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カテゴリ:企業統治( 102 )

社外取締役重視の風潮の裏にあるもの

半沢直樹を主人公とする小説でも、やり過ぎの感のある銀行への金融庁立ち入り検査が問題になっていましたが、それはドラマでのお話です。

ただ、現実の世界でも、その金融庁の影響力が、上場一般企業や会計監査人としての監査法人に対しても、間接的に監査役の仕事にも、大きくなりつつあるなと感ずるこの頃です。

株式会社等における、会社の設立、組織、運営及び管理について規定している「会社法」は法務省の所管です。

一方で、内閣府外局たる金融庁が所管するのが「金融商品取引法」です。金商法は大きく4つの章に分けることができますが、一般の株式会社に係る事項は、企業内容等の情報開示規制とインサイダー取引規制の2つです。残りの2つは、金融取引業者に対する規制、並びに金融商品取引所に対する規制です。

金商法の目的には、有価証券の発行及び金融商品の取引等云々とありますが、一般の株式会社に係る部分だけを取り出しますと、「上場株式等の発行及び取引等を公正にし、上場株式等の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十分な発揮による上場株式等の公正な価格形成を図り、もって国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする。」ということになります。

要するに、投資者保護目的のためにあるのが、金商法です。金融庁は、金商法の他、預金者保護目的の銀行法、保険契約者保護のための保険業法も所管しています。

「会社法」との棲み分けで、金融庁は本来、取締役会等の「会社機関」の構成に関してモノは言えないはずです。言えるのは、せいぜい証券取引所経由で有価証券報告書へ記載の情報開示強化にとどまるはずなのです。

ところが、法律ではありませんが上場会社にはニラミの効く証券取引所ルール(有価証券上場規程等)を通じて、いろいろと金融庁が口を挟んできています。

会社法で規定された社外取締役や社外監査役の社外要件より厳しい独立役員選定という規制で、上場会社に独立役員を選任/選定させ取引所に届け出ることを求めたり、コーポレートガバナンス・コードの適用を上場会社に求めたりしています。コーポレートガバナンス・コードでは特に会社の意思決定機関、取締役の監督機関として重要な取締役会の役割と責務に細かい原則(取締役会の役割と責務に係る基本原則、原則、補充原則を合わせると34の原則があります)を設定しています。その原則1つ1つについて、原則通りにしているか、していないならそれは何故かという説明が求められているのです。

社外取締役の選任は、会社法でも事実上導入というに近い改訂条文(2015年5月1日施行)が追加されました。こちらのコーポレートガバナンス・コードは、社外取締役は複数人が望ましいという補充原則から、さらに取締役会の構成人数の過半数を社外取締役にというところまで書き込まれています。取締役会での意思決定プロセスにおいても代表取締役等の業務執行監督という牽制機能においても、(独立)社外取締役の活躍を大いに鼓舞する仕組みがこのコーポレートガバナンス・コードから見て取れます。

会社法の経営に関する最重要機関である取締役会の構成員である社外取締役選任に関しては、金融庁の息のかかったコーポレート・ガバナンス法でその構成員の複数人化、過半数化まで促されているという感じです。

上場会社にとっては、会社法よりさらに微に入り細に入りのコーポレートガバナンス・コードの縛りが気になってくるわけです。

金融庁の影響力は、さらに監査法人にも大きく及んできています。不祥事がなかなか減少しない中、公認会計士・監査審査会の監査法人への検査が大変厳しくなってきていて、多くの監査法人が多かれ少なかれいろいろ指摘を受けているようです。

監査法人からの報告を聞くと、まるで銀行へ立ち入り検査をした金融庁さながらの細かい指摘が目立って驚かされました。監査の品質管理において相当細かい改善にも取り組まざるを得ない状況になっています。監査調書の記録1つにまで指示が入っている有様です。

それらの検査結果は、担当の会計監査人(=監査法人)によって株式会社の監査役へ報告され、一方、監査役は、最近の改正会社法で、会計監査人の評価を厳密に行うことが求められていますので、公認会計士・監査審査会の会計監査人への指摘事項への取り組み状況をモニターせざるを得ないということになってきています。

銀行の監査役から離れて、上場ITベンチャー企業の監査役になり、金融庁検査などの直接のプレッシャーから逃れられたかなと思いきや、間接的にですが、金融庁の影が、会社の機関設計(監査役が監査する取締役の職務執行の範囲を含めて)や監査役が行わなければならない会計監査人の評価にまで大きく覆いかぶさってきています。

金融庁が、生保、銀行、証券会社、金融商品市場だけでなく、コーポレートガバナンス・コードを通じての社外取締役の複数人化、取締役会の活性化のみならず、監査法人に対する立ち入り検査等で、事業法人(金融法人にはスチュワードシップコード)のガバナンスの領域にまでその影響力を各段に大きくしてきています。
by zoompac | 2016-08-17 05:26 | 企業統治 | Comments(0)

会計参与という名の会社機関

会社法の第2編の株式会社の第4章をみますと、そこには「機関」という項目があります。第1節~第11節に渡って、株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、会計監査人、監査当委員会、指名委員会等及び執行役と株式会社の各機関の定義、権限、義務等が規定されています。その機関の1つに、「会計参与」が含まれています。

