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NHKBS映画「西部戦線異状なし」_戦争の悲惨さを詩的に伝える反戦映画

f0090954_05591299.jpgボブ・ディラン氏はノーベル文学賞を受けた時、自分の曲が文学と一体どんな関係があるのだろうかと考えたそうです。そして自身が影響を受けた音楽家や、古典文学を列挙してみました。

その古典文学の中に、「白鯨(Moby Dick)」や「オデュッセイア」と混ざって「西部戦線異状なし)」が取り上げられていました。 彼の反戦歌に大きな影響を与えたようですね。

その「西部戦線異状なし(All Quiet on the Western Front)」は、第一次世界大戦の敗戦国ドイツ出身のエーリヒ・マリア・レマルクが1929年に発表し、世界的な大ベストセラーになった反戦小説です。

それを原作とした映画「西部戦線異状なし」は実は1930年のアメリカ映画です。 ドイツ兵の視点から第一次世界大戦の西部戦線の模様を捉えたという点で異色のアメリカ映画です。第3回米国アカデミー賞最優秀作品賞、および最優秀監督賞を受賞しました。

アメリカ映画であるがゆえ、登場するキャラクターはフランス人役以外は英語を話し、名前も英語読みに変えられています。主人公のポールは、本来のドイツ語読みではパウルとなります。

ちなみに、第一次世界大戦における「西部戦線」では、フランス北西部に攻勢をかけたドイツ軍と、それを防ぎきった英仏両軍によって4年間に亘る塹壕戦が展開されました。

数度に渡る戦闘によって数百万にも及ぶ死傷者が発生したといわれています。機関銃の登場などがその膨大な死傷者の数に貢献しました。英国海峡に接するごく一部のみがベルギー領であった他は全てフランスの領土を横切っており、終戦時にもドイツの国土には戦火が及ばなかったそうです。映画での主人公が対峙する敵兵はフランス兵です。

映画の冒頭、たぶん高校だと思うのですが、ドイツのとある学校で老教師が授業そっちのけで愛国心を説いています。そしてその老教師の言葉に感化された生徒たちは我先にと入隊を志願していきます。その中に級長ポールとその級友4人がいました。

練兵場で猛特訓を一緒に受けた彼らでしたが、初めての任務、鉄条網の敷設に駆り出されます。敵軍の銃砲撃の中、ポールの級友の1人が無惨な死を遂げます。訓練とはまったく違う本物の戦争を目の当たりにして衝撃を受ける若者たちの顔がクローズアップされます。

学徒である彼らに戦場で生き延びて行く為のノウハウを授けてくれたのは分隊の古参兵たちでした。しかし、それにもかかわらず、連日の戦闘の中、ひとり、またひとりとポールのクラスメイトたちが戦死していきます。

ある日の戦闘でポールは砲弾穴へ落ちますが、同じ穴に飛び込んできたフランス兵をとっさに突き殺す羽目になります。その兵のポケットから落ちた彼の妻子の写真を見たポールの胸は痛みます・・・・・・。

第一次世界大戦の西部戦線に投入されたドイツ軍志願兵のポールことパウル・ボイメルが戦争の恐怖、苦悩、虚しさを味わい、戦死するまでの物語が描かれた映画です。

題名は、パウル・ボイメルが戦死した1918年10月のある日の司令部報告「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」に由来しています。

作品では、激しい戦闘、戦友の死、帰郷、負傷といった様々なエピソードが盛り込まれ、戦争の悲惨さを訴えていました。

「プライベート ライアン」のラストでトム・ハンクスの死によって、それまでの米国の少数部隊がドイツの戦車部隊との戦いで大活躍の高揚感が一気に冷水をかけられたように感じましたが、それが戦争の現実なのでしょうね。 この映画では、プライベート・ライアンのラストシーンのようなやるせない戦死のシーンが次から次へと繰り返されます。

戦場に舞い降りた美しい蝶に、思わず手を伸ばしてポールが敵兵の銃弾に倒れるシーンはただただやるせない哀しみに胸がつぶれるとしか表現のしようがありませんでした。


# by zoompac | 2017-07-03 05:59 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

2017年6月のスポーツ記事の総括_今月の顔は日本陸上5000m優勝の鍋島莉奈

f0090954_07542705.jpg日本陸上女子5000mではロングスパートをかけた日本郵政Gのエース鈴木亜由子に同じ日本郵政Gの鍋島莉奈が離れず、逆に残り1周で仕掛けて鍋島莉奈が逃げ切り優勝を果たしました。その差1秒そこそこのデッドヒートでした。

鍋島は鹿屋体育大学出身です。

鹿屋体育大といえば、2000年前後に活躍した永田宏一郎という選手がいました。1999年、2000年のインカレ5000mを連覇し、その2年間で走った出雲駅伝や全日本大学駅伝の区間賞を総なめにしていた印象があります。 その天才スピードランナー永田が獲れなかった日本選手権のタイトルを鍋島莉奈はいとも簡単に手にしましたね。

