今年三度めの手術・入院となりました。
今年3月後半に左膝人工関節部分置換手術、6月後半に右股関節人工関節全置換手術、そして8月後半の今日21日の朝10時頃から再度左膝の手術です。
左膝の内側を人工関節に替えましたが、退院後、鵞足炎という名の腱炎にかかり、膝下付近に痛みが出ました。ステロイドの注射等の治療で、鵞足炎は治まったのですが、歩くと膝に少量の水が溜まり腫れぼったくなる症状が続いています。
人工関節が入ったため体が異物に対して抵抗している症状かなとも思いましたが3月の手術で骨片が膝の中に落ちたということも気になっていたので、とりあえず「後願の憂い」を除き前向きにリハビリに取り組むくために膝の中をきれいに掃除してもらうことにしました。
関節軟骨や半月板が削れたデブリー(debris: フランス語が英語になったもので、時事英語では飛行機事故の残骸等に用いられます。最期のSは発音しません)と呼ばれる骨片等の異物(関節内の遊離体、俗にネズミと呼ばれる骨片等もデブリーに含まれます。)等が原因となって滑膜炎を起こしているようです。そうした異物を除去しようとして関節包の内側にある滑膜から関節液を多量に出している免疫不全の可能性が高いのです。
滑膜は関節の動きを滑らかにするためある一定の関節液を分泌し、また同時にその液を吸収し、関節液の量を一定に保つ働きをしているのですが、そして滑膜が分泌する関節液が吸収する液より多くなると滑膜が炎症を起こしてしまい、関節が腫れ、膝の曲げ伸ばしの活動域も狭まってしまいます。また余分な関節液が軟骨や半月板を溶かし変形性膝関節炎等を悪化させるという悪循環も引き起こすようです。滑膜には神経が通っているため滑膜の炎症は痛みを伴うとも言われています。
大元の痛みは、さすがに3月の人工関節置換手術でとれてはいるのですが、引っ張られ感、ひきつり感、ちりちり感等があり、違和感が残っているのです。 3月の人工関節が内側半分の部分置換だったので、外側半分の半月板と関節軟骨がそのままになっているという(中途半端な?)状況も気になっていました。ですから、時計や車でいうところの分解・整備(overhaul)のための手術です。
滑膜炎が慢性化すると滑膜は肥厚化したり糜爛化するため、炎症を根治するため切除するという施術も選択肢に入ってきます。私の場合も例外ではありません。
今回、全身麻酔下で、関節の中に水を入れて膨らまし、水を連続して流しながら、デブリー(異物等の残骸)を洗い流(吸引)し、その後を4mmほどの太さのカメラを関節に入れて、中をのぞきながら、滑膜の痛んでいる部分が確認できれば、別の穴より同じくらいの太さのシェーバー を入れて草刈り機のような要領で滑膜を削ぎ取るそうですます。カメラを入れる穴傷(皮膚切開)7~8mmぐらいを3ケ所くらい作るそうで、手術時間は1時間以内との説明を受けました。骨棘もあれば除去するようで、要するに膝関節内で炎症の原因と思われるものを除去、洗浄するクリーニングのための手術です。
手術後は、滑膜に毛細血管が走っていることから、切除後に内出血を起こし膝が大きく腫れる可能性があると聞いています。本来は薄い滑膜ですが炎症などで異常に増殖しコブのような塊になっているときはその出血の可能性がたかいようです。
いつ退院できるかは、その術後の腫れの引き具合とその経過を観ての抜糸(抜鉤)のタイミングにかかっているいるようです。 術後早くて四日後から遅くても一週間での退院予定です。