会計参与を設置するかしないかは全くの任意かと思っていましたが、第327条の取締役会等の設置義務の条文の第2項に、「取締役会設置会社は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社についてはこの限りでない。」と規定されているのを発見しました。

この条文を裏返せば、「非公開会社の取締役会設置会社で監査役を置かない会社は、会計参与を設置しなければならない。」とも読めますね。

会計参与って会社の決算のお手伝いをする仕事のようですが、顧問税理士の仕事と何が違うのでしょうか。

会計参与の義務として、決算取締役会等への出席の他、会社執行部にコンプライアンスに係る重大な事実あった場合とか、決算報告書類作成あたって取締役と意見が異なったときには株主総会で報告しなければならないと規定されています。株主総会に提出する財務報告資料を会社に代わって作成するというのはいわば業務執行ですから、独立性と客観性が確保されているとはいい難い立場で、カドが立つ相当無理のある義務が課せられていますね。

現実問題、中小企業会社で税理士さんに決算報告書作成や税金の計算の手伝いをお願いしている会社で、どのくらいの割合の会社がこの会計参与という機関設計をしているのかイメージがわきませんでしたので、ネットで調べてみました。会計参与設置会社の数については憶測の域を出ないようですが、かなり限定的な数になるようです。

この会計参与という機関は、税理士協会の肝煎りで、会社法の機関の1つとして参入したいきさつ等を紹介した記事がありました。

会社さんにも顧問税理士さんも、会計参与を設置したときのメリットが明確でないことが、導入する数の少なさに反映されているようです。

税理士さんの中にも、頼まれても断るって意見を持っている方が少なくないようです。

会計参与の選任も他の機関同様、株主総会決議という建付けになっています。

旗を振った税理士協会も実態調査のためアンケートを実施しているようですが、回答結果もあまりぱっとしないようです。

全国400万という中小企業に「会計参与」という機関が、商法から独立した会社法(2006年施行)の目玉として紹介されてもう10年が経ちました。(税理士協会が)笛吹けど、誰も(期待したほど多くの会社が)踊らずって「会計参与」のお話でした。

会社法を開いて、監査役や監査役会、また監査役がその執行を監査することになっている取締役、取締役会の権利・義務等の項目をチェックする度に、何故か、取締役、取締役会と監査役、監査役会の間にこの会計監査って機関の条文が入り込んでいて、しかも、前の条文を準用することの多い会社法の便覧を複雑なものにしています。たとえば、第345条の会計参与等の選任等についての意見の陳述の条文に、株主総会における会計参与の選任若しくは解任又は辞任についての意見陳述の権利が規定されていますが、その条文の第4項に、その陳述権が監査役にも準用されると記してあります。この会社法条文は、会計参与等の等に監査役も含まれるということを理解していないと探すことができませんね。
by zoompac | 2016-07-29 05:35 | 企業統治 | Comments(0)

「なんちゃって第三者の目」でないことを望みます、舛添知事!

f0090954_7101311.jpg政治資金の支出先などをめぐり、今も次々に新たな疑惑が浮上している東京都の舛添要一知事ですが、先月末から、彼自身の言葉でいうところの「第三者の目での公正で厳正な」調査を弁護士2人に依頼しているようです。

自分自身で説明責任を果たしたいのでしょうが、誰も舛添氏の釈明に耳を傾けようとしないので、苦肉の策として事実調査のプロである弁護士に「第三者の目」で「不正支出」かどうかを調査をしてもらい、その結果を報告するということなのでしょうね。

会社の不祥事対応でよく、会社が説明責任を果たすために設置される「第三者委員会」があります。不祥事に対する調査をし、事実認定を行い、それを評価し原因を分析し、再発防止の提言を行います。

弁護士は、確かに事実調査のプロではありますが、同時にお金を払ってくれる依頼者の立場を守るという職業柄の習性もあります。

真に独立的な立場にたって依頼主に不利だとされる事実が明らかになったとして、それを報告書に記録するのかどうか、またそんな不利な調査結果を受けて依頼主がそのまま報告するのかどうかという問題が残ります。

今でこそ、各種の規律にガードされた「第三者委員会」制度ですが、2010年あたりまで、会社の言い分を焼き直しただけの杜撰な第三者委員会報告書が巷に溢れていました。実質は経営者の弁護団とも揶揄された「なんちゃって第三者委員会」が多かったのです。

それじゃあいかんということで、証券取引所や監視委員会からの指摘があり、日本弁護士連合会からガイドラインも出され、ある程度規律のある今日の第三者委員会制度が出来上がっています。

弁護士は、確かに事実調査のプロではありますが、同時にお金を払ってくれる依頼者の立場を守るという職業柄の習性もあります。 ある程度、牽制される仕組みが働かないと、俗にいうインセンティブのねじれから、どうしても委託者に有利な報告書を作成してしまうのではないかという疑いが残ります。

「自分がお金を払って調査を依頼する弁護士が、果たして『第三者の目』といえるのか」どうかという疑問をぶつけた記者もいたようですが、舛添氏からは調査結果を待ってからの一点張りの言葉が繰り返されただけだったようです。