鍋島莉奈は高知県山田高校出身ですが、高校時代はそれほど目立った存在ではありませんでした。

ところが、彼女が鹿児島県にある国立鹿屋体育大学に進学した後、3年生の2014年、4年生の2015年にインカレ10000mを連覇して、いきなり頭角を現しました。私は秘かに女永田宏一郎と呼ばせてもらっていました。

4年時の後半に故障し、日本郵政G入社当初もリハビリに苦しんでいました。

しかし、チームの鈴木亜由子と関根花観のWエースがリオ五輪代表に選ばれるなどで、怪我が癒えた鍋島も質の高い練習が積めたようでした。

去年の実業団駅伝では、日本郵政Gは陸上部創設3年目、出場2年目にして驚きの優勝を飾りました。 そのときの優勝の立役者が5区を区間賞で走った新人の鍋島莉奈でした。エース鈴木亜由子はリオ五輪後疲労骨折、純エース関根花観も3区を区間2位で好走するも、4区までは優勝候補と言われたヤマダ電機と第一生命がトップ争いをしているような状況でした。そこにするすると追いつきしばらくトップ集団で走っていた鍋島が中継点を前にしてスパートをかけたのです。

あの駅伝でもスパートの爆発力はすごいなと思いましたが、この5000mのラスト1周ではその瞬発力も凄さをまざまざとみることができました。

前半ややスローな入りだったので、途中で解説者(高岡寿成氏)は参加標準記録突破は難しいと言っていたのですが、残り2周あたりからの鈴木亜由子のスパートと残り1周の鍋島のスパートで、最後までトップを争った2人が参加標準記録を突破することにもなりました。解説者に5000mのラスト1周でのこのようなスプリント力を日本人女子選手が発揮するのを見たことがないと言わしめたラストの追い足でした。

陸上(10本)
170610- 高校生スーパールーキー達(佐々木塁、服部凱杏、馬場勇一郎、林田洋翔)の高校総体県予選2017の結果
170615- 高校総体(インターハイ)陸上2017 女子1500m/3000m県大会の結果(兵庫、大阪、、京都、その他)
170617- 男子高校総体2017陸上県大会の結果_5000mは留学生、1500mは兵庫県勢対北関東勢の争いか
170618- 2017 日本学生陸上競技個人選手権大会でも1500mの館澤亨次が優勝!
170619- 2017 日本学生陸上競技個人選手権大会_女子_3000mSC松山大の高見澤安珠の調子が上向き!
170621- 高校生スーパールーキー達(佐々木塁、服部凱杏、馬場勇一郎、林田洋翔)の高校総体地区予選2017の結果
170622- 高校総体(インターハイ)陸上2017 地区大会での女子注目選手_ルーテル学院の矢田みくに
170623- 高校総体(インターハイ)陸上2017 地区大会での男子注目選手_青森山田の田澤廉
170625- 日本陸上選手権2017初日、2日の結果_下剋上の100m決勝、優勝はサニブラウン!
170626 日本陸上選手権2017_3日目最終日の結果_負け知らずだった福島千里に悔しさととまどいの台詞「死ぬわけじゃない!」

卓球(2本)
170603- デュッセルドルフの世界卓球2017_魅せる17歳平野美宇と13歳張本智和の快進撃!
170604- 吉村・石川混合複、あっぱれ優勝@世界卓球デュッセルドルフ

柔道
170612- 原沢久喜が決定戦のエース対決を制して日本中央競馬会が実業柔道団体戦を連覇!

テニス
170606- 錦織逆転2年ぶり8強!次戦マレー/全仏4回戦

バドミントン
170609- バドミントンの桃田賢斗_復帰戦の日本ランキングサーキット大会で優勝!

総括
170602- 2017年5月のスポーツ記事の総括


# by zoompac | 2017-07-02 07:55 | スポーツ | Comments(0)

2017年6月の読書と映画の総括_ついに佐藤賢一の「小説フランス革命」全18巻を読了、映画は「プライベート・ライアン」等の戦争映画尽くし

f0090954_05585333.jpg読書(6冊)
久しぶりに司馬遼太郎、塩野七生、佐藤賢一の3S揃い踏みです。
司馬遼太郎氏の「オランダ紀行」がよかったですね。小さくて静かな国ですが、日本の近代化に江戸後期の「蘭学」として多大な影響を与えたことが実感できました。また直木賞候補の「月の満ち欠け」もなかなか不思議なテイストの娯楽小説として楽しめました。伊東潤の「城をひとつ」も、直木賞にノミネートされませんでしたが、直木賞に値する質の高い作品だと個人的には思いました。

