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映画「忍びの国」 小説より断然わかりやすかった銭ゲバ伊賀忍者軍団!

f0090954_05431693.jpg小説を読んだときピンとこなかった描写が、この映画では目からウロコが落ちるように理解できました。 やや原作とは違った筋たての部分もありましたが、原作を読んだ後の映画としてはよかったです。

大野智演じる「無門」も、原作にあった残忍さは影を潜め、無類の怠け者の面が強調されていました。 パイレーツ・オブ・カリビアンのジョニー・ディップ演じるジャック・スパロウの遊び心満載の演技に通じるものを感じました。

私が少年時代(約50年前)に読んだ忍者漫画(伊賀の影丸やカムイ伝、忍者武芸帳等)や映画漫画「サスケ」等では、上忍、下忍の主従関係は下忍の絶対服従が常識でした。 ところが、この「忍びの国」の面白さは、主従関係の厳格さはさておいて、カネの切れ目が主従関係の切れ目というドライさもあるという斬新な設定にあったと思います。

カネのためなら命も惜しまぬ働きに意欲を示すのですが、伊賀の国を守るという一銭の得にもならないことにはいたって無関心な銭ゲバというか傭兵根性丸出しの忍者の習性を描いていました。 割とリアリティのある設定のように思えました。

郷土愛があまり旺盛でないという点では、イギリスの統治下にあったインドのベンガル人を中心とする傭兵(セポイ)に似ていると思いました。彼らセポイはイギリスにお金で買われ、インド各地へのイギリスの侵略戦争の尖兵となって獅子奮迅の働きをしました。さらには、インド国外においても、当時のビルマとかマレー半島とかシンガポール、香港でのイギリスの軍事活動の中心的役割を果たしたのがセポイと呼ばれるインド人傭兵でした。

今でも、香港とかシンガポールのホテルでインド人のガードマンがいますが、セポイの末裔ですね。

そのセポイが反乱を起こしたことがあります。インドの独立運動に立ち上がったという高尚な理由ではなく、新しく配られた銃の薬莢に牛脂や豚脂が塗ってあったというのが原因でした。ムガール人の多くはヒンズー教徒やイスラム教徒で、前者は牛、後者は豚が問題でした。ヒンズーは牛を神聖視し、イスラムは豚を不浄視していたのです。その銃の弾込めに、薬莢を噛まなくてはならなかったらしく、宗教上の問題から、セポイが一斉にイギリス人上官に逆らったことから起きた事件でした。宗教上の問題がお金より国より大事だったのです。この反乱後イギリス軍の猛反撃を受け、結果としてインドのムガール帝国は滅亡し、逆にイギリス国が直接(それまでは東インド会社経由)統治に乗り込んでイギリスの植民地政策を盤石なものにしてしまいました。

映画「忍びの国」でも、伊賀の忍び集団が、第一次天正伊賀の乱で信長の警告にもかかわらず独断専行した織田信雄の軍を破ったものの、それがかえって藪蛇となり、信長を本気にさせ、第二次天正伊賀の乱で織田軍の猛攻に遭い伊賀の国は滅んでしまいました。 そういったところも第一次天正伊賀の乱はセポイの反乱と似ていました。

小説「忍びの国」 ではさらっと読んでしまった第一次天正伊賀の乱での忍者対武将の戦闘シーンも、ビジュアルではここまでの高揚感をもって観ることができるのかとすっかりこの映画に魅せられてしまいました。

忍者によるスケールの大きい合戦を観るのは初めての体験でした。 土遁の術や、木の皮になり切る隠蔽的擬態術も満載です。 忍者と言えば団体戦ではなく、個人競技でしょという人にも、ちゃんと応えてくれています。

原作でそうした設定があったのかどうかをはっきり覚えていないのですが、「川」の字の中での一騎打ちです。 鈴木亮平演じる下山平兵衛と無門の一騎打ちが滅茶滅茶迫力ありました。 ダンスの得意な大野智ならではなのでしょうが、相手との呼吸がピタリと合った殺陣を披露していました。 手に汗握る二人の戦いはすごいとしか言いようがなかったです。