イメージを第三者委員会に重ねようとして、「第三者の目」というフレーズを繰り返したようですが、その実態はどうなんでしょうね、お金を払って自分の立場を守ろうとしているだけなのではないことを祈ります。

いずれにせよ、どんな「第三者の目」の報告書が出てくるのかお手並み拝見ですね。

弁護士の氏名については調査終了まで公表しない方針を貫いているそうですが、上場企業の第三者委員会のメンバーは、選任プロセスで、取引所からそのメンバーの独立性、客観性などについて厳しいチェックが入ります。日頃から、その会社の業務執行にアドバイスを行っている顧問弁護士は利益相反アリとして第三者委員会のメンバーには認められないと聞いています。

そこら辺のプロセスを頬被りっていうのも、舛添知事らしいといえばそうなんですが、都民の信頼回復に向けて、しっかりとした説明責任は果たして欲しいですね。
by zoompac | 2016-06-05 07:10 | 企業統治 | Comments(0)

工事進行基準が何故会計不正の温床となるのか?

T社の不正会計ですっかり有名になってしまった「工事進行基準」について少し調べてみました。

「工事進行基準」は、土木、建築、造船など顧客の指図に基づいて行うもので、仕事の完成に対して対価が支払われる請負契約に係る工事収益及び工事原価を計上するタイミングや金額を決定する基準の1つです。

その認識基準には2つあり、もう1つは工事完成基準です。 こちらは工事が完成し、目的物の引き渡しを行った時点で工事収益及び工事原価を認識する方法で、利益操作の余地がありません。

それではT事件で粉飾の温床のように言われ、利益操作の余地がある「工事進行基準」とはどのようなもので、何故適用が許されているのでしょうか?

それは財務報告制度が通常1年という会計年度で企業の業績が株主や投資家に報告されるという期間損益計算方式に由来します。

たとえば4年で完成の工事を請け負って、工事完成基準を適用すれば1年めから3年目は工事にかかった費用は工業簿記・原価計算の仕掛品のような資産勘定「未成工事支出金」に累積計上される一方収益ゼロです。 4年目に工事が完了して、売上原価に相当する工事原価と売上に相当する工事収益が認識されるのです。 この方法では、しかし、工事が完了する4年目以外の3年はこの工事に関して1円も稼いでいない損益計算書となってしまうのです。

そうした業績の歪みを無くし、4年の工事の損益を期間配分する手段として会計基準に認められているのが工事進行基準なのです。

ただし、①工事収益総額、②工事原価総額、③決算日における工事進捗度の各要素について信頼性のある見積もりができることで、進捗部分の成果の確実性が認められるという条件付きなのです。

ただ、この信頼性のある見積もりという部分、解釈の判断が曖昧すぎる問題を残しています。 工事の専門知識のない会計士には悩ましいところです。

この工事進行基準で、たとえば3年間の工事収益総額(=契約金額)が150,000円、X1年の実際発生工事原価が12,000円、X1年決算時時点での翌期以降完成までの工事原価見積額を108,000円とします。 そうすると見積工事原価総額はX1年の12,000+108,000=120,000になります。

このまま工事が見積もり通りに進めば、3年で30,000円の利益を生む工事契約ですね。 それをX1年に配分される利益計上計算に工事進捗度の考えを取り入れるのが工事進行基準の特徴です。

今期発生工事原価12,000を工事完了までの工事原価見積合算総額120,000で割ると、工事進捗率10%が計算できます。この工事進捗率10%を工事収益総額の150.000に当てはめると、今期の工事収益は15,000になります。
この15,000から発生工事原価12,000を引いた3,000が今季の工事利益となります。

もし会社が今期X1の利益を大きくしろという社長命令/チャレンジに対応するにはどうすればよいのでしょうか? 翌期以降の工事原価総額を過少に見積もればよいのです。 たとえば上の例で見積もった108,000から金額を下げて88,000と見積もったらどうなるでしょうか?

見積工事原価総額は12,000+88,000=100,000となり、工事進捗度は12,000/100,000=12%になります。 今期の工事収益は工事収益総額X進捗度ですから150,000X12%=18,000となり、したがって工事利益が18,000-12,000=6,000となり、先の計算より倍増されたことになりました。

要するに、工事進行基準では、見積原価の過少計上で、工事進捗度を上げ、当期の売上と利益を過大に操作することが簡単にできてしまうのです。

建物とか橋の工事であればある程度黙視で進捗状況を掴むことが可能ですが、これがソフトウェア開発業務となると外見からほとんどその進捗状況が判別できません。(「会計士は見た!」前川修満著のP.202より抜粋)

と、いうことは利益の大きさを左右する工事進捗度の決定がマネジメントの恣意的判断によって決まるということになるのです。

このようにして見積もり工事原価は過少計上することで、今期工事原価/見積原価を含む工事原価総額で表される工事進捗率を早め、その進捗度が反映される今期売上は過大計上され、利益も過大表示されます。

これは一種利益の先食いですから、完成に近づくにあたって工事原価の実態の数字はもはや過少見積もりの金額と合わなくなってきて、先食いした利益の反動で赤字になったりします。

