なんとなんと、男子柔道は残すところ後100㎏超級だけですが、この100㎏級で羽賀が銅メダルに踏みとどまってくれたところで今のところ全階級でメダルを獲得という快挙ですね。
準々決勝で、羽賀は優勝したチェコのルーカス・クルパレクを相手に指導を2つとられ、終盤に攻めに転じましたがポイントを奪えず、指導差1つで敗れてしまいました。
切れ味ある得意な内股を武器に、昨夏の世界選手権を制し、一昨年の100㎏級代表見送りの屈辱を乗り越えて彗星のごとく国際大会の舞台に躍り出た羽賀龍之介ですが、彼の必殺内股封じにどの選手も十分に対策を練っていた感じでした。 初戦でこそ内股炸裂で1本を取りましたが、その後はなかなか十分な形で内股で相手を宙に浮かすことはできませんでした。
4月頃、膝を痛め、体重別や全日本柔道大会も出場せず、リオ五輪に向けて調整してきた羽賀ですが、試合内容からその膝にやや不安が残っているようにも見えました。
敗者復活戦に回った羽賀は、ベカ・グビニアシビリ(ジョージア)に優勢勝ちし、3位決定戦に進出し、ウクライナのアルチョム・ブロシェンコを三角締め1本で破り銅メダルを獲得しました。
金メダルへのこだわりの強かった羽賀には悔しい銅メダルでしたが、もはや、「弱い100㎏級」のレッテルは完全払拭の証となる銅メダルでした。
ジュニア時代から内股1本で世界トップに君臨してきたサラブレット羽賀も、今や25歳です。 シニアへと舞台を移してからは永らく臥薪嘗胆の雌伏の時を迎え、紆余曲折の末掴んだ銅メダルでした。 これを頂点とせず、さらに東京五輪に向けて大輪の花を咲かせて欲しいですね。
余談ですが、羽賀も東海大出身で、井上康生監督の後輩です。 現在の所属は旭化成で、リオ五輪金メダルの大野将平、同じく銅メダルの永瀬貴規は同僚になります。