そして今月は、佐藤賢一の「小説フランス革命」18巻、塩野七生の古典といってもいい名作「海の都の物語 ヴェネツイア共和国の一千年」6巻を読了しました。

7月は、読みかけの、東郷隆の「蛇の王(下)」や司馬遼太郎の「空海の風景」(下)を読んで、7月19日発表の直木賞候補として、佐藤正午の「月の満ち欠け」の対抗馬として気になる宮内悠介氏の「あとは野となれ大和撫子」も読んでみたいと思っています。「あとは野となれ大和撫子」は、漫画「乙嫁語り」のイメージと被るところはありますが、考えてみれば、今年上半期の直木賞・今年の本屋大賞受賞の恩田陸氏の「蜜蜂と遠雷」も、少女漫画っぽい内容だったですね。活字を通してヴィジュアルな漫画を読むというか活字を通してコンサート会場での競技者の熱演を聴かせてもらいました。漫画繋がりといっては失礼になるかもしれませんが、インドや中央アジアを旅した経験十分の宮内悠介氏の作品を読むのが楽しみです。

その他、「情と理 -カミソリ参謀回顧録-後藤田正晴」「胡椒 暴虐の世界史」「ハプスブルグ家」「東インド会社」「東芝 大裏面史」「昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実」等も気になっています。
塚本哲也氏のノンフィクション「マリー・ルイーゼ_ナポレオンの皇妃からパルマ公国女王へ」も読んでみたいですね。ツヴァイクの「ジョセフ・フーシェ」やジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」も読みたいです。

170608 「慈雨」柚月裕子_定年退職警官の四国お遍路旅小説
170616 「オランダ紀行 街道をゆく35」司馬遼太郎_日本の近代化に大きな影響を与えた小さな国オランダ!
170620 「月の満ち欠け」佐藤正午_直木賞にノミネートされてもいい作品だと思うのだけど・・・
170626 「小説フランス革命18 革命の終焉」佐藤賢一_あっけなく淋しい幕切れ!
170629 「海の都の物語 ヴェネツイア共和国の一千年」塩野七生
170630 「城をひとつ」伊東潤_入れ込みの術を駆使したスパイ一族と北条五代の物語

映画(5本)f0090954_05590717.jpg
先月読んだ塚本哲也の「エリザベート ハプスブルグ家最後の皇女」の影響が大きいですね。
その本の影響から、「愛の嵐」と「スターリングラード」を観ました。「スターリングラード」から「プライベート・ライアン」に繋がりました。
戦争映画ということでは、ボブ・ディランが影響を受けたという「西部戦線異状なし」や「沈黙」の主役アンドリュー・ガーフィールドが主演の公開中映画「ハクソー・リッジ」も9月9日から公開予定のイギリスの鬼才クリストファー・ノーラン監督の戦争映画「ダンケルク」も観たいと思っています。 過激な描写で有名なメル・ギブソン監督が10年ぶりにメガホンを取った作品です。

170607 WOWOW映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」_黒木華のメイド姿
170611 WOWOW映画「愛の嵐」_複雑なオーストリアの二面性とシャーロット・ランプリング女心
170613 WOWOW映画「スターリングラード」_冒頭シーンが「プライベート・ライアン」のような迫力!
170614 NHKBS 映画「プライベート・ライアン」_トム・ハンクスのカリスマ性が光る一兵卒の救出作戦!
170628 公開映画「家族はつらいよ2」_私生活でも「家族はつらいよ」だった橋爪功!

漫画
170624- 漫画 「疾風の勇人」 1巻~4巻 大和田秀樹_漫画と侮るなかれ、元気な戦後の政治家漫画

音楽
170605- 日本IBM管弦楽団第29回定期演奏会_ヨハン・シュトラウスⅡとグスタフ・マーラー

総括
170601- 2017年5月の読書と映画の総括_思わぬ収穫_エリザベート ハプスブルグ家最後の皇女

# by zoompac | 2017-07-01 06:01 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「城をひとつ」伊東潤_入れ込みの術を駆使したスパイ一族と北条五代の物語

f0090954_05425651.jpg「城をひとつ」では、「孟徳新書」というかの曹操が「孫氏」に対抗して自ら軍略をしたためた「極意書」のようなものが出てきます。

「孫氏」に注解を加えた物まねと揶揄されたため、曹操が怒って写しを含めたすべてを焼き尽くしたと言い伝えられているものですが、大陸帰りの僧が「孟徳新書」全巻を持ち帰り、失火などから灰燼に帰すことを恐れたその僧が大藤信基(だいとうのぶもと)に暗記するまで読み込むことを命じたということでした。

僧の不安通り、人の心を操ることのできる魔性の書である「孟徳新書」は灰になりますが、その中身は大藤家に口伝継承されることになったのです。

余談ながら、WOWOWで放映中の「三国志 趙雲伝」は、まさにその曹操が活躍した時代ですが、今は趙雲の持っている「楽毅百戦術」という戦略の虎の巻を夏候傑や高則が結託して手に入れようとしています。