一緒に観ていた小5の孫君もあっけにとられていました。和田竜の原作小説の映画「のぼうの城」を観たことのある孫君にとっては和田作品第二弾の「忍びの国」もとても満足のいく映画だったようです。歴坊(歴史物好きの坊や)誕生の予感がします。

by zoompac | 2017-08-18 06:00 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

映画 「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」_世代交代を感じた映画

f0090954_06503383.jpg孫君・孫嬢が夏休みのお泊りにやってきました。 いつもは通勤時間となるやや混みこみの電車に乗って、109シネマズ木場に行ってまいりました。

1本目は、孫嬢のリクエストのアニメ「メアリと魔女の花」、続いて2本目が孫君のリクエストのこの「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」でした。

小5の孫君は気合が入っていました。夏休みのこの映画鑑賞に備えて、学校の図書館で「パイレーツ・オブ・カリビアン」を2巻ほど借りて読んだそうです。 映画のシーン等の挿絵もあったそうで、実際の映画で確認ができたことを喜んでいました。

ただ、主人公のジャック・スパロウは読書で思い描いていたイメージと違って「あまり格好良くなかった」そうです。

今回帰ってきたジョニー・デップ演じる金歯がぎらりのジャック・スパロウもまた一段とおふざけの度合いを増していましたね。

最初は怖そうだからと観ることを躊躇していた小1の孫嬢は、このおふざけジャックがいたく気に入ったようで、「全然、怖くなかったよ~!」だそうです。むしろ、「メアリと魔女の花」で動物等が魔法で姿・形を変えられるシーン等があって、そちらのほうが怖かったと言っていました。

私は、呪われた海の死神サラザールが怖かったです。 というか、彼の登場したシーンは孫嬢がビビりはしないかと心配で、余計恐怖を覚えました。

半分、骨と皮だけになったサメ3匹が、ジャック達が乗ったボートを襲うシーンも結構迫力がありました。

「王様のブランチ」の映画コーナーでも取り上げられていましたが、あのシーンで海にダイビングし岸まで泳ぐ演技のカヤ・スコデラリオは、ハードな役柄のため骨折した肩をコルセットで固めていたそうですが、そのせいで?露出が少なかっただけで演技に不自然さはありませんでした。

こういう映画を孫君・孫嬢と観ると映画に登場するキャラクターの世代間の差にも敏感になりますね。

キレのよいアクションや花のある見せ場は若いもんに任せ、ジャック(ジョニー・ディップ)、バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)、サラザール(ハビエル・バルデム)のオジサン達は権謀術数に励んでいるようにみえました。

ウィル・タナー(オーランド・ブルーム)とエリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)の息子ヘンリー・タナー(ブレントン・スウェイツ)とカリーナ・スミス(カヤ・スコデラリオ)の新しい世代の物語の始まりのようにも見えました。

私は、エンドロールを最後まで観ずに立ち上がったのですが、次回予告かと思わせる映像が映し出されたそうです。 これからこの映画を観られる方はお見落としなく!

それにしても、ウィル・タナーとエリザベスの息子のヘンリー・タナーが活躍する映画を孫嬢、孫君観るとさすがに世代交代を感じますね。 世代交代の感が強かった映画出演のキャラクター達ということだけでなく、映画観戦者の立場からも。


by zoompac | 2017-08-11 06:50 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

WOWOW映画「インフェルノ」_シエナの金柑頭が登場しなかった原作とは違うラスト!

f0090954_05552584.jpg日本での公開は昨年10月でしたが、1年も経たないうちにWOWOWで観ることができました。

原作は読んだのですが、ダン・ブラウンの原作は、世界的にヒットを飛ばしているというものの、「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続いて、宗教的知識が欠けた私には少々難しく感じられました。

相変わらず、ハーバード大学の宗教象徴学者ラングドン教授(トム・ハンクス)が、敵と思しき集団から追いかけられます。 逃げながら謎を追ういつものお決まりパターンですが、今回の相棒は女医のシエナです。

