今日は、義理の兄夫婦と私ども夫婦、そして映画、読書、旅好きの友達の5人で「あなぐま亭」にお邪魔しました。
「あなぐま亭」は通天閣から堺筋の道路を隔てた場所にある恵美小学校の向かいにあります。 そうは見えないのですが、一応、今宮戎の参道沿いを恵美小学校と「あなぐま亭」が挟んだ格好になっています。
堺筋線、恵美須町駅、御堂筋線、動物園前駅、JR新今宮駅が最寄り駅になります。御堂筋線で動物園前駅から1つ南の駅の天王寺駅に行けばアベノハルカスという日本一高いビルがそびえ立っています。
付きだしに、泥サザエという珍しい貝がでました。 サザエではなく別名ミヤコボラ貝というボラ貝の仲間で、和歌山県でよく食される貝だそうです。醤油味付けされた泥サザエは食感がトコブシに似て美味しかったです。そういえば、千葉県にもローカルの貝でホンビノス貝っていうのがあります。ローカルで食される貝に出会えるなんてちょっとお得感があって嬉しいですね。付き出しのもう一品は、チキン、パプリカ、ポテトのトマト煮込みでした。
第一品目は、刺身盛り合わせ5人前でした。 真ん中が、天然ぶり、イクラのサーモン巻、時計回りに、天然真鯛のきずし(きずし:塩締め)、 あまてカレイ(東京では「まこカレイ」、大分県の有名なブランドの城下カレイと同じ種類のカレイ)、こしょう鯛の焼き霜(焼き霜:魚を皮付きで刺身にするとき皮を直火で焼き目をつけ冷水で冷ます料理法)です。 刺身といえど、きちんと下仕事がされており、美味しさを堪能させてもらいました。
第二品めは、昨日の浪速割烹路線から一転して、中華系の料理でした。ムースーロー(木須肉)の揚げ春巻きです。豚肉、キクラゲ、玉子の組み合わせで、玉子のふんわり感とキクラゲの食感が、かりっと揚がった春巻きに包まれて美味しかったです。昨日飲み過ぎたため、ハートランドの生ビールの後、お酒が飲めず、ひたすら生姜ティー(冷やしあめ?)だったのがちょっと残念でした。
第三品目は、マトン肉を使った、麻婆豆腐です。上にパクチーが乗っかって、一味違うエスニック風の香りの麻婆豆腐でした。 最後の写真の締めのチャーハンの上にちょろっと乗っかっているのもこの麻婆豆腐ですが、やはり白ごはんが欲しかったです。
第四品めは、石鯛の香草揚げです。石鯛の皮がパリッと揚げられており、その皮にも中の肉にも、香草の香りが浸みてとっても美味しかったです。香草として、パセリ、セロリ、パクチー、天然クレソンが使われていました。 味付けピーナッツのアクセントが効いていました。 昔、ヌーベル・シノワの「豪火」(昔、大阪の天満、今は東京西麻布に引っ越された新感覚の中華料理レストラン)で食した味を思い起こされました。 エスニック感覚の美味しい驚きの逸品でした。
第五品めは、昨日もいただいた「長芋と卯の花の巾着揚げ」でした。この一品だけ、昨日のおまかせとかぶっていました。そういえば昨日の付け出しの紹介を忘れていました。 ハモのフエ(浮き袋)と肝とあまてカレイの卵、それに大根の葉とうす揚げの煮びたしの小鉢でした。 これも珍味で、さあ、これからお酒を飲むぞ!という気持ちをさらに鼓舞するにくらしい料理でした。
今日の最後は、合鴨と下仁田ネギ入りのチャーハンで締めました。
今日も、5人で16,800円、飲み物代込みで1人3,500円足らずという安さでした。 私も義理の兄もよく飲むほうですが、よく飲んだとしても滅多に5,000円を超えることはありません。日本酒等も一合400円くらいで飲める銘柄が多いです。シェフに聞くと、料理に合う銘柄を嬉しそうな顔をして教えてくれます。 特に燗酒にこだわりがあるようです。
基本的におまかせ5品は小鉢を中心にして2,300円で提供しているようです。 昼呑みセットはなんと、生ビールor日本酒と5品のおつまみがついて900円という安さです。ランチは常時4~5種類の選択肢があって680円です。昼は小沼さんという女性、夜は泉谷さんという男性が担当しています。仕込みや下仕事は二人の共同ですが、基本的に違った意味での「ワンマン経営」居酒屋です。
昨日は、浪速割烹「㐂川」系列店のような居酒屋、今日はヌーベルシノワ「豪火」の大阪居酒屋バージョンのような「あなぐま亭」の工夫の料理の数々を堪能させてもらいました。
恐るべし、進化する「あなぐま亭」の夜の部を一人で切り盛りする泉谷洋平シェフの職人技・・・でした。