私には海の美しい映像が印象に残ったのですが、その共感を得ようとして尋ねたお孫嬢のこの映画を観た直後の感想は「こわ~い!」でした。
族長の娘モアナはお姫様なのですが、ロマンティックな夢見る乙女ではなく冒険心に溢れた行動派女子です。
島の危機を救うため、モアナは生まれ育った島を離れ冒険の旅へ出ます。
おばあさんから語り継がれた古い物語から、かつて世界を生んだ命の女神テ・フィティの心が、伝説の英雄と言われた半神マウイによって盗まれ、世界に闇が広がりました。島の作物や海の魚たちに異変を起こした闇から世界を救うには、いまもどこかで生きているマウイを探し出し、テ・フィティの心を象徴する宝石を元あった場所(女神テ・フィティの島)に戻すことが必要だと知り、父親の反対を押し切り大海原に旅立ったのです。
途中からモアナとマウイの二人芝居を観ているような様相になりますが、次々起こる困難を克服し、ハッピー・エンドを迎えるお約束通りの映画でした。
「アナと雪の女王」の雪景色が、南海の海に変わり、物語はアナ雪に比べたらよりシンプルになったと思ったのですが、お孫嬢にすれば、「アナ雪」方がよかったということになるらしいです。
お孫嬢が怖かったとするのは、テ・フィティの心を狙うココナッツの海賊カカモラの一団の襲撃でしょうか、それとも海底にある魔物の国「ラロタイ」で暮らす、体長15.2mの巨大なヤシガニだったのでしょうか。
私もちょっと怖いなと思ったのは、溶岩の悪魔テ・カァです。 テ・カァはマウイにより「心」を奪われた女神テ・フィティの別の姿でした。海しかなかったこの世界に島、植物、動物を誕生させた命の女神テ・フィティ は、「心」を奪われたため溶岩の悪魔テ・カァに姿を変えると、我を忘れて世界に闇を広げてきたのです。 そして、女神テ・フィティは、緑の植物に覆われた巨大な島そのものなのですが、モアナとマウイが「心」の宝石を返そうとしたとき立ちはだかったのが巨大な溶岩島と一体化した溶岩の悪魔テ・カァでした。
6歳のお孫嬢には海の美しさや世界に緑と命を取り戻したモアナの勇気ある大冒険より、ココナツの海賊、巨大なヤシガニ、溶岩の悪魔への恐怖感が印象に残ったようです。 彼女が泳げないということも恐怖感を余計にあおったのかもしれません。
モアナ役の屋比久知奈は大規模なオーディションで選ばれ、主題歌『どこまでも~How Far I’ll Go~』などを劇中で熱唱しています。モアナと一緒に冒険の旅に出る伝説の英雄マウイの声を尾上松也、モアナを見守るタラおばあちゃんを夏木マリが演じ、それぞれ歌を披露していました。
日本での興行収入は、3月10日公開の1週間は1位でしたが、翌週に「SING/シング」が公開された後の3週間は、SING/シングにトップの座を明け渡し、2位に甘んじています。(「王様のブランチ」のランキング情報です。)
それにしても、今年の映画は、「ラ・ラ・ランド」のミュージカルに始まり、「モアナと伝説の海」、「SING/シング」と、歌を前面に出した映画のヒットが続いていますね。
4月21日には、ディズニー・アニメーションの人気作をディズニー自ら実写化したミュージカル映画「美女と野獣」も公開が予定されています。 ラ・ラ・ランドのエマ・ストーンに続いて「美女と野獣」のエマ・ワトソンも活躍してくれそうです。
浦安の東京ディズニーランドにも、「美女と野獣」エリアが誕生する(2020年までに?)ということもニュースで流れていました。