1988年のフランス、イタリアの合作映画です。監督はクロード・ピノトー、主演はソフィ・マルソーです。彼女はヘアヌードを厭わず多くの作品でヌードを披露していますが、この映画はそういうことを抜きにしてもいいロマンティック・コメディ映画でした。
ソフィ・マルソーが(若い)十朱幸代似のあどけない顔で、バスク出身のヴァランティーヌというソルボンヌ大の古典文学専攻の学生を演じています。彼女は苦学生で、コレージュ(中学校)で補助教員として働いています。働きながら教員資格取得の試験準備に忙しいのです。
忙しくて恋に没頭する暇も、気もなかった彼女は、スキー場のロープウェイでたまたまネッドという男性に出会います。
彼は政治に無関心で女にルーズな離婚経験ありの28歳のミュージシャンです。
性格も嗜好も住む世界も生活の時間帯も違う2人は互いに惹かれるものの擦れ違いが多くてケンカ別れしてしまいます。
ケンカ別れした翌日は、筆記試験合格の後の口述試験(面接)でした。彼女に課せられた課題はモリエールの「人間嫌い」。見学自由の口述試験の場にネッドがやってきます。それに気づいた彼女の熱弁に、ネッドに対する切々とした思いが加わります。ここが観衆のハートをわしづかみにするシーンです。まさに白眉でしたよ。涙目で熱弁をふるってくれます。正義感溢れる努力するお茶目の女子大生ソフィ・マルソーにメロメロにさせられました。