舟橋聖一の作でNHKの最初の日曜歴史ドラマの原作です。
村山たかを淡島千影が演じていたそうです。村山たかは諸田玲子の日経夕刊連載の”奸婦にあらず”でも有名になりました。うちは若君はんのためだけに生きとおすと言って、一途な恋情を若君(井伊直弼)との志に変え、幕末を生き抜いた忍びの女の物語でした。
船橋聖一の花の生涯では、村山たかは浮気性な男好きのするいい女と描かれています。こちらの小説は井伊直弼とタウンゼント・ハリス等の交渉駆け引きや、水戸斉昭派と井伊派の争い、京都の公家連中の駆け引きなどがよく描けていました。篤姫もちょっと登場していました。今年のNHKドラマの舞台裏知識が増えました。
井伊直弼は公武合体の画策も手がけておりましたが、和宮と家茂の婚礼前に桜田門外の変に倒れてしまいました。花の生涯では桜田門外の変あたりで終わっており、公武合体あたりの話は描かれていませんでした。こちらはTVの篤姫で詳しく描かれるものと思われます。