獄医 立花登手控えの4巻シリーズの第3巻です。 登とおちえの恋愛物語のほうも、じれったいほどの進展ペースですが、登とそして読者の意識を高めてくれています。
入院中の無聊を慰めるには実に手ごろでいい本です。 立花登が剣の使い手でなく、柔術家というところが病人に優しいです。その上、彼は小伝馬町牢獄の懸りつけの医者です。患者に対して、それが咎人であろうが、誰に対しても真摯です。叔父の家のある浅草界隈から、職場の小伝馬町牢獄への通勤途上の街並み描写が実にいいです。
赤毛のアンちゃん風に想像するなら、病室の窓から、江戸の風がサァーッと吹き込んでくるような小説です。
藤沢周平の作品では、「蝉しぐれ」、「用心棒日月抄」、「橋ものがたり」が私のベスト・スリーなのですが、この獄医立花登手控えシリーズを加えて、ベスト・フォーといたします。
術後の経過も順調で、週末から週初に行ったレントゲン、CT、血液検査の結果も問題なしということで、今週金曜日には退院できそうです。
リハビリでは、10分間の杖歩行で持続安定歩行のテストもクリア、片足立ち30秒テストもクリアできました。
今日から、杖なし歩行に挑戦です。
退院する金曜日までに、このシリーズの第四巻も読了できると思います。
今、並行読みで、1)もの食う人びと、2)マンゴー・レイン、3)眠狂四郎無頼控(一)、4)八月の6日間、5)トワイライト・シャッフル、5)人間の檻(獄医立花登手控え四)の5冊を万遍なく平均的に読み進めています。
全部は無理かもしれませんが、何冊かは退院までに読了できそうです。
病院では、午前中と午後、それぞれ40分のリハビリ、と三度の食事以外は、Tsutaya DVD、TV、そして贅沢な読書の時間です。 そういうふうにして、病室でゴロゴロしながら、穴倉で傷を舐めながら傷の癒えを待つ熊のように、術後のダメージからの回復を図っています。