去年の32回皇后盃女子駅伝(都道府県対抗女子駅伝)大会は、木崎良子が京都代表で出場し4区で区間新の走りで京都優勝に大きく貢献しました。2位は群馬で、アンカーを走った西原加純が猛追で、京都に遅れることわずか7秒差の2位でした。
京都の皇后盃女子駅伝の切り札、エース木崎良子のエントリーは今回33回都道府県対抗女子駅伝には見あたりません。彼女は30回大会はダイハツのある大阪で出場し、このときは大阪の優勝に貢献しました。 まさに駅伝の申し子というか姐御的存在ですね。
京都にとってもう一つ痛いのは、去年7区を区間賞で走った筒井咲帆(当時乙訓高校3年)がヤマダ電機の実業団駅伝選手として群馬県から出場することです。
となると、今年の大本命は去年7秒差の2位の雪辱に燃える群馬です。去年の経験者がほとんど残っていることに加え、筒井美咲が新戦力となります。
去年中学生区間を走った樺沢和佳奈(3区で区間2位)、篠崎玲奈(8区で区間2位)は共に、常盤高に進学しましたが、心配ご無用、群馬は伝統的に中学生が強いのです。全中3000mのランキングで2位の記録を持つ富士見中の林英麻と7位の記録を持つ高崎大類中の不破亜莉珠がいます。
実業団選手としてヤマダ電機の森唯我、西原加純、新人ながら4人抜きの区間賞の走りでヤマダ電機を暮れの実業団駅伝で3位に押し上げた筒井美咲、高校生ランナーとしては暮れの全国高校駅伝3位の常盤高校から、空手少女岡本春美、小林由佳、スーパールーキーの樺沢和佳奈がエントリーされています。
予想オーダーは1区森唯我、2区岡本春美、3区林英麻、アンカー西原加純でしょう。
筒井美咲を1区に、森唯我をアンカーに回して、4区西原加純のオーダーもありです。2区に樺沢和佳奈を配して、5区に岡本春美でもいいです。とにかく選手層が全9区間へ配置する人材が豊富です。
中学生区間は3区と8区です。この区間に全国2位と7位という選手がいることが圧倒的なアドバンテージです。
大阪は全国高校駅伝で大阪薫英女高が優勝したということもあり、群馬の対抗馬として最右翼だと思います。高松望ムセンビ(大阪薫英)の妹高松智美ムセンビは3000m全中ランキング1位です。去年も3区を走った智美ムセンビが姉の望ムセンビが1区1位から11位まで落とした順位を7人抜きで3位まで押し上げる区間賞の走りでした。 去年1区区間賞だったの立命大の大森菜月もエントリーしていますので、去年と同じ1区大森菜月から2区高松望ムセンビ、3区高松智美ムセンビで先行逃げ切りを図りたいところです。去年2区で失速した高松望ムセンビが実力通りの走りができれば、大阪薫英高から去年の暮れの高校駅伝優勝メンバーである嵯峨山佳菜や加賀山恵奈、そして高校駅伝4区区間賞だった前田梨乃、実業団からは、岡小百合や松田瑞生というダイハツの選手、松山祥子(パナソニック)がエントリーされていますので優勝争いに食い込む可能性は高いと思います。
京都は、全中駅伝で桂中学が優勝しましたが、その1区、2区の選手がエントリーされています。たぶんこの皇后杯2区には全国高校駅伝で2区区間賞の走りをした安藤富貴子がくるでしょう。そこから3区には全中駅伝2区区間賞の塩見綾乃をもってくるのではないでしょうか?1区に立命大の菅野七虹をもってきて、大阪代表の同期大森菜月と競ったら面白いでしょうね。去年の1区でもこの二人の争いがあり、菅野は大森に遅れること2秒の区間2位でした。京都には去年5区区間賞の立命館宇治高の関紅葉もエントリーされています。 ただ今年は絶体的エース木崎が不在で去年に比べて戦力ダウンの感じは否めません。
兵庫には立命大1年生エースの太田琴菜がいます。豊田自動織機の林田みさき、ダイハツの坂井田歩、ヤマダ電機の竹地志帆もエントリーされています。あくまでも予想ですが、1区に太田琴菜、2区に須磨学園の康本花梨か西脇工業の高橋ひなでいい流れをつくれば、3区に全中ランキング3位の小野南中の田中希実で好位置につけることは可能だと思います。 例年に比べて高校生ランナーがやや見劣りする感じです。
実業団選手が充実しているのは神奈川県です。ユニバの青山瑠衣、パナソニックの加藤麻美、森田香織がいます。 立教大の出水田眞紀、白鵬女高の加藤美菜、父親が豪人の金沢中のリンズイ・ヘレナ・芽衣は全中ランキング8位です。 群馬県ほど強力な感じはありませんが、バランスのいいチームとして上位は目指せると思います。
豊川高の鷲見梓沙や日本郵政グループの鈴木亜由子のいる愛知にも、全中ランキング5位の高豊中の松野優実がいますので、流れに乗れば、上位に食い込む可能性は大きいです。
郷土愛に燃える選手たちが、中学生、高校生、大学生、社会人へと世代間のタスキをつなぐ稀有なレースは、明日、日曜日の正午から15時10分までNHK総合で放映されます。