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読書「国家の罠 - 外務省のラスプーチンと呼ばれて」

読書「国家の罠 - 外務省のラスプーチンと呼ばれて」_f0090954_631531.jpg世の中の動きをみていると、時々、だれか黒幕が裏でシナリオをかいているんだろうなぁと感じることがあります。

この「国家の罠」は、まさにそうした私にとってのブラックボックスに小気味よく切り込んでくれています。

正直言って「佐藤優」ものは食わず嫌いでした。あまりにも彼の著作がメディア社会に氾濫していることと彼の書評で選ぶ本が難しそうな本ばかりで興味がわかなかったことが原因です。

私が、佐藤優の文章に触れたのは、塩野七生の「わが友マキアヴェッリ」の解説文でした。マキアヴェッリもイタリア・フィレンツェで外交官として働きながらフィレンツェを統治するトップが交代することがきっかけで左遷されるどころか獄につながれてしまいます。そのことが彼をして「君主論」を書くきっかけとなったのですから世の中皮肉なものです。解説の中で佐藤優が自分の境遇とニッコロ・マキアヴェッリのそれがよく似ていることに驚きながら塩野七生氏の作品を的確な切り口で解説していました。ある種の美学に貫かれた文章には潔さがあり、もっと彼のことを知りたいという興味からこの「国家の罠」にたどり着きました。

その美学と潔さは、まごうことなくこの「国家の罠」にも貫かれていました。

彼の作品の中で、ドイツの哲学者ヘーゲルの「精神現象学」の引用部分を面白く読みました。ヘーゲルは、同じ出来事でも、当事者にとってこう見えるものが、学術的訓練を積んだ観察者の目からは別に見えるということを巧みに説明していることを引き合いに出して、取調室での検事の「国策捜査」で被疑者から、彼らが作ったシナリオ通りの供述を取ろうとする圧力を揶揄しています。

検察が思い通りの供述を被告人から取れない場合、拘留を伸ばして被告人を「人質」にすることで、検察自ら有利な状況を作ろうとしていることを国際スタンダードから疑問視もしています。

拘留理由について裁判所にはいつでも公開の席で開示する義務があること、この経緯をきちんと残し、ロンドンのアムネスティインターナショナル本部に送り、日本の人質裁判が国際人権スタンダードからいかにずれているかを訴えるということを弁護人に相談している個所を面白く読みました。

裁判所を不必要に刺激するので公判戦術上得策でないと退けられていましたが・・・・・。

この本は、国後島のいわゆる「ムネオハウス」等をめぐってその鈴木宗男の「懐刀」であったノンキャリア外交官佐藤優が、事件の前後のいきさつと、逮捕されてからの拘置所内での検察官とのやりとり、そして事件の全貌の裏にあるブラックボックスについての彼の見立てが興味深く書かれていました。

彼の見立てはこうです。

小泉政権成立後、日本は本格的な構造転換を遂げようとしています。内省的には、ケインズ型公平分配政策からハイエク型傾斜配分、新自由主義への転換です。外交的にはナショナリズムの強化です。

一方、鈴木宗男氏は、内政では、地方の声を自らの政治力をもって中央に反映させ、再配分を担保する公平分配論者で、外交的には、アメリカ、ロシア、中国との関係をバランスよく発展させるためには、日本人が排外主義的なナショナリズムに走ることは却って国益を毀損すると考える国際協調主義的な日本の愛国者であると、佐藤氏は分析しています。

「国策捜査」によって、鈴木ムネオという政治家を断罪する中、日本はハイエク型新自由主義と排外主義的なナショナリズムへの転換を行っていこうとしたのではないかというのが佐藤氏の見立てです。初版が2005年ということでは、慧眼だったというしか言いようがなかろう。

その上で、国策捜査における歴史的必然性があることと、自ら行っていない犯罪を飲み込むことは全く別の問題と言って譲らず、検察が導き出そうと画策するシナリオに乗っかることはしません。

田中眞紀子女史と鈴木宗男氏の天敵同士の泥仕合の顛末、外務省内部の派閥抗争、ゴルバチョフ、エリツィン、プーチンへと移る、ソ連、ロシアのトップの変遷が巻き起こす対ソ、対ロ外交の苦労の裏話が満載で、しかもわかりやすく書かれています。

ここに来て、資本主義の巻き起こす貧富の差の問題がクローズアップされていますが、そもそもは小泉政権のときに敷かれた路線だったのですね、ナショナリズム路線も小泉首相の靖国問題や北朝鮮人質問題等を考え合わせれば腑に落ちます。 今の安倍政権も基本的には新自由主義+ナショナリズム路線を踏襲していますね。
by zoompac | 2016-05-23 06:03 | 読書・映画・音楽
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