2017年度下半期放送のNHK「連続テレビ小説」第97作目の作品は「わろてんか」です。2017年10月2日から2018年3月31日に放送される予定となっています。
ヒロインの藤岡てんは、吉本興業の創業者吉本せいがモデルです。明治後期から第二次世界大戦終了直後の大阪を舞台に、彼女の寄席経営に挑む姿を描いています。
京の老舗・薬問屋の娘「てん」(葵わかな )は俗にゲラと呼ばれる笑い上戸です。一方、「藤吉」(松坂桃李)は笑いが好きなのですが芸の才能のない旅芸人です。 実は大阪の老舗の米問屋のぼんぼんです。
「てん」の幼少期を「直虎」の子役を演じた新井美羽が務めます。「直虎」の子役の音羽のイメージを払拭するのに苦労しそうですね。「直虎」と言えば高橋一生も青年実業家役で「わろてんか」にキャスティングされています。
吉本せいをモデルにした小説では、山崎豊子の直木賞受賞作「花のれん」が有名ですが、これがTVドラマの原作ではないようです。
戦前の上方の寄席小屋や大阪商人の世界を、商売一筋に生きた一人の女性の人生に沿って情緒豊かに描いているようです。 山崎豊子の「花のれん」には、桂春団治、エンタツ・アチャコなども実名で登場していたそうですが、この「わろてんか」ではどうなのでしょうか。
上方(大阪)は、素人さん・一般の人達が、日常の中に「笑い」と共に暮らしています。だから、お笑い芸人の芸に対しては皆辛口です。「あんなんやったら、わいの方がなんぼかおもろいでぇ~。」と自分たちの日常レベルに引き下げて比較されるのだそうです。
笑いに関しては、玄人と素人の間の敷居が低いようです。
笑い上戸女子が、そんな笑いの単価が低い(笑いを商売にし辛い)大阪という街でどのようにして寄席経営を成功させていくのでしょうか? 楽しみですね。
これを機会に、山崎豊子の「花のれん」を読んでみたいと思っています。