その「孟徳新書」の秘伝のひとつ「子曰く、捕らわれると思えば捕らわれ、捕らわれざると思えば捕らわれることなし」の一節から、信基は入れ込み術の名人となります。間者として敵の懐深く入り込み、信用を勝ち得て、いわば獅子身中の虫となるのです。いわゆる諜報活動というかスパイですね。

伊勢新九郎こと北条早雲からその才を見出された大藤信基は、早雲に請われ早雲の子北条氏綱に仕えることになりますが、北条早雲自身こそそうした諜報・調略才に恵まれた人物でした。

身一つで、駿河に下向した伊勢新九郎盛時は、駿河今川家の跡取りである外甥(龍王丸=今川氏親、今川義元のお父さんです)を助け、今川家の宿老筆頭の座に就きます。そのとき今川氏親から贈られた駿河国興国寺城を足場に、1493年の幕府の管領・細川政元による政変(足利義澄の将軍擁立)に呼応し、伊豆の堀越公方を落し、伊豆一国を手中に収めます。そこから、1495年に相模に進出し大森氏と三浦氏を退け、相模一国も奪って、本拠地を大森氏の居城だった小田原城に移したのです。

このあたりの物語は、司馬遼太郎氏の「箱根の坂」全3巻に詳しく書かれています。私の好きな司馬氏の作品のひとつです。

早雲以降北条氏は、北条氏綱、北条氏康、北条氏政、北条氏直と小田原城を本拠に五代続きます。

その氏綱以降、4代の北条家に仕えた大藤家(だいとうけ)の信基、景長、秀信、政信、直信の五代の活躍を描いた歴史小説がこの「城をひとつ」です。

「城をひとつ」「当代無双」「落葉一掃」「一期の名折れ」「幻の軍師」「黄金の城」の6つの連作短編で構成されています。

「城をひとつ」では、当時江戸城の城主だった扇谷上杉朝興の馬数寄に乗じて馬商人となった大藤信基が、北条氏綱のためにその江戸城をまんまと奪取する話でした。 それが1524年のことです。 そこから秀吉の小田原城攻めが1590年ですから、約65年の間北条家の影の軍師として暗躍した大藤氏5代の話でした。

大藤氏もれっきとした史実に残る家柄で、信基の出自は根来衆だとされています。

背景には下剋上の世相がありました。元々鎌倉公方の執事(家来)の立場だった関東管領の上杉家が公方以上の力を持ち、扇谷と山内上杉家の内紛に乗じて、新興勢力として堀越公方を落とした今川家というか北条家が台頭する背景もしっかり描かれ興味深い物語になっていました。 その意味では、関東管領の一族に繋がる上杉謙信も結局は幕府の秩序の枠から出られない旧勢力の擁護者にすぎなかったということがよくわかります。

私が住んでいる江戸川区にある「葛西城」も登場し、なんやら親しみのある小説に感じられました。 何故、直木賞のノミネート作品に漏れたのか不思議に思いました。直木賞に値すると思えるいい作品です。


# by zoompac | 2017-06-30 06:00 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

読書「海の都の物語 ヴェネツイア共和国の一千年」塩野七生_ナポレオンによる共和国の滅亡

f0090954_06540714.jpg著者塩野七生が言います。

「イエス・キリストは、その短い生涯の中で、いくつかの洞察に富んだ言葉を残したが、その中で、最も洞察に富みながら、もっとも守られることの少なかった一句がある」と。

それは、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に」という言葉です。

他者の存在を認めない非寛容の精神は、異端撲滅の公会議や十字軍運動に、また法王派と皇帝派の争いに結集し多くの血を流しました。

こうした宗教のお仕着せの窒息状況から人間を解き放ったのがルネサンス運動でした。

ヴェネツィア共和国は、元々から個人の自由を尊重し、信教の自由、表現の自由、政教分離が行き届いていました。 政治でも専制的な寡頭制を受け入れませんでした。

ヴェネツィアはレオナルド・ダ・ヴィンチもマキャベリも生みませんでした。個人の自由を尊重する一貫した姿勢があったからです。

盛者必衰は平家に限らず、歴史の理のようですね。

1645年~1669年の対トルコとの25年に渡るクレタ島の攻防戦を戦い抜いたヴェネツイアの総司令官フランチェスコ・モロシーニは後に海軍総司令官と元首を兼任することになります。

ヴェネツィアのような抑制力や牽制の効いた共和政体ではかつてない異例なことでした。しかも半身像までつくって功を讃えたのです。

英雄待望論は、報われること等期待もしない犠牲を払うこれまでのヴェネツィアを支えてきた精神とは相いれないものです。

しかし時代の流れや環境の大きな変化がそうした自力本願のヴェネツィア精神を他力本願の英雄待望に変えてしまったのかもしれません。

クレタ島という地中海最後の砦を失い、アフリカ大陸を南下する新航路開拓から地中海交易の重要性が下がり、中西欧経済の主導権を失ったヴェネツィアは、これまでのアンチ・ヒーローの気概まで失ったようです。