前作に比べると、走って逃げまわるシーンが多く、また追いかける敵集団も複数で、時に敵の敵は味方のようになり複雑でした。

読後、女医シエナ役をいろいろ想像しました。

逃げ回るシーンが多いし、アクションもあるのでクロエ・グレース・モレッツあたりを適役としていたのですが、実際にはフェリシティ・ジョーンズでした。 彼女は2015年公開の「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士の妻役でブレイクしましたね。

昨年12月公開のスター・ウォーズ、スピン・オフ版の「ローグ・ワン」でも主役を張っていました。

ただ、原作にあったシエナが実はつるっぱげで、カツラをラングドンに被せるという印象的なシーンが、映画からカットされていましたし、シエナのラストシーンではラングドンの敵役になっていました。

私の記憶では、原作でのシエナは最後までラングドンの味方でハッピーエンドだったはずです。

それでも、原作の文字の説明ではよくわからなかった絵画やデス・マスクが、映画では一目瞭然ですね。 空から見たヴェネツィアの映像は、塩野七生の「海の都の物語_ヴェネツィア共和国の一千年」を読んだばかりだったので感無量でした。

舞台は、イタリアのフィレンツェ、ヴェネツィア、そしてトルコのイスタンブール(昔の東ローマ帝国の首都コンスタンチノープル)
の三都市です。

原作との違いが気に喰わない映画ではありましたが、サスペンス映画を観ながら、数々の美術作品、由緒ある建物、そして有名な三都の街の景観はたっぷり楽しめる映画でした。

by zoompac | 2017-07-25 05:59 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

WOWOW映画 「サウスポー」_怒りにまかせた野生ボクシングから理詰めのチェスプレイヤーのようなスタイルへの変身物語!

f0090954_06185153.jpg筋は単純です。ボクシング元世界チャンピオン・ビリー(ジェイク・ギレンホール)が落ちるところまで落ち、そこからの奇跡の再起と家族の絆を描いた映画です。

怒りをエネルギーに変え勢いで相手を圧倒していた世界チャンピオンのボクサーが、ある乱闘事件をきっかけに妻(レイチェル・マクアダムス)を死なせてしまい、さらにボクサー・ライセンスをはく奪され、娘の親権まで失ってしまいます。

経済観念もなく自暴自棄になったビリーでしたが、最愛の娘を取り戻したい一念から、過去に自信を苦しめた対戦相手のトレーナー、ティック(フォレスト・ウィテカー)のもとを訪れます。このティックは名トレーナーです。漫画「あしたのジョー」でジョーにボクシングを叩きこんだ名トレーナー丹下段平を彷彿させます。

ティックに頭を下げやり直しを誓うビリーでしたが、ティックはビリーのファイティングスタイルを全否定し、彼に辛辣な言葉を浴びせます。これに当初は反発していたビリーでしたが、自分を変えたいと願う一心から過去の栄光もプライドもかなぐり捨ててティックに教えを乞うことにしました。なかなかできることではありませんが、ビリーはティックのもとでボクシングの基礎を一から学び直したのです。

今までは自らの本能に従って怒りを爆発させていた流血必至のボクシングスタイルでした。そのためにガードを下げて相手に殴らせて怒りのエネルギーをチャージすることもありました。ティックの教えはそうしたスタイルとは真逆で、ガードを固め相手に向かって対角線上に上半身を左右にスエイしながら前に詰める練習の反復でした。何より怒りや衝動を抑える我慢を叩きこまれました。ティックはボクシングはチェスのような理詰めのゲームだと主張したのです。

そしてやがてカムバックの機会が訪れます。 妻を亡くした事件に絡んだ因縁の男が現世界チャンピオンなのですが、「因縁の新旧チャンピオン対決」が金儲けになると踏んだプロモーターが裏からビリーのライセンス復活に手を回し、ライトヘビー級の新旧世界チャンピオン同士の対決が聖地マディソン・スクエア・ガーデンで興行されることになったのです。

