個人的には井伊直政を演じる菅田将暉が登場した後半になって面白くなってきたと感じた「女城主直虎」でしたが、平均視聴率は結局12.8%で低迷したようです。 12.0%だった「平清盛」や同じく12.0%だった「花燃ゆ」より辛うじて上だったという結果でした。
私には特に「本能寺の変」に向けての物語の展開が新鮮で面白かったです。
明智光秀の次男とも五男ともいわれる「自然(じねん)」(写真)なる子が、井伊谷に現れます。
織田信長が徳川家康を家臣共々京の本能寺に招くことになりますが、その裏には家康を謀殺する計画があることが、光秀から家康に明かされます。
その機会を捉え、逆に信長を殺害する計画を打ち明ける光秀が、家康との共謀に人質として預けられたのが「自然」という幼子でした。
この子がやがて家康の懐刀「天海僧正」となれば面白いなと思っていたのですが、さすがにそれは飛躍しすぎだったようです。
ドラマの中では、最終的に自然(じねん)は「悦岫(えっしゅう)」の名をもらい龍潭寺の僧になっています。
龍潭寺には「悦岫永怡(えっしゅうえいい)」という住職が実在し、悦岫永怡(えっしゅうえいい)は織田信長の子であったととの言い伝えがあり、信長から悦岫永怡に与えられた建蓋禾目天目茶碗が町指定文化財となっているようです。
後日、明智光秀の家臣だった斎藤利三の娘「福(ふく)」で後に徳川家光の乳母となる春日の局と会ったとき、「久しぶり」という挨拶を交わしたというエピソードもあり、悦岫永怡の出自にも謎が多いようです。
女城主直虎の脚本では、「自然」を登場させることで、そのあたりの興味を掻き立ててくれました。