最期は、ナポレオンによって息の根を止められ、その後オーストリアとフランスに分割されてしまいましたが、海の都ヴェネツィアの壮絶で知恵に溢れた都市国家運営を6巻に渡って楽しませてもらいました。

分割前のヴェネツィア共和国は、今のクロアチアのほぼ全域と北イタリアはヴェネト州からさらに西のロンバルディア地方までの広大な領地を所有していたことも知ることができました。

# by zoompac | 2017-06-29 06:54 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

映画「家族はつらいよ2」_私生活でも「家族はつらいよ」だった橋爪功!

f0090954_05505793.jpg熟年離婚をめぐって大騒動を繰り広げる家族の姿を描いた、山田洋次監督による喜劇映画「家族はつらいよ」の第二弾です。

橋爪功、吉行和子、長男夫婦に西村雅彦、夏川結衣 、長女夫婦に中嶋朋子、林家正蔵、そして前作では恋人同士だった次男が結婚し夫婦となった妻夫木聡、蒼井優ら、前作のキャストが再結集しました。

前作の熟年離婚騒動から数年後の平田家で巻き起こる新たな騒動が描かれていました。今回は高齢者ドライバーの問題を取っ掛りとしつつ(このテーマはおそらく次作にまで及ぶと思います)独居老人、さらには無縁社会の問題まで掘り下げていました。

シリアスなテーマです。そうした高齢化社会日本の抱える問題に鋭く切り込みながらも物語を笑いとペーソスでバランスよく包み込んでくれていました。

この映画の主人公は平田家の家族なのでしょうけど、周造を演じる橋爪功を主役って呼んでもいいですね。浮世離れして頑固で我儘な周造は「フーテンの寅さん」に通じるものを感じます。

周造はマイカーでの外出をささやかな楽しみにしていましたが、最近ぶつけたり、こすったりで車に凹み傷が目立ち始めたことから高齢者の危険運転として家族は心配し始めます。

なんとか周造から運転免許を返上させようと画策するのですが及び腰です。例によって、猫(頑固オヤジの周造)の首に鈴をつける役目(説得するイヤな役回り)を家族同士で押し付け合いです。それを見透かした周造は「俺から車を取り上げることは、俺に死ねといっているのと同じだ!」と大激怒し、平田家は不穏な空気に包まれてしまいます。

そんなある日、周造の妻富子(吉行和子)が北欧へオーロラを観る旅行に出かけることになり、つかの間の独身貴族を楽しもうと目論む周造は、お気に入りの居酒屋の女将かよ(風吹ジュン)を乗せて車を走らせます。その途中、高校時代の同級生・丸山(小林稔侍)と意外なかたちで再会を果たします。

その丸山を囲んで同窓会を行い、女将かよのいる居酒屋で大いに盛り上がった周造は、酔っぱらった丸山を家に連れて帰り富子のベットに寝かしましたが、・・・・・・。

それにしても三世代同居の平田家って、サザエさんの世界ですね。最近の世相を反映しながらもまだなんとか持ち支えている古い(よき)家族を見る思いがしました。そのあたりの雰囲気も「男はつらいよ」シリーズに相通じるものがあります。寅さんっていい加減だけど人情に厚く筋を通す古い人間でしたよね。

折しも、6月初旬には、橋爪功さん(75歳)の息子橋爪遼(30)が覚せい剤所持疑いで逮捕のニュースが流れていました。75歳って、平田家のように息子たちに心配をしてもらう年齢だと思うのですが、私生活では真逆のようですね。30歳であれば親が子供の行動に責任を負う必要はないと思うのですが、これはこれで笑えない「家族はつらいよ」のニュースでした。

# by zoompac | 2017-06-28 05:51 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

日本陸上選手権2017_3日目最終日の結果_負け知らずだった福島千里に悔しさととまどいの台詞「死ぬわけじゃない!」

f0090954_05532925.jpg女子200m
100メートル決勝では2位に終わったものの、「思い通りに走れた」と満足げだった女王福島も、200mではコーナーを回るところまでトップ通過だったものの、その後の追い足がなく、優勝した市川に突き放されるどころか、後ろから今井、中村、前山の3人に抜かれてしまいまさかの5位で表彰台にも上がれませんでした。

1月にプロ転向を表明した今季は序盤から試合途中のけいれんに悩まされ力を出し切れないレースが続きました。日本陸上では、けいれんはなく途中棄権することなく走り切りましたが、100mの2位はともかく、200mでは5位の惨敗に終わってしまいました。

レース後のインタビューで、 「足のけいれんで走れない時期が続いた。トップスピードも最大パワーもかなり少ない。だからこうなっている。今までの中で1番苦しいシーズンの始まりだった。でも修整はいくらでもきくし、死ぬわけじゃないので」 との言葉を残しました。