すなわち、1期め2期めに過大な利益を計上すると、利益の先食いしたわけですから、3期めの工事完成時点では過大計上の調整で赤字になる可能性が大きいわけです。

T社のケースがそうだということは確認できていませんが、 長年に渡って工事進行基準の不正が行われる場合、異なる工事案件を立ち上げてそちらへ問題の工事原価を付け替える不正会計の事例も珍しくないようです。 他の工事へ工事原価の一部を付け替える場合の多くは二重帳簿が作成されるようです。 特に工事に下請け業者や子会社などを使っている場合には共謀によって不適切な原価処理する手口も珍しくありません。

トップダウンによって、社長からチャレンジと称して、経営陣が収益改善を強要すれば、現場としては創意工夫して数字を創るしかないですよね。 工事進行基準が適用できる工事契約が大いに活用されたということでしょう。

そのように不正リスクの高い分野で、長年の利益操作を見抜けなかったことでT社の会計監査人であるS社に2新規業務3ヶ月停止、課徴金20億円の支払が金融庁から命ぜられました。

その他、商品価値の低下した在庫に対する評価損の未計上(あるいは先送り)も問題になっていました。 これには売上原価の計算を、期首商品、仕入、期末商品で行う三分法の説明が必要なのでまたの機会に・・・・。

今後、T社の業績が赤字転落という状況が2期、3期と続くとなると、繰り延べ税金資産の計上が認められなくなるとか、企業買収した結果の「のれん」の減損処理の問題からも目が離せません。
by zoompac | 2015-12-30 08:46 | 企業統治 | Comments(0)

労務リスクの高まり

労働法の改正が相次いでいます。

ざっと見渡しただけでも、パートタイム労働法、次世代育成支援法、障害者雇用促進法、労働契約法特別措置法、改正労働者派遣法、ストレスチェック制度導入等です。

パートタイム労働者、契約労働者にも正社員同様の就業規則等をきちんと定め、できるだけ差別的取扱いをしないような制限がパートタイム労働法に盛り込まれています。待遇を相違させる場合は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して不合理とならないようにする雇用管理体制の整備・構築が謳われています。社内に労働相談窓口を設けるというのもそうした雇用管理体制の一環です。契約社員や派遣労働者への正社員の道を開くということも奨励されています。

正社員は簡単に解雇できないけど、アルバイトはいつでも簡単にクビにできるという考え方をもった経営者の人は考え方を改めなければなりません。

派遣労働者の雇用安定やキャリア形成支援に関して、派遣元企業に、努力目標から転じて義務付けられる項目が増加しました。たとえば、継続して3年の派遣期間終了の派遣労働者に対し、派遣元企業は派遣先企業へ直接雇用を依頼すること等、派遣労働者に対する雇用安定化に向けての努力が求められています。 一方、派遣先企業が派遣労働者が従事していた業務で新たに求人募集するときはその派遣労働者にも周知することが求められます。

労働安全法の一部改正により、ストレスチェック制度も2016年には企業で導入することが義務付けられました。個人情報としてかなり繊細な扱いが要求されるので企業の人事・労務担当者も一苦労です。社内の産業医さんに依頼するのか人間ドッグ同様外部の専門医にお願いするのか、費用と個人情報保護管理の煩雑さを睨みながら、衛生委員会のメンバーさん達も実施計画作成、方針決定、計画実施に向けて忙しくなりそうですね。

マイナンバー制対応、労働法改正に対応した就業規則の更新・改訂・新設等も重なり、来年はどの企業においても労務の仕事に追われる1年となりそうです。

さらに、労働基準法等の一部を改正する法律案等が審議中のものもありますよ。60時間超えの時間外労働の割増賃金の引き上げ、時間外労働に対する助言指導、一定日数の年次有給休暇の確実な取得等、基本的に長時間労働抑制・年次有給休暇取得促進という方向で作成された法案です。

ワーキングプアの蟻地獄と評された非正規労働者の諸問題や広がる労働者の格差の問題等、労働環境の改善に向けて今後も労働法改正の動きは拍車をかけてきそうです。 企業の人事・労務担当者だけでなく、企業コンプライアンス担当者にとっても労務リスク対応には気が休まる時がありませんね。
by zoompac | 2015-12-10 05:52 | 企業統治 | Comments(0)

実効税率のお話

実効税率という言葉があります。

法人税や住民税は損金算入されないのに対し事業税は支払い時に損金算入が認められるのです。
そうした効果を勘案して計算された税額の課税所得に対する割合を実効税率と呼んでいます。
要するに企業の利益のうちどのくらいの割合を税金として納めるかを示した数値です。

アベノミクスの掛け声の下、企業は歴史的に欧米諸国の企業に比べて低いROE(株主資本利益率)を海外投資の観点からも魅力的な水準に高める努力を促されています。

ただこの計算式で使用される利益(Return)は税引後利益なのです。企業が国際的にも十分魅力あるROEを達成するには、国もがんばって法人実効税率を下げる必要があります。

まさに官民一体となって、ROEを高める努力をしているって感じですね。

その実効税率は、法人税率の引き下げなどによって、平成26年の34.62%から平成27年には32.11%にすでに下がっています。平成28年には住民税、事業税引き下げでさらに31.33%にまで下げる予定です。財務省発表の税制改正の概要というパンフレットによりますと、以後数年で、法人実効税率を20%台にまで引き下げることを目指しているようです。