この映画の題名「サウスポー」ですが、ビリーは本来右構えです。これはティックがビリーに与えた秘策に関係ありますので口チャックしておきます。

最後は、お約束の愛娘を自分の腕に取り戻すお約束の感涙のラストなのですが、本当に泣かされます。

それにしても元々ガタイのよいシルベスタ・スタローンと違って、ジェイク・ギレンホールのボクサーとしての体の鍛え方には恐れ入りました。撮影に向けてのトレーニングは相当なものであったと思われました。

私も体を鍛えたいのですが、鍛えるトレーニングに体が耐えられないような恐怖が寄る年波の本能として立ち塞がっています。

by zoompac | 2017-07-22 06:20 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

NHKBS映画 「M★A★S★H マッシュ」_野戦病院の軍医たちの破廉恥イタズラ満載映画

f0090954_07010308.jpg「M★A★S★H マッシュ」は、1970年のアメリカ映画で、朝鮮戦争を舞台に3人の軍医のやりたい放題のいたずらを描くブラック・コメディでした。

タイトルのMASHとは移動米軍外科病院(Mobile Army Surgical Hospital)の略語です。

実際に朝鮮戦争時にMASHで外科医として働いた経験を持つリチャード・フッカー原作の小説をロバート・アルトマンが映画化したもので、カンヌ国際映画祭パルム・ドールやアカデミー脚色賞を受賞しました。

脚本はアカ狩りでハリウッドを追われたハリウッド・テンの1人、リング・ラードナー・Jr.が手掛けました。 しかしアルトマン監督と主演俳優たちは、この脚本を無視し、映画さながらにイタズラ根性全開で全編アドリブに次ぐアドリブで映画を作ってしまったそうです。 「おれの台詞は一行も残っていない」とラードナーは本気で激怒していたらしいのですが、皮肉なことに彼はこの作品でアカデミー脚本賞を受賞しました。

1950年代、朝鮮戦争のさなか、第4077MASH(移動野戦外科病院)に、3人の外科医、ホークアイ(ドナルド・サザーランド)、デューク(トム・スケリット)、トラッパー(エリオット・グールド)が赴任してきます。(余談ですが、主演3人は、この映画が出世作となりました。)彼らはいずれも名医でしたが、平気で軍規を無視し、とんでもない悪戯を繰り返すのです。

お決まりのイタズラ3人組といったところでしょうが、こういうイタズラ仲間には、必ず級長顔した真面目な「先生へのチクリ家」のようなキャラクターも登場してきます。

それが、新任の女性将校ホーリハン少佐(サリー・ケラーマン)です。

この3人のイタズラ軍医を目の敵にするバーンズ少佐(ロバート・デュヴァル)と共に、上官に病院の軍紀の乱れを訴えようと告発状を用意するホーリハンでしたが、その告発状を用意する過程で意気投合してバーンズと一夜を共にすることになります。ホークアイたちも抜け目がありません。二人の籠る部屋にマイクを仕掛け、ベッドシーンをそのまま軍放送で中継してしまいます。それが原因でトラブルを起こしたバーンズが逆に本国に強制帰国させられ、ホーリハンは返り討ちを喰らってしまいます。

その後、三人の軍医は、「ホーリハンは本当にパツキン(金髪)なのか染めているだけなのか」という話で盛り上がり、下のヘアの色を確かめようということになります。 彼女がシャワーを浴びている小屋を壊して彼女の全裸を衆目に晒す映画「マッシュ」で有名なシーンの登場となります。我慢の限界を超えたホーリハンは、彼らの行動を放置する現場の長に怒りをぶつけ、さらにその上官に直訴するのです。

政治家の息子の手術で日本の小倉に出張に出かけ、ゴルフを楽しんだ後、韓国に戻ってきた彼らイタズラ軍医たちにはその上官が待っていました。 話をすり替え、上官の愛してやまないアメフトの話から、上官の持つアメフトチームと野戦病院の急ごしらえのチームで親善試合(実は賭け試合)をしようということで盛り上がり、ホーリハンのセクハラ事件は有耶無耶になってしまいます。