プロ転向が吉となるよう、このどん底の状態から早く脱して欲しいですね。200mはともかく、100mではまだ世界代表に選出される可能性は残っていると思います。 二重の意味でまだ世界が終わったわけではありません。
1 23.63 (0.158) 市川 華菜 ミズノ
2 23.74 (0.185) 今井 沙緒里 飯田病院
3 23.76 (0.197) 中村 水月 大阪成蹊大く」
4 23.89 (0.181) 前山 美優 新潟医療福祉大
5 24.01 (0.160) 福島 千里 札幌陸協

女子5000m
鈴木亜由子が、10000mに続いて2位でした。
1位鍋島と共に参加標準記録を突破しましたが、今のところ内定は鍋島だけです。
3位に高校生2年生の小笠原朱里が入りました。大健闘です。インターハイに向けて日本選手権3位は自信になりますね。
1 15:19.87 鍋島 莉奈 JP日本郵政G
2 15:20.50 鈴木 亜由子 JP日本郵政G
3 15:23.56 小笠原 朱里 山梨学院高
4 15:26.25 一山 麻緒 ワコール
5 15:28.62 阿部 有香里 しまむら
6 15:29.74 松崎 璃子 積水化学
7 15:34.64 木村 友香 ユニバーサル
8 15:36.19 森田 香織 パナソニック
9 15:36.65 尾西 美咲 積水化学
10 15:40.59 矢田 みくに ルーテル学院高

男子200m
この大会に入って記録を伸ばしているサニブラウンの勢いはそのまま続いて、100に続いて200も勝って2冠に輝きました。
1 20.32 (0.185) サニブラウン ハキーム 東京陸協
2 20.47 (0.174) 藤光 謙司 ゼンリン
3 20.55 (0.172) 飯塚 翔太 ミズノ

男子5000m
今季好調の松枝が武器であるラストの切れを如何なく発揮しました。
1 13:48.90 松枝 博輝 富士通
2 13:50.07 大六野 秀畝 旭化成
3 13:50.91 中村 匠吾 富士通
4 13:53.30 上野 裕一郎 DeNA
5 13:53.55 市川 孝徳 日立物流
6 13:53.87 鎧坂 哲哉 旭化成
7 13:54.71 設楽 悠太 Honda
8 13:58.70 平 和真 カネボウ

男子3000mSC
潰滝が3連覇でした。リオ五輪代表の順大・塩尻和也は欠場でした。
1 8:38.20 潰滝 大記 富士通
2 8:41.22 松本 葵 大塚製薬
3 8:42.46 山口 浩勢 愛三工業
4 8:43.42 石橋 安孝 SGHグループ
5 8:44.34 三上 嵩斗 東海大
6 8:48.52 小室 翼 東洋大

# by zoompac | 2017-06-27 05:55 | スポーツ | Comments(0)

「小説フランス革命18 革命の終焉」佐藤賢一_あっけなく淋しい幕切れ!

f0090954_05595059.jpgロベスピエールもサン・ジェストも断頭台の露となってこの「小説フランス革命18巻」が終わってしまいました。

まさに「仁義なき戦い」でしたね。主役を張れる魅力あふれる登場人物たちが次々死んで、そして誰もいなくなってしまいました。

革命とか戦争という大義の下では、人間の命がなんて軽く扱われてしまうのかということに改めて驚かされました。

ロベスピエールが、理想を高く掲げそれにしがみついているだけで権力の使い方もよく知らない不器用な男だったってことがショックだったですね。 本人の自覚とは裏腹に「独裁者」という恐怖感を漂わせる虚像だけが大きくなって独り歩きしていたようです。

昔、ツヴァイクの「ジョセフ・フーシェ」を読んだとき、フランス革命という背景知識の欠如から読み進めるのに苦労しました。 この「小説フランス革命」18巻を読み終わった今、まだ読後の余韻温度の高いうちに「ジョセフ・フーシェ」をもう一度読み返してみたいです。

佐藤賢一氏の「ナポレオン」はいつ頃発刊予定なのかなと思っていたら、今読んでいる塩野七生の「海の都の物語 ヴェネツイア共和国の一千年 第6巻」の最後の章「ベネツィアの死」で、ナポレオンが登場していました。 ベネツィア共和国の幕を閉じさせフランス軍の統治下にしたのはナポレオンだったのですね。 塩野七生と佐藤賢一の著書の不思議な結びつきを感じた読書でした。

# by zoompac | 2017-06-26 06:00 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)

日本陸上選手権2017初日、2日の結果_下剋上の100m決勝、優勝はサニブラウン!