実効税率の内訳は次のようになっています。

大会社(会社法では資本金5億円以上ですが、税法上の大会社は資本金1億円以上です)の場合
平成26年度実効税率34.62%:内訳=法人税25.5%+住民税(道府県民税5%+市長民税12.3%)+事業税7.2%
平成27年度実効税率32.11%:内訳=法人税23.9%+地方法人税率4.4%、住民税(道府県民税3.2%+市長民税9.7%)+事業税6.0%
平成28年度実効税率31.33%:内訳=法人税23.9%+地方法人税率4.4%、住民税(道府県民税3.2%+市長民税9.7%)+事業税4.8%

法定実効税率=法人税率(1+地方法人税率+住民税率)+地方法人特別税率X事業税率+事業税率 /1+地方法人特別税率X事業税率+事業税率

最近の報道によりますと、法人税29%台への予定を1年前倒しするとのことでしたが、今朝の新聞によると、上記の平成28年度に計画された31.33%の実効税率を29.97%にするという具体的な数字が発表されていました。

その実効税率引き下げにはおよそ4000億円必要と見積もられているようですが、その財源を外形標準課税の大幅な拡大によってひねり出そうとしているようです。

法人事業税の構成に占める外形標準課税の割合が上がると、業績好調の企業にとっては減税になりますが、赤字企業の負担は増加します。

稼ぐ意欲を高めようとの意図はわかりますが、外形標準課税の対象となる資本金1億円以上の採算ぎりぎりの下町ロケット企業は大変なことになってしまいますね。
by zoompac | 2015-12-03 05:36 | 企業統治 | Comments(0)

監査当委員会制度、妥協の産物、or 起死回生の奇策?

「時間が必ず解決するのよ♪ どんなに苦しい出来事だって♪」という歌がありました。
男と女の恋愛ごとの歌でしたが、今回の日本の監査役会制度が雪崩に打たれるようにして監査等委員会制度に移行してしまうかもしれない会社法改正を前に、不埒ながらつい口ずさんでしまいました。

エクソダスとは、十戒の映画に代表される民族大移動ですが、5年後、10年後には監査当委員会制度に移行することによって監査役制度が消滅しているかもしれないですね。

水を飲みたくない牛が、法令という鞭にたたかれながら、無理やり池に連れてこられたって感じです。そのうちのどが渇くので飲まざるを得ないのでしょうけど・・・。それをいうなら、時間の解決ではなく、時間の問題と表現したほうが正しいのかもしれません。

日本の「監査役制度」は、日本独自の制度として海外投資家からなかなか理解してもらえません。監査役が取締役会に出席して意見具申するだけで、議決権をもたないという点に違和感を覚えるようです。その違和感は、経営者に対する人事権も報酬決定権ももたない監査役が、実効性のある企業統治、言い換えれば経営者に対する効果的な牽制をできるわけがないという彼らの常識に端を発しているようです。

この議論は今に始まったことではなく、今の2006年施行会社法から、機関設計として監査役会型にするか監査委員会型にするかの選択肢は与えられていました。

ただ、監査委員会型(今度の会社法改正で、監査等委員会と区別するため指名委員会等と名称変更になりました)だと、強制的に指名委員会、報酬委員会も設置せねばならなくなり、従来の社長さんや取締役が取締役会で決議して、なかば自動的に株主総会で承認可決されている役員選任や報酬を、いわば部外者である社外取締役に委ねることになるという観点から非常に不人気でした。

そこで、監査役会制度と監査委員会制度(指名委員会等制度)の折衷案として出されてきたのが監査等委員会制度です。監査等委員会制度であれば、指名委員会や報酬委員会の設置は強制ではありません。ただ、監査役会制度との併用は禁じられていますので、監査等委員会設置を機関設計として選択するのであれば、監査役会は廃止、監査役は退任ということになります。

今回の会社法改正も証券取引所のコーポレート・ガバナンス・コードも機関投資家のスチュワードシップ・コードからも、浮かび上がる方向性の矢印が指示しているのは、ガバナンスの国際化(監査役という日本独自のローカル制度から社外取締役による牽制を中心とするグローバルスタンダードな企業統治) + 攻めのガバナンス(法令遵守やリスク管理強化に固執するのではなく、それらを前提としたうえで企業価値を高める目標達成に向けての監視・監督)です。ということで、監査等委員会設置という第3の選択肢が生まれたことが今回の会社法改訂の中の特筆に値する目玉です。

攻めのガバナンスの謳い文句の下で、社外取締役を選任しようにもなかなか市場に人材はいませんが、監査役会から機関設計を監査等委員会設置に変更することによって、監査役会の過半数すなわち2人以上の社外監査役は社外取締役に横滑りできるわけです。

最低でも3人で構成される監査役会のうち2人は社外要件を満たしていますので、監査等委員会に機関設計を変えることで、新たに社外取締役を探さなくとも自動的に社外取締役が最低でも2名確保できるのです。

監査の仕事という点ではさほど監査等委員の仕事が監査役の仕事と大きく変わることはありませんが、攻めのガバナンスという観点からは、社外取締役になられる監査役さんは経営者と同じ土俵に立った視野をもつことが要求されます。マネジメントを経験された監査役とそうでない監査役とでは差があるかもしれませんし、そうした新たな役割を全うできる資質というものも求められると思います。