その親善試合の数日後、ホークアイとデュークに帰国命令が届き、二人はトラッパーと別れを交わして病院を去っていきます。 映画で詳しくは語られませんでしたが、これがホーリハンへのセクハラ事件へのケジメだったかもしれません。

戦闘場面が出てこない戦争映画でした。 イタズラとおふざけ満載ですが、軍医としての手術シーンは、プロフェッショナル精神に溢れており、その対比というかバランスが印象的でした。


by zoompac | 2017-07-21 07:03 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

NHKBS映画「ブレードランナー」_30年後に映画を検証する喜び?_たぶん次はない?

f0090954_10401868.jpg「ブレードランナー」(原題:Blade Runner)は、1982年公開のアメリカ映画です。

フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(原題:Do androids dream of electric sheep?)を原作としていますが、時代は、映画公開の1982年から37年後の2019年のLAです。

今が2017年ですから2年後ですね。遠い未来の話ではありません。

現実は、映画で描かれているようなレプリカントと呼ばれるクローン人間が跋扈はしていませんし、人間社会に紛れ込もうとするレプリカントを「解任/抹殺」する任務を負う、ブレードランナーという専任捜査官
も存在していません。

そこで描かれている未来都市(LA)が日本文化と日本企業(看板)等に支配されている感じが面白いですね。1980年代の日本経済の国際経済を席巻する勢いの延長線上に描かれた未来図でした。パンナムの看板が掲げられていたのもおかしかったです。(パンナムは経営悪化で1991年に破産、知名度を生かして名は使って運航していたが、2008年以降名実共に完全消滅)

ということで、2019年が視野に入ってきた今年の10月27日には、2019年からさらに30年先の「ブレードランナー2049」が公開予定です。

リドリー・スコット監督がフィリップ・K・ディックの小説をもとに生み出した1982年公開の傑作SF「ブレードランナー」から、35年の時を経て生み出された続編ということになります。今回、リドリー・スコット氏は製作総指揮を務め、「メッセージ」「ボーダーライン」などで注目を集めるカナダ出身の俊英ドゥニ・ビルヌーブ監督が新たにメガホンをとりました。

脚本は、前作も手がけたハンプトン・ファンチャーと、「LOGAN ローガン」のマイケル・グリーンです。

前作から30年後の2049年の世界を舞台に、新人ブレードランナーの“K”が、新たに起こった世界の危機を解決するため、30年前に行方不明となったブレードランナーのリック・デッカードを探す物語が描かれる。前作の主人公デッカードを演じたハリソン・フォードが同役で出演し、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングがデッカードを探す“K”を演じます。

今度の未来都市はどのような感じになっているのか楽しみですね。

昔の映画が、その当時から30年以上先の未来世界を描いた作品としては、「バックトゥザフューチャー」もそうでした。 第一作目が「ブレードランナー」公開から3年遅れた1985年でした。 第一作目は1985年から30年遡った1955年が舞台になりましたが、1989年公開のPart2では、1985年を基点として30年先の2015年の未来世界が描かれていました。

TV電話やタブレット端末など実用普及されたものもありましたが、空飛ぶ自動車や空中高速道路、宙に浮くホバーボード、自動で紐をフィットしてくれる靴等、開発はできているかもしれませんが一般に未だ普及していないものもたくさんありました。

まあ、こうした映画を観て30年先に生き証人として検証するのも楽しいですけど、「ブレードランナー2049」を検証する頃は、100歳近いですよ。せいぜい孫と一緒に見て、30年後におじいちゃんの思い出として彼の記憶に蘇ることを期待しますかね。その頃は今は小5の孫君も40歳台のおっさんですね。


by zoompac | 2017-07-18 10:45 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

NHKBS映画「鷲は舞い降りた」_ターゲットはチャーチル英首相!