f0090954_08175393.jpg
男子100m
「後から来たぁの~に、追い越され~(^^♪」とは、TVドラマ「水戸黄門」の主題歌でした。

後から頭角を現したサニブラウンハキームと多田 修平に油げをさらわれてしまいましたね。

サニーブラウンにいたっては200mの選手だと思っていました。

リオの100mX4の銀メダリストメンバーの、三強、桐生祥秀、山縣亮太、ケンブリッジ飛鳥の一角を切りくずかもしれない後からやってきたサニーブラウンと多田の2人が、切り崩すどころか、追い越してしまいました。

去年に続いて、桐生には恨みの雨となってしまいましたね。

1 10.05 (0.156) サニブラウンハキーム 東京陸協
2 10.16 (0.140) 多田 修平 関西学院大
3 10.18 (0.140) ケンブリッジ飛鳥 Nike
4 10.26 (0.131) 桐生 祥秀 東洋大
5 10.38 (0.146) 川上 拓也 中央大
6 10.39 (0.150) 山縣 亮太 セイコー

その他の中長距離トラック競技の備忘録です。

男子1500m
昨年優勝の日清食品の戸田雅稀の名前が予選から見当たりませんでした。 参加標準の3分36秒に届きませんでしたが、今季好調の館澤亨次が初優勝を飾りました。

1 3:49.73 館澤 亨次 東海大
2 3:50.46 遠藤 日向 住友電工
3 3:50.84 廣瀬 大貴 大阪ガス

男子10000m
大迫傑が連覇でした。 残り2周付近で飛び出した上野裕一郎に引き離されず、ゴール手前で振り切りました。
佐久長聖高OBの上野裕一郎、佐藤悠基と大迫の三つ巴を期待していたのですが、旭化成の市田孝が3位に喰い込みました。
参加標準記録は27分45秒です。

1 28:35.47 大迫 傑 Nike ORPJT
2 28:37.34 上野 裕一郎 DeNA
3 28:39.00 市田 孝 旭化成
4 28:45.16 佐藤 悠基 日清食品グループ
5 28:45.28 横手 健 富士通

女子100m

福島の8連覇を市川華菜が阻んでの初優勝でした。参加標準記録は11秒26です。

1 11.52 (0.141) 市川 華菜 ミズノ
2 11.58 (0.135) 福島 千里 札幌陸協
3 11.68 (0.145) 中村 水月 大阪成蹊大

女子1500m
長野東の和田有菜が3位に喰い込んでいました。 西脇工の田中、後藤は6位、7位でした。 参加標準記録は4分07秒50です。

1 4:15.71 陣内 綾子 九電工
2 4:17.38 上田 未奈 城西大
3 4:17.77 和田 有菜 長野東高
4 4:18.03 森川 千明 ユニクロ
5 4:18.39 飯野 摩耶 第一生命グループ
6 4:18.63 田中 希実 西脇工業高
7 4:21.21 後藤 夢 西脇工業高
8 4:21.41 倉岡 奈々 デンソー
9 4:23.53 樺沢 和佳奈 慶應義塾大

女子10000m

鈴木亜由子のロングスパートで離れなかった松田瑞生の粘り勝ちでした。参加標準記録32分15秒で、この大会も含めすでに突破している松田が代表内定です。

女子10000m
1 31:39.41 松田 瑞生 ダイハツ
2 31:41.65 鈴木 亜由子 JP日本郵政G
3 31:48.81 上原 美幸 第一生命グループ
4 31:55.48 一山 麻緒 ワコール
5 31:59.80 堀 優花 パナソニック
6 32:23.83 関根 花観 JP日本郵政G
7 32:35.33 井上 藍 ノーリツ
8 32:36.97 棟久 由貴 東京農業大
9 32:43.57 高島 由香 資生堂

昨年、転んだ高見澤安珠に先行しながら、ゴール前に再逆転され、リオ五輪の切符をつかみ損ねた森森 智香子が雪辱の優勝でした。 参加標準記録は9分42秒です。

女子3000mSC
1 9:49.41 森 智香子 積水化学
2 9:53.42 三郷 実沙希 スズキ浜松AC
3 9:57.23 高見澤 安珠 松山大
4 10:04.73 小池 彩加 エディオン
5 10:05.26 岡田 佳子 松山大
6 10:05.81 高見沢 里歩 松山大

# by zoompac | 2017-06-25 08:20 | スポーツ | Comments(0)

漫画 「疾風の勇人」 1巻~4巻 大和田秀樹_漫画と侮るなかれ、元気な戦後の政治家漫画

f0090954_06511721.jpg「貧乏人は麦を喰え」等の暴言や、「私は嘘を申しません」等の台詞で有名な池田勇人元内閣総理大臣が主役です。吉田茂の右腕として頭角をあらわし、吉田内閣の外交・安全保障・経済政策に深く関与しました。 佐藤栄作と並ぶ「吉田学校」の筆頭格で、1964年の東京オリンピック時の首相です。

癌のため東京オリンピック閉会式直後に退陣を表明し、議員総会にて後継総裁として盟友佐藤栄作を指名しました。後継総裁選びを、退陣予定の総裁の指名に委ねた戦前・戦後を通じて最初のケースでした。

吉田茂、白洲次郎、田中角栄等も登場し、敗戦から立ち上がろうともがく日本の舵取りを劇画タッチの漫画で描き込んでくれています。 GHQとの丁々発止の駆け引きもやくざっぽい台詞で迫力があります。 やたら元気のいい政治漫画です。

この漫画は、池田勇人がまだ大蔵官僚だった頃、吉田茂氏の「吉田学校」にスカウトされるところから始まります。

広島の造り酒屋の7人兄弟の末っ子として生まれ、京大を卒業後、1925年に大蔵省へ入省します。その後函館税務署長、宇都宮税務署長と地方を巡り、1929年に落葉状天疱瘡という難病を発症し、大蔵省を休職し、休職期限が切れたため退職を余儀なくされます。結局治癒するまでに5年間かかってしまいました。民間の企業に就職も決まり、あくまでも挨拶のため、古巣の大蔵省に電話をしたところ、復職を勧められ、34歳にして大阪玉造の税務署長として再出発が叶ったのです。

池田の徴税ぶりは有名で「税金さえとれば、国のためになる」とうそぶいて凄まじい取り立てぶりだったようです。やがてその実力が認められ、東京税務監督局直税部長を経て、主税局経理課長として本省に戻ります。紆余曲折はありましたが、終戦の1945年には主税局長になり出世の遅れを取り戻しました。

そんな中で、吉田茂に声を掛けられ、1948年に48歳で大蔵省を退官し、翌年、広島から立候補し、初にしてトップ当選で衆議院議員となります。そして異例のことですが、大蔵省官僚としての実績を引っ提げて、GHQと戦後日本の税制並びに財政問題を交渉するため、大蔵大臣を拝命することになるのです。

この辺りのことが型破りな広島弁の漫画で俯瞰できます。

池田勇人の言葉遣いが傑作で「ケンカ売るならいつでも買う(こう)ちゃるけんのう!」ってな調子です。「仁義なき戦い」調の台詞が炸裂しています。

池田大蔵大臣の秘書官には「う~、あ~」の大平正芳(意外なほどお目目パッチリの可愛いキャラ)と英語が得意で酒癖の悪いこれまた広島の造り酒屋が実家の宮澤喜一です。

勇人の広島弁や佐藤栄作との殴り合いの喧嘩等はギャグっぽいですが、結構正確な日本の戦後の政治史が描かれています。

当時の復員兵達の雇用の大きな受け皿が国鉄でした。治安維持を名目に強引に雇用したため受け皿が異常なほど膨張してしまいました。 GHQの経済顧問のジョセフ・ドッジと池田勇人が経済安定策を模索しますが、そのときに国鉄の従業員の雇用切りも1つの政策として敢行されました。

こうした雇用の激しい揺り戻しの中で、1949年の戦後の三大国鉄ミステリーの下山事件、三鷹事件、松川事件が相次ぎ起きたのです。 そのあたりの背景がうまく捉えられていました。松本清張の「日本の黒い霧」を読みたくなりました。

電力の鬼との異名を持つ松永 安左エ門と池田勇人による電力事業再編による分割民営化に向けての政治交渉のエピソードも面白く読みました。

私が読んだのは4巻までです。4巻では朝鮮戦争特需に浮かれる日本の景気を憂う勇人が描かれていました。

いよいよ5巻では1951年のサンフランシスコ講和条約です。条約は9月8日に締結、発効は翌1952年4月28日です。1945年に敗戦国となった日本がGHQの統治下からやっと主権回復を認められた記念すべき日ですけど、何故が文部科学省は、学校教育でこの辺り事項をしっかり教えることをしないですね。日米安保の傘の下ではありますが、日本が独立を果たす物語が第5巻です。

第6巻では、いよいよ現総理の祖父の妖怪とあだ名された岸信介元総理が登場予定です。公職追放されていた大物政治家の復活登場となるわけです。

憲法改正が取り沙汰されている今でこそ、安保闘争という学生運動も含めこうした昭和史を俯瞰できるいい漫画を読む価値があります。

と思っていたら、作者が突然モーニング誌への連載終了宣言をしてしまいました。 いろいろ憶測(政界圧力?まさかねぇ)が飛んでいますが真相は闇の中。 単行本は7巻で終了となるそうです。

# by zoompac | 2017-06-24 06:52 | 読書・映画・音楽 | Comments(0)
RELEASE INFORMATION NEW ALBUM

[通常盤]「Now On Sale!!」
TOCP-66380/¥2,548(税込)

[DVD付 初回生産限定盤]
「Now On Sale!!」
TOCP-66381/¥3,500(税込)

NEW SINGLE
WMP HIGH LOW
REAL HIGH LOW
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海外オフィシャルサイト
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(PC&携帯共通)
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