経営の監視とは、代表取締役会長・社長の経営ぶりや言動を監視・検証し、問題があれば指摘し改めてもらうということで、それが攻めのガバナンスに要求されているとすれば、入り口として監査役会と監査等委員会の箱が似通っているからといって安易に機関変更で済む問題ではないはずです。攻めのガバナンスが気合いとか掛け声倒れにならないよう監査役にも意識改革と教育・研修が求められることになりそうです。

いずれにせよ監査等委員会制度の方が、外人投資家から見て、なじみの薄い監査役制度より、社外取締役の監視・監督という仕組みが前面に出ていてわかりやすいという利点はあります。

コーポレート・ガバナンス・コードによりますと、上場会社は取締役総数の3分の1以上の社外取締役選任を方針とするよう推奨しています。スチュワードシップ・コードという機関投資家サイドから圧力、ISS等の議決権代行サービス会社からの外圧、法令や規則による縛りで、複数の社外取締役任命を模索する企業にとってこの機関変更は何とも魅力的な抜本的解決策に思えるのではないでしょうか。 内実より形からとすれば、背に腹かえられないですよね。

一部の会社(2月20日時点で9社)では、5月1日施行となる会社法改正をにらんで、現在の「監査役設置会社」から「監査等委員会設置会社」へ移行する方針をすでに取締役会決議しているようです。移行理由には、「監査・監督機能の強化と業務執行の責任明確化」とか「グローバルな視点から理解を得やすい統治体制を目指す」とかがあがっています。

さすがに、「監査等委員会設置会社へ移行することで、社外役員が節約できる上、常勤が要らない(監査等委員には監査役と違って法的に常勤という縛りはありません)し、そのうえ監査役の任期4年に対して任期2年なので柔軟な人事に対応できる。おまけに独任制と言う恐ろしい制度が廃され、利益相反取引の事前承認による任務懈怠推定の排除という飴ちゃんももらえるし、守りのガバナンスの権化のようなコンプラおたくの監査役を「攻めのガバナンス」に向かないからと排除できる。」といった本音ベースの理由は見当たらないようです。

何が何でも、国外からの資金流入を促進したいアベノミクスにとって、攻めのガバナンスと外国人投資家から見てよりわかりやすいガバナンスの普及という点で一石二鳥の奇策と思えますが、うまくいきますかどうか?
時間が解決するのでしょうか、それとも時間の問題でしょうか?
by zoompac | 2015-02-28 07:44 | 企業統治 | Comments(0)

攻めのガバナンス

2月22日日曜日の日経朝刊の一面の「社外取締役2人以上に、東証、6月に新ルール」という記事に続いて2月25日水曜日の日経朝刊の一面にデカデカと「攻めの経営へ外部から知恵」という記事が続き、いよいよ2015年という年が、後々振り返ってみれば、日本の会社文化に大きくインパクトを与える「社外取締役元年」と呼ばれることになるかもしれません。

日経新聞の見出しにもあるように、目指すところは”攻めのガバナンス”です。”攻めのガバナンス”という言葉はアベノミクスの「3本の矢」、すなわち、1本目の矢”大胆な金融政策”、2本目の矢”機動的な財政政策”、3本目の矢”民間投資を喚起する成長戦略”のうちの3本目の成長戦略におけるキーワードです。

ニュースでは「攻めのガバナンス」という言葉が次のように引用されています。

「金融庁・東証は、政府が成長戦略に掲げる「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)の基本的な考え方について、最終原案を公表した。上場企業に独立社外取締役の複数選任を求めたことが柱。意見公募(俗にパブリックコメントとか縮めてパブコメと呼ばれます)、東証での制度整備を経て、来年6月1日からの適用が想定されている。持続的な成長を目指して迅速・果断に意思決定できる「攻めのガバナンス」の構築に向け、上場企業は早期の態勢整備が求められる。」

アベノミクスの下で作成された「日本再興戦略」の冒頭から、日本の「稼ぐ力」を取り戻すと謳っています。そのためには企業の生産性の向上が不可欠で、したがって企業のコーポレートガバナンスは稼ぐ力を向上させるためのガバナンス、すなわち”攻めのガバナンス”に切り替える必要があるというわけです。

具体的に”攻めのガバナンス”を論じる前に、反対に切り替える前の”守りのガバナンス”とはどういうことかを考えてみます。

守りのガバナンスとは、株主から会社経営を委託された経営者が暴走しないよう会社の利益を第一に考え安全運転するよう牽制する体制・・・という概念で大きく外れてはいないと思います。それは経営者と会社の利益相反ににらみをきかせ、その一方会社の業務が適正に運営されるよう、不祥事防止とかリスク管理に重きを置くものでした。イメージとしては、経営が暴走しないよう経営というアクセルに対してブレーキという牽制を期待したガバナンスでした。 業務執行取締役を行政を司る内閣に例えるなら、重要な会社の業務の意思決定を司る取締役会は国会で、意思決定された業務を決定通り業務執行取締役が遂行しているかどうか、法令順守違反はないかという監督・監視を取締役会が、また監査を監査役会が実施している構図です。 ちょっと言葉の意味合いは違いますが、この監督・監視、そして監査を司法に例えるとすれば、企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)はこのような三権分立構造になっているというわけです。

