飛び込み界の“金の卵”が、能力の片りんを見せつけましたね。
祖父母、両親が全員元五輪選手という金戸凜(13歳、東京・日出中)が2月5日、東京辰巳国際水泳場で行われた国際大会派遣選手選考会に出場し、女子3メートル板飛び込みで300.50点をマークしました。初出場の舞台で、シニアの大会では自身初の300点超えで1位となりました。女子高飛び込みでリオデジャネイロ五輪8位の板橋美波(17歳、JSS宝塚)のこの競技での4連覇を阻む快挙で頂点に立ちました。
女子高飛び込みでリオ五輪8位入賞の板橋美波は、4日に行われた高飛び込み競技では347.50点で1位となり、336.10点で2位の佐々木那奈(18歳、JSS宝塚)とともに世界選手権(7月14~23日、ブダペスト)の代表に選ばれましたが、3メートル板飛び込みで優勝の金戸は、国際大会派遣選手選考基準に1.5点届かず世界選手権出場を逃してしまいました。伸び盛りののりしろを勘案して選んであげればいいのに残念ですね。
金戸凛の祖父母はともに、1960年ローマ五輪、64年東京五輪に出場。日本水連の飛び込み強化コーチの父・恵太さん(49)と母・幸さん(48)は、ともに88年ソウル五輪から3大会連続出場を果たしています。飛び込み界のエリートは幼い頃から、トランポリンやクラシックバレエで汗を流し、空中姿勢を磨いてきたそうです。
身長150センチ、体重40キロで、筋力不足のため、難易度の高い演技はまだこなせませんし、7月の世界選手権(ハンガリー)の選手派遣基準点(302点)には惜しくも届きませんでした。シニアでの“世界デビュー”はお預けとなってしまいましたが、焦らず、筋力をしっかり身につけ、2020年の東京五輪を見据えて技も磨いていって欲しいですね。そして、祖父母も父母もまだ手にしていない初メダルを飛び込み一家に、いや、日本にもたらしてくれることを心から祈りましょう。
目先、金戸が参加予定のジュニアオリンピックの飛び込み競技(3月25日、26日)に注目です。