銀座線三越前駅から直結の「コレド室町」の4階にあるTOHOシネマズ日本橋で観ました。
蕎麦好き(ソバ好き連、通商「ソ連」の立ち上げ人)で、日本酒党で、江戸風俗研究家として、昔のNHK番組「コメディお江戸でござる」の解説者をしていて、漫画家でもあった杉浦日向子さんの代表作「百日紅」をアニメ化した作品です。彼女は2005年に咽頭癌を患い46歳の若さで亡くなってしまいました。
両国橋を行き交う人波から垣間見えてくる往時の風俗や、江戸の町の人々の暮らしが季節の移り変わりを通して伝わってくる、杉浦日向子ワールドに彩られた映画でした。
お栄と北斎という親子にしてともに浮世絵師である二人の関係を軸に物語が進行します。お栄を主人公に、絵師としての矜持、家族への愛情、揺れる恋心が語られます。
貧しくとも、人生を謳歌する人々の喜怒哀楽が江戸を舞台に描かれていました。
お栄は枕絵も描くのですが、その絵に色気がないと言われ、男娼を買いに行く下りなどは、さすが杉浦日向子さんの創作だと思わず笑ってしまいましたよ。
彼女の「百物語」もアニメ化して欲しいな。杉浦ワールドの描く「江戸の粋」をまだまだ感じていたいです。
それと、彼女の元夫の荒俣宏氏の「帝都物語」を再読したいな・・・とも思いました。
どうでもいいことですが、18世紀から19世紀の葛飾北斎は長生きで88歳まで生きました。 15世紀~16世紀のルネッサンス期に活躍したミケランジェロも88歳まで活躍しました。 88歳つながり・・・です。
これまた余談ですが、TV番組の特集でゴッホの「星月夜」をやっていました。
11の星と月の間隙に描かれた渦巻が、北斎の富嶽三十六景の「神奈川沖波裏」の覆いかぶさる波の形と似ているということで、鑑定家のような人が重ね絵の実験をしました。 なんとなんとぴったり一致していましたよ。
37歳の若さで亡くなった19世紀の画家ゴッホは、一時期、日本の浮世絵に熱中し、しきりに模写をする修行をしていたようですね。