そういう切り口から言うと、攻めのガバナンスは、経営というアクセルに対して、ヘッドライトというイメージだと思います。内部統制システムが実効性があるうちはあまりブレーキを踏む必要はありません。あくまでも内部統制システムの構築、運用がうまくいっているということが前提ですが、稼ぐため、ある程度のリスクを取って、ブレーキは多用せず、業務執行取締役がスピードを落とさず走り抜けられるようなガバナンスを構築することだと思います。先ほどの三権分立で申し上げた取締役会を構築する業務執行取締役と非業務執行取締役(すなわち社外取締役)の割合のうちの非業務取締役(社外取締役)を増やし、意思決定、特に中期事業計画等の立案が投資家に魅力のある成長性を目指しているか等にも社外取締役の意見を大いに反映させ、その事業計画に基づいた業務執行取締役のパーフォーマンスを社外取締役によりシビアに監視・監督させようとする意図がこの「攻めのガバナンス」にあるのです。

そのためには、業務執行取締役の報酬や選任権にもこの社外取締役に大きな権限をもたせるべく、東証が上場会社に適用を促す「コーポレート・ガバナンス・コード」は複数の社外取締役選任を謳っています。内部統制システムの有効性を高め、その上で、会社が目指す利益率や事業計画作成にモノ申し、会社が従業員のパーフォーマンスを評価するように、社外取締役が企業の中長期計画実施状況ををみながら、業務執行取締役のパーフォーマンスを評価し、その評価に応じて取締役の報酬決定により大きな影響力をもち、また再任、不再任の意思決定にも関与するという、まさに株主目線に立った稼ぐための企業統治体制、すなわち”攻めのガバナンス”への変貌が求められているということになるのです。

複数社外取締役選任には、機関投資家への議決権行使助言会社として有名なISSも来年あたり乗り出してきそうです。
by zoompac | 2015-02-27 06:04 | 企業統治 | Comments(0)

情報漏洩に関する会社のリスクについて

今週末、日本アカデミー賞の発表があります。主演女優賞ですが、個人的には映画「紙の月」の宮沢りえです。彼女が横領・窃盗事件に堕ちてゆく演技が光っていました。

魔がさすというか、とりあえず集金したお金で化粧品を買って、後で返せば問題にならないと自分を納得させます。そして返す段になると、今までばれなかったのだからこれからも大丈夫という気持ちになるのです。ここで返すか否かが分岐点でした。

雪だるま式に勝手に拝借した金額が膨らみ、ついに偽の証書を作成し、顧客から受け取った預金をネコババするということになります。

お金は所有権がはっきりしているので問答無用で窃盗とか横領の罪が問われます。

会社が「営業秘密」としている電子データはどうでしょうか。

メールに添付して送り、ダウンロードして自宅のPCに取り入れても会社のサーバーにあるデーターが紛失するわけではありません。業務上の必要性とか便宜性という言い訳もしやすいので少なくとも罪の意識というのは希薄だと思われます。

こうしたデータはそのままだといいのですが、名簿屋さんに売られたり、その人が転職して他の会社で使われたりして、発覚しないケースも多いと思われますが、その情報源が発覚すると問題になります。

ただ、電子データ等は、法律専門用語の「無体物」という分類になり、民法上の所有権等の対象にならないという問題があります。

だから電子データ等を盗まれても所有権を根拠とした返還請求が簡単にできないのです。変な話ですね。

では、元従業員等に電子データを盗まれて、外部流出を発見した会社はどうするのでしょうか?

今の日本の法制度では、こうした情報漏洩問題に対処するには、著作権法、特許法、商標法、実用新案法等で特定される情報を除いて一般的には「不正競争防止法」を使うしかないのが現状です。

流出したデータが、営業秘密であってその秘密情報がライバル会社に渡る等不当な利用をされては会社の競争力に悪影響を与えるので、その「不正競争防止法」を根拠に、その情報を返せとか消去せよとかの要求をするのです。

しかし、その電子データ等がその会社の営業秘密であることを立証しなくてはならないのでハードルが高く使い勝手が悪いと不評の法律のようです。

3つのハードルがあります。①秘密管理性、②有用性、③非公知性です。

特に、秘密管理性の問題がやっかいです。法律上の概念なので、ビジネス上の配慮が効きません。

たとえば、研究開発データ等は研究開発部の一部の社員しかアクセス権が認められない等厳重な管理という概念になじみますが、顧客情報データベース等は、社員の多くが日常的業務で使っており、さらに派遣社員まで使っているということになれば、厳重な管理という観点から、秘密性等が裁判所から認められにくいという問題を抱えています。

日常多くの社員が使う情報となるとアクセス権の制限や情報の秘密保持ということがどうしても犠牲にされてしまいます。ある程度そうした管理を妥協しないと日常の業務が回りません。しかし、裁判官の目線では、そうした状況は、会社が主張する「営業秘密」と判断するには、秘密管理性の要件を満たしていないとの判断になってしまうのです。

秘密管理性という概念に対して、裁判所の判断と会社の業務執行責任者の間での温度差が生じやすいということです。

もう一度言葉を変えて言うと、秘密情報が漏洩すること自体会社の管理の失敗と見なされ、たとえば会社の業務執行責任者がいくら「営業秘密」を主張しても、それらの情報が社員のPCで野放図に持ち出せることを許している程度の管理であれば、裁判所からその情報の秘密管理性を否定され、したがってその情報が営業秘密であるということにならなくなってしまいます。

仕事の便宜や効率性を考えれば、裁判官の概念でいうところの秘密管理のハードルが超えられないということであれば、すくなくとも自社の社員や派遣社員、その他協力会社の社員から秘密保持契約や誓約書によって企業の営業秘密の規定や、持ち出した場合その相対契約に基づいて会社の返還請求権を明確にしておくことが肝要です。

少なくとも、会社と従業員の間には会社定義の「営業秘密」の内容理解が明らかになっており、何らかのトラブルが発生したとき、会社がその所有権を主張できるような契約を結んでおかないと、あてにできない「不正競争防止法」に頼らざるを得ないというリスクを無防備に抱えることになります。

また、よしんば、そういう手立てを講じる前に、情報漏洩が起きた場合は、裁判で勝つ負けるはともかくとして(営業秘密に該当するかどうかを立証できるかどうかはともかくとして)、情報漏洩問題に関する業務執行取締役の善管注意義務として、事後対応として、とりあえず不正競争防止法の差止請求は被告に対するメッセージとして出しておく必要があります。さもなければ情報の拡散という二次災害が起きてしまいます。漏洩情報回収の努力は世間にアピールする必要があるということです。
by zoompac | 2015-02-25 05:37 | 企業統治 | Comments(0)

会社役員の損害賠償責任と保険について

会社役員の経営判断(業務遂行)には大きな責任が伴います。経営判断するのは業務執行役員ということなので、ここで使っている会社役員はイコール業務執行取締役と考えてください。(監査役や社外取締役も役員ですが、一応非業務執行役員なので、話を簡単にするために、この損害賠償責任の対象外と仮定します。)

損害賠償責任の対象ですが、第三者と会社に大別されます。

役員の第三者(取引先や株主等)に対する損害賠償責任は会社法429条で規定されています。
「役員等がその職務を行なうについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」

会社が損害賠償を役員(取締役)に対して提訴請求するときは、会社を代表するのは代表取締役ではなく監査役になるか、あるいは株主になります。

後者を株主代表訴訟と呼びますが、手続上、その提訴請求株主は、会社の監査役に、会社として監査役が該当取締役等を提訴するかどうかを尋ね、60日以内の監査役の結論を待って、監査役が不提訴という結論を出したときに、はじめて株主が会社を代表する株主代表訴訟を提起することになります。

この場合、株主はあくまでも会社を代表としていますので、勝訴しても役員が払う賠償金は株主ではなく会社が受け取ります。 そして、株主原告が費やした弁護士報酬等の相当額を会社が払うに過ぎないのです。

役員の会社に対する損害賠償責任は会社法423条に規定されています。
「役員等(取締役、監査役、会計監査人等)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」

その任務懈怠の対象は、次の5つの義務に分類されます。1)善管注意義務、2)忠実義務、3)競業避止義務、4)利益相反取引回避義務、5)監視・監督義務です。

会社に対する損害賠償責任をもう一度整理します。

次の2つのケースが考えられます。まずは会社が役員を訴えるケースです。この場合は新経営陣が旧経営陣を訴えるのが一般的です・・・そして会社が取締役を訴える、あるいは取締役が会社を訴える場合、会社を代表するのは監査役です。従って、会社が取締役を受ける場合の会社は新経営陣からの提訴請求を受けた監査役となります。

もう1つは上で説明させてもらいましたが、株主が会社に代わって会社を代表し会社法847条を根拠として役員に対して損害賠償を求める訴えを提起するものです。

株主代表訴訟の根拠法の会社法847条は次のように規定されています。
「6か月前から引き続き株式を有する株主は、会社に対し所定の事項を記載した書面の提出等で、取締役等役員の責任を追及する訴え等の提起を請求することができる。」

役員を取り巻く訴訟リスクに備えて、会社役員賠償責任保険(通称D&O保険:Directors'and Officers' Liability Insurance)があります。

第三者に対する損害賠償や会社に対する損害賠償のうち、株主代表訴訟だけがカバーされます。

会社が役員を訴えた場合はこの保険の補償の対象になりません。会社として訴えるかどうかはほとんどの場合、監査役にその判断が委ねられますので監査役がそうした判断を下した場合は、訴えられた役員の損害賠償責任に対して、会社が訴えるということですので、会社が掛けた保険は対象外となります。 独任制とはいえ監査役の判断にプレッシャーがかかるところです。
by zoompac | 2015-02-21 07:01 | 企業統治 | Comments(0)
RELEASE INFORMATION NEW ALBUM

[通常盤]「Now On Sale!!」
TOCP-66380/¥2,548(税込)

[DVD付 初回生産限定盤]
「Now On Sale!!」
TOCP-66381/¥3,500(税込)

NEW SINGLE
WMP HIGH LOW
REAL HIGH LOW
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海外オフィシャルサイト
http://www.gorillaz.com/
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