すべて取り入れて徳川の軍制に大改革を施しました。 服装にいたるまで徹底的にまねをしました。

小牧・長久手の戦いなどは、家康がこの徳川版「信玄軍団」の壮大なる実験として実践経験をするために仕掛けたのではないかと思えるくらいです。

さらに、家康はこの小牧・長久手の戦いで、羽柴秀吉の調略能力の高さによほど感銘を受けたようです。

後年、関ケ原を演出し、大坂夏の陣を仕掛けたときは、ことごとく秀吉の創案した調略のあの手この手を模倣し自家薬籠のものにまで仕上げたのです。

同じ詐欺まがいの外交調略にしても秀吉の明るい性格と違って、家康の吝嗇で暗い性格で実施されるとずいぶんその印象も違ったものに映るのは仕方ないですね。

余談ながら、秀吉は死後神になることを望み、その旨朝廷に内奏して豊国大明神という神号を得ました。自分の死後神になるという珍奇な着想は、織田信長がすでに持っていた形跡がありますが、豊臣秀吉がそれを死の前から考え、側近に言い含めておき、死後、豊国大明神という神号を贈られ、阿弥陀峰の廟所に静まったのです。

家康はこの着想と方法さえ真似、東照大権現という神号を得ました。大明神の創造性は大権現の模倣性によって引き継がれたのです。

細かくて吝嗇で知られた家康が、死後は、秀吉のごとく気宇壮大にして雄渾な神として飾り奉られるなんてちょっとユーモラスですね。

司馬遼太郎氏は、家康に対しては辛口です。

「かれの生涯は独創というものがほとんどなかった。」と切り捨てていました。 さらに、「徳川幕府は、進歩と独創を最大の罪悪として、300年間、それを抑制し続けた。」と追い打ちをかけていました。

by zoompac | 2017-03-11 08:07 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「DIVE‼(上)」森絵都

f0090954_05393324.jpg今年の本屋大賞ノミネート作品で私が勝手に本命視している森絵都の「みかづき」を読んだ後、森絵都作品の読後の喪失感(もっと読み続けたい!)に耐えられず、以前、書評家の北上次郎氏がスポ根小説の最右翼と絶賛していた「DIVE‼」に手が伸びてしまいました。

この手のスポ根小説では、あさのあつこの「バッテリー」とか佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」が私のお気に入りなのですが、奇しくも、この二人が文庫本「DIVE‼」の上下巻それぞれの解説をされていました。

あさのあつこの「バッテリー」は面白かったのですが、作者がこの小説を愛するあまりなのでしょう、登場人物の一人が小学高学年から、中学へ、そしてやがて高校生へというあたりで、作者自身の和歌の蘊蓄をその登場人物の口を借りて気障な感じで披露していました。 作者あさのあつこは楽しんでそれをやっていたようですが、読者の私としてはその部分を読むたびに歯の浮いたような不快感を覚えました。

似たようなことを森絵都もやっていますね。

ダイビングの練習をしている男子中学生3人の元に、若い女性が新コーチとして颯爽と登場するのですが、黒い水着と黄色いTシャツ姿のコーチの後ろ姿を見た中学生の一人の口を借りて「いいケツしているよな」ってつぶやかせているのです。

四十過ぎのおっさんならともかくまだ世の中の酸いも甘いもわからぬ中学生にはかせるセリフじゃないですよ。

ただ、オヤジ読者層に寄り添うセリフってところは買えますね。

そのセリフは、たとえば映画の「ラ・ラ・ランド」でLAを見下ろす夜の公園でミア(エマ・ストーン)とセブ(ライアン・ゴズリング)のダンスシーンを観ている初老のオヤジが、薄暗がりの中ミアの黄色のドレスが妙に体に纏わりつきつつも激しく体を回転させるので輪郭が浮き出た尻を生唾飲みながらつぶやくって代物でしょう。

「みかづき」では昭和、平成の社会の変化の中で塾経営に携わった一家三代の物語を描いていましたが、この「DIVE‼」も、ダイビングに携わった三代の物語が描かれていました。

「いいケツ」したコーチ麻木夏陽子(あさぎかよこ)の祖父が1936年のベルリン五輪で飛び板飛び込みと高飛び込みの両部門で4位入賞を果たしたという設定です。

これにはモデルがいます。柴原恒雄氏です。戦前のベルリン五輪で日本飛び込み界の最高到達点で、後にも先にもこの4位を上回るオリンピックの成績はありません。

ただ、オリンピックでの入賞に限って言えば、1992年のバルセロナ五輪で金戸恵太が8位入賞を果たしています。 ちなみに彼のお父さんは金戸俊介で1960年のローマ、1964年の東京オリンピックに出場しています。

金戸恵太は、88年のソウル、92年のバルセロナ、96年のアトランタの3大会に出場しています。92年のバルセロナで8位入賞した時、父俊介は日本選手団コーチを務めていました。

この「DIVE‼」は2008年に映画化されており、3人の中学生に、林遣都、池松壮亮、溝端淳平、いいケツしてるコーチが瀬戸朝香です。

現在は金戸ダイビングクラブ(旧ミキハウスダイビングクラブ)で若手の育成に当たっている金戸恵太が、映画『DIVE!!』では撮影前の合宿時から選手役を演じた俳優のダイビング指導をし、劇中でも川口コーチ役として出演しています。

そして、この金戸恵太の次女が中学生ながら先月2月に初のシニア大会となる飛び板飛び込み(3メートル)で、女子高飛び込みでリオデジャネイロ五輪8位入賞の日本人エース板橋美波(17歳、JSS宝塚)の4連覇を阻む快挙で頂点に立った東京五輪期待の星金戸凛(りん)です。

金戸一家のダイビング競技は彼女の祖父と父だけではありません、彼女の祖母も母もオリンピック選手なのです。

三世代続く飛び込み一家のサラブレッド金戸凛が、健在の祖父・祖母に、父母に、いや日本国民に、4位入賞よりさらにその上のメダルをもたらせてくれる感動の瞬間まで残り3年半ですね。

この「DIVE‼」を読むと、各選手が10回のエントリーでどのように技と美を競い合うのかがよく理解できます。東京五輪で世紀の瞬間の喜びを共感したい人にこの「いいケツ」ケッサク小説をお勧めします。

高さ10メートルからの飛翔は時速60メートルになりその空中演技の時間はわずか1.4秒って凄くないですか?

by zoompac | 2017-03-08 05:40 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「がん消滅の罠(完全寛解の謎)」岩木一麻

f0090954_07092090.jpg王様のブランチ等で売れすぎランキングの上位にあったことや、「がん」を題材とした殺人事件ではなく活人事件という発想のユニークさに興味を持ち読みました。

最後の4ページに、「ちょっとちょっと~!」という感じのどんでん返しが用意されています。

活人事権と謳った以上それは反則でしょという感じで、本筋とは異なる脈絡での完全(殺人)犯罪がさらりと書かれていました。

そして最後の最後にもうひとつ違う仕掛けが施されています。

選評者の茶木則夫さんはラストの一行に驚愕したと大絶賛していましたが、ちょっと唐突過ぎていて私の琴線には響きませんでした。

「えっ、なんでそうなるの」って疑問と「で、何が言いたいの」って物足らなさ感が残ってしまいました。

ビッグデータ検索時代でにそんなことも簡単に突き止められる時代になったんだなと軽く受け流す読者層も結構いるのではないでしょうか。

最前線での癌治療に当たる医療現場の記述部分は面白く読ませてもらいましたが、小説としての完成度はイマイチでした。

主人公に華もなく、友達同士の議論や会話の繰り返しで、起承転結のリズム感にも欠けていたなぁ。

この作品が、第15回の「このミステリーがすごい」大賞受賞作品だということなのですが、同じ医療界のことを題材にして2005年に「チーム・バチスタの崩壊」で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞された海道 尊氏の作品を読んだ時のようなインパクトはなかったです。

選評者の大森望さんは、ストーリーテリングが弱いとか、議論ばかりで展開が地味だとか、もろもろの小説的な弱点は、この作品に関しては枝葉末節で、大胆不敵な謎の取り上げ方とその鮮やかな謎解きを絶賛され、海道尊の作品に肉薄するレベルの本格的医療ミステリーと言っていました。

謎解き等より登場人物の人間的な魅力や物語の展開を楽しみたい私にとっては、本末転倒なコメントとしか響きませんでした。

by zoompac | 2017-03-05 07:10 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)
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