前評判通り、田知本愛と山部佳苗の決勝戦対決となりました。
去年も同じ対決で、山部が田知本を内股透かしの体落としで投げ飛ばしましたが、今年は旗判定で田知本に軍配があがりました。 しかも、白旗三本で田知本の勝ちとなったときの山部の驚愕の顔・・・・、私も山部有利かなとみていたのですっきりしない判定でした。
もやもやした結果の試合となった 一番の原因は審判の曖昧な判定です。 副審はでしゃばりすぎですし主審は自分の下した判断をその副審のクレームでひっくり返すという情けなさです。 なんだか最初から田知本に勝たせようという意図があったのかと勘繰りたくなるような判定でした。
指導が一枚づつの田知本と山部に対して、田知本の場外に主審が「指導」を出したのに、副審からのクレームが出てその田知本に対する「指導」を取り消させ、その主審の判定の前から副審2人が両人に指導を出せと主審に要望を出していたのに主審が気付かなかったので、そこまで遡って二人に「指導」というのはどう考えてもおかしいですよ。
それだったらその後技ありが出てもそれを取り消して遡って二人に指導を出すんですかってことでしょう。よしんば二人に指導を一枚づつ加えても、田知本の場外指導まで取り消したらだめです。何のための主審なのかと思ってしまいますよ。
試合は生き物なんだし、審判同志の貧弱なコミュニケーションのせいで遡ってどうでもいい「指導」を宣言するなんて試合のリズムを崩してしまいますよね。昔の主審・副審制度の精神に戻って、すべての判断を主審に委ね、主審が判断に迷ったときだけ意見を提供するっていうのじゃダメなんですか。
試合を観ていても何も逃げ回ったり、組まないわけではなく、がっぷり組んですきあらば技をかけようとして互いに圧力のかけあいをしている場面でした。もっと選手にのびのび試合をやらせなさいよ。副審がでしゃばって指導を主張する場面じゃないですよ。主審も気づかないくらいの緊迫した状況だったのに・・・・。試合をする選手が可愛そうなお粗末な審判振りには本当に腹が立ちました。
あれだったら審判1人でジュリー2人のほうがよっぽどすっきりしますね。 主審も決しておかしい判断ではなかったと思いますよ。 ただ副審の主張に自分の判断を引っ込めたことは駄目です。 主審権限で副審の横車を抑えるくらいの気概が欲しかったです。 大事なのは主審と副審との人間関係でも副審のメンツでもなく、選手の試合です。主審が「指導」を宣するような流れではなかったはずです。 副審のでしゃばった「指導」要求なんか無視でよかったのですよ。
全日本女子柔道という大舞台で、台所に立った嫁(主審)が、姑と小姑にいびられて判断を変えるという嫌な場面を見てしまいました。あんな審判じゃ選手が可愛そうですね。山部佳苗の場所選ばずの号泣の気持ちが痛いほど伝わってきました。
しかし、山部にとっての救いは、田知本同様、推薦枠で78+級の代表に選ばれたことです。
決勝に上がるまでオール1本勝ちの山部に対して田知本はほとんど旗判定でした。
まだ山部も田知本も横一線です。
8月のカザフスタンの地で山部の悔し涙の鬱憤を晴らして欲しいです。これまで国内では波に乗ると手の付けられないくらいの圧倒的な強さを発揮するのに国際舞台で活躍できなかった内弁慶山部佳苗の世界での舞台の活躍を期待したいです。
一方の田知本は過去5度の世界選手権で4度銅メダルを獲得しているむしろ国際舞台に強い実力者です。これまで9度もの全日本選手権の挑戦で優勝のないのが不思議なくらいでした。10度目に優勝となりましたが、胸の内では「負けたかもしれない」と思ったと思います。 世界の決勝の舞台で山部と白黒の決着をつけるくらいの気迫で今度こそ金メダルを目指して欲しいです。