f0090954_05584476.jpg「鷲は舞いおりた」(原題The Eagle Has Landed)は、1976年のイギリスの映画です。ジャック・ヒギンズの小説「鷲は舞い降りた」を原作とした映画で、ジョン・スタージェス監督の遺作となりました。

1943年9月12日に実施されたムッソリーニ救出作戦の成功に気をよくしたアドルフ・ヒトラーは、同様の作戦で英国首相のウインストン・チャーチルを拉致してドイツへ連れてくる計画を思いつき、国防軍情報部の長官カナリス( アンソニー・クエイル)にこの計画の可能性評価を命じることから物語は始まります。

1973年に英仏合作の映画として公開された「ジャッカルの日」と好対照ですね。こちらは1971年に出版されたフレデリック・フォーサイスの同名小説が原作で、1960年代始めのフランスを舞台に、シャルル・ド・ゴール大統領暗殺を企てる武装組織「秘密軍事組織(OAS)」が雇ったプロの暗殺者「ジャッカル」と、大統領暗殺を阻止しようとするフランス官憲の追跡を描いていました。

国防軍情報部の長官カナリスは、非現実的な計画と判断して部下に名目が立つ程度の表面的な調査を命じました。

ところがこの部下の大佐ラードル(ロバート・デュヴァル )の元に英国に居住する工作員からチャーチル首相が英国ノーフォーク郡の東海岸にあるスタドリー村を訪問する予定があるという情報がもたらされます。千歳一隅のチャンスにこの大佐は真剣に作戦計画を練り始め、現地で支援に当たらせる予定でアイルランド独立運動の活動家リーアム・デヴリン(ドナルド・サザーランド)を呼び出し、実行部隊の指揮官にも目星をつけます。

そうこうしているうち元々この作戦に乗り気ではないカナリス長官から作業中止の命令が下ります。ラードルは気落ちしますが、たまたま彼が作成した作戦要綱を読んだ 親衛隊の長官ハインリヒ・ヒムラーは、ヒトラーの署名入りの作戦実行命令書をラードルに渡しカナリスには内密に計画を進めるように命じました。

ヒトラーの命令書という万能の手札を手にしたラードルは目を付けた実行部隊の指揮官クルト・シュタイナー中佐(マイケル・ケイン)に会いに行きます。シュタイナーは親衛隊によるユダヤ人狩りに遭遇し少女の逃亡に手を貸したとして部下共々懲罰の対象となっていました。みすみす懲罰を受けるより、無謀とも思えるチャーチル拉致作戦の任務を部下15人と共に受けたシュタイナーは、チャーチルが訪問予定のスタドリー村に
ポーランド義勇軍のパラシュート部隊として入り込みました。

その前にデヴリンがいち早くその村に入り込み作戦部隊の受け入り準備をしていました。

偽装の演習を行いながら、チャーチルの訪問を待っていた作戦部隊でしたが、用水路にはまって溺れかけていた少女を助けようとした部隊の隊員が水車にはさまれて死んでしまいます。そのとき迷彩服がはだけて下に着ていたドイツ軍の制服が村民に目撃されてしまいます。

作戦は失敗してしまいますが、シュタイナーは孤軍奮闘、チャーチルの潜伏する警戒厳重な屋敷に忍び込み銃殺される前にチャーチルを射殺します。撃たれたのはチャーチルの影武者で田舎周りの役者だったというオチがついていましたけど。

そのころ作戦失敗を恐れたヒムラーはラードルに「反逆的な越権行為」が有ったとして逮捕し、銃殺してしまっていました。

一方、デブリンは恋仲となった村娘に別れを告げ、一人立ち去っていきました。

個人的には、「ジャッカルの日」のドキュメンタリータッチの緊迫の映画の方が面白かったです。

ただ、両作品とも原作を読んでいないので、機会があれば読んでみたいと思っています。タフで人道的なシュタイナーには少し興味があります。

by zoompac | 2017-07-14 05:59 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

映画 「ラスト・プリンセス ~大韓帝国最後の皇女~」_日本の植民地支配に埋もれた悲劇

f0090954_06004194.jpg新宿三丁目の「新宿シネマート」で観ました。

塚本哲也氏の「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女」のイメージが残っていて、この映画の題名に興味を持ちました。

描かれていたのは、李氏朝鮮最後の王女の波乱の人生でした。1910年の日韓併合後の1912年、日本統治時代、大韓帝国の初代皇帝・高宗と側室である福寧堂梁貴人との間に生まれたのが主人公の徳恵翁主です。ちなみに翁主(オンジェ)は、王の側室から生まれた王女のことで、正室から生まれた王女は公主(コンジェ)となります。

1925年に12歳で日本留学、1931年に18歳で日本人と結婚、戦後も長く帰国を拒まれた徳恵姫(翁主)を淡々としたノンフィクションタッチながら、静謐な恋愛劇を軸に対日運動を絡め、撃ち合いを交えた逃亡劇を盛込む等やや荒っぽい味付けにしていました。

歴史に翻弄されながらも故郷を思い続けた大韓帝国最後の皇女が遂に韓国の空港に降り立ち多くの侍女に迎えられるシーンは涙なしにはみれませんでした。

映画は粗削りですが、歴史の中に埋もれて、日韓両国民の多くから忘れ去られた「徳恵翁主」を掘り起こしてくれた監督には感謝したいですね。

日韓でこの物語を捉える視点にはズレがあるかもしれませんが、日本の植民地支配の裏側にこのような悲劇が埋もれていたという事実は動かせません。

主役は「私の頭の中の消しゴム」のソン・イェジン、監督は「八月のクリスマス」のホ・ジノ、日本からは戸田菜穂が徳恵翁主の母違いの兄「英親王」の妻「李芳子」として出演していました。 梨本宮方子が結婚して李芳子として住んだ家は今も赤坂プリンスホテルの旧館として残っていますが、映画でもしっかり映っていましたね。 余談ながら、NHK韓国映画「オクニョ」での準主役格のユン・テォン役を演じているコ・スも反日運動家の徳恵の甥役として出演していました。


by zoompac | 2017-07-12 06:01 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

DVD映画「天国から来たチャンピオン」_「天国から来たQB」に生まれ変わるべし!

f0090954_05303986.jpg原作はハリー・シーガルの舞台脚本の「天国は待ってくれる(Heaven Can Wait)」です。 映画の原題も「Heaven Can Wait」なのだから、何でこの邦題なのか不思議ですよね。

「天国から来たチャンピオン」は1978年のアメリカのファンタジー映画ですが、1941年の「幽霊紐育を歩く」(原題: Here Comes Mr. Jordan)のリメイク版なのです。 この「幽霊紐育(ニューヨーク)を歩く」って邦題もどうかとおもうのですが、その原作が「Heaven Can Wait」で、原作の主人公がプロボクサーという設定だったのです。

「天国から来たチャンピオン」の監督のウォーレン・ベイティ(ビーティ?)は当初、モハメド・アリ主演での制作を予定していたようですが、断られたため設定をボクシングからアメリカンフットボールに変更し、ベイティ自身が主演も兼ねて制作することになったようです。それだったらこの邦題も「天国から来たクォーターバック」にすべきですよね。

クォーターバックとはアメリカンフットボールの攻撃の起点となるポジションのことです。 プレーの展開を図る重要な司令塔です。

輪廻転生とか蘇りとかの類ではないのですが、今回の第157回直木賞候補作になっている、瑠璃って名前の少女の記憶が次々に引き継がれていく佐藤正午の小説「月の満ち欠け」の中に、この映画が登場していたので気になってTsutayaで借りて観てみました。f0090954_05311123.jpg

映画の邦題は変ですが、なかなかいいファンタジー映画でした。

今年のアカデミー賞でとんだ読み違いをするハプニングを起こしたウォーレン・ベイティの若さにびっくりもさることながら、女優がいいですね。ラーラのテーマの音楽で有名なあの「ドクトル・ジバゴ」で「ラーラ」を演じていたジュリー・クリスティでした。

ポジションが「クォータバック」という答えで亡くなった元カレの蘇り(よみがえり)と察するところが偉い彼女でした。

今回、ネタバレを封じ込めました。 是非、ご覧になってください。 天国からの水先案内人が登場しますが、この映画がその先駆けだそうです。

by zoompac | 2017-07-10 05:32 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

TsutayaDVD映画「うたかたの恋」_ハプスブルク家最後の後継者ルドルフの情死

f0090954_05331368.jpg「うたかたの恋」(原題: Mayerling )は、1936年のフランスの恋愛映画です。

1889年に起きたオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフ(シャルル・ボワイエ)と男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ(ダニエル・ダリュー)の心中事件(マイヤーリング事件)を題材にしたフランスの作家クロード・アネの1930年の小説『うたかたの恋』を原作としています。

大流行した同時代の映画「会議は踊る」と違い、この「うたかたの恋」は、戦前の日本では皇室のスキャンダルを扱った恐れ多い作品とされ検閲により上映禁止になってしまいました。日本で公開されたのは戦後1946年になってからでした。

情死したこと有名な皇太子ルドルフですが、当時の欧州情勢の分析や外交能力は優れていたようです。彼はジャーナリズム関係の友達が多く欧州全域にわたって広い情報網をもっていました。反ドイツ主義の先鋒でトラと呼ばれたフランスのクレマンソーとも親交がありました。

映画では、因習と頑迷のみが支配する宮廷生活に背を向け社会主義運動に没頭する反体制的(反抗的な?)なルドルフが描かれ、その一方で、「戦争は他家に任せておけ。幸いなオーストリアよ、汝は結婚せよ」というハプスブルク家の家訓に従ってベルギー皇女を妃として迎えることに同意するルドルフの複雑な性格の二面性を対峙させていました。

そうした葛藤が、男爵令嬢マリー・ヴェッツェラとの出会いでバランスを失い、父親フランツ・ヨーゼフ皇帝に対する反目がますます強まり、やがて純粋な愛に生きがいを見出し、その純粋さを求めて死に急ぐ道を邁進することになってしまいます。

塚本哲也の「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女」に登場する”エリザベート”のお父さんが皇太子ルドルフです。 ちなみにそのエリザベートのお母さんがルドルフが両親から勧められるるままに娶ったベルギー皇女(ステファニー妃)でした。

宝塚歌劇団の「エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)」で有名なシシィの愛称で知られるエリザベートは、皇帝フランツ・ヨーゼフの妃です。すなわち彼女はルドルフの母であり、塚本哲也がハプスブルク家最後の皇女と呼ぶエリザベートの祖母にあたります。

この「うたかたの恋」も宝塚歌劇団によって上演されているミュージカル作品の一つで、初演は1983年で、その後、幾度か再演を繰り返されていますが、人気は圧倒的に「エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)」の方が上です。

「エリザベート~愛と死の輪舞(ロンド)」は1996年に初演、その後チケットが取れないほどの人気を博し、2016年には上演900回を達成しています。この大人気の演目で、女性を中心に「ハプスブルク帝国ブーム」がおき、その華麗な宮廷生活への憧れなどからオーストリア・ウィーンへの観光客増加を引き起こしたことも有名です。

「うたかたの恋」の映画は、1957年にはオードリー・ヘップバーン(ルドルフの愛人男爵令嬢マリー・フォン・ヴェッツェラ役)とメル・ファーラー(ルドルフ役)の共演でアメリカ映画「マイヤーリング」としてリメイクされ、その後、1968年にイギリス・フランス合作のリメイク版映画「うたかたの恋」も、ルドルフ役にオマー・シャリフ、マリー役にカトリーヌ・ドヌーヴで上演されています。

塚本哲也の「エリザベート ハプスブルク家最後の皇女」には、映画ではなかなか伝わらないルドルフの先見性の高さと国際性が描かれていました。そうした背景知識があったからこそみれた映画で、そうした知識抜きでは物足りなさを感じたかもしれません。

by zoompac | 2017-07-07 05